過去の彼と今の彼
一時間後に驚きと呆れた表情の武藤譲が付き添いで春彦と伽羅は名古屋へと向かったのである。
譲は息を吐き出すと
「…なるほど、こういう手がありましたか」
流石と言うしかないですね
と呟いた。
春彦と伽羅も青いベッドに座り顔を見合わせた。
伽羅は春彦に
「新幹線にこんな空間があるなんて知らなかった」
と告げた。
春彦は頷いて
「俺も知らなかった」
本来は優先座席みたいな扱いらしい
と告げた。
「だから隆さん早朝にしたんだ」
利用する人が少ないから
譲と春彦と伽羅がいる場所は新幹線の特別室であった。
新幹線には個室はないが特別な多目的利用の個室に近い空間が存在するのである。
但し、利用客は限られていて普通知っている人も少なく利用する人も少ない空間であった。
その部屋の前には津村家のボディーガードが守っており1時間半を春彦と伽羅はその部屋で過ごしたのである。
二人が到着したのは7時であった。
春彦と伽羅は新幹線から降りると改札を抜けると駅と直結しているホテルのレストランへと押し込められた。
譲は二人に
「私は車を手配してきますからその間に朝食を済ませておいてください」
と言い、付き添いのボディーガードに後を頼んでホテルを後にしたのである。
一時間後に二人が朝食を終えると譲が姿を見せて車へと二人を案内し伽羅が見た天守が見える場所を探したのである。
春彦は携帯で絵を出しながら
「天守閣の角度を合わせて離れていく方が良いよな」
と言い譲に車で濠を一周してもらったのである。
そして、見えた角度と合わせると東門の前を通って南に降りたところなので春彦は
「南東か」
と呟いて携帯でマップを出した。
「南東の方角にあるというと高岳駅の方だよな」
伽羅は横から覗き込みながら
「だよね」
と答えた。
春彦は運転している譲に
「すみません、高岳駅の方へ向かってもらっても良いですか?」
と呼びかけた。
譲は車を路肩に一時的に止めて
「かしこまりました」
と答え、高岳駅を目的地にすると走り出した。
春彦は伽羅に
「マンションか、ホテルか」
伽羅の見た部屋の感じの建物があるか見て行こう
「街の灯を見下ろしていたから高層ビルと思うけど」
と告げた。
伽羅は頷いて
「わかった」
と答えた。
城の外周から大津通へと入り、そのまま南下していく。
線路と交差する前に左折して駅へと向かうのである。
道としては単純であった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




