夏休みの謎解き冒険談
誠二は首を振ると
「それも分かりません」
と告げた。
「それこそ、まったく価値の無い物の可能性はあると思います」
けれど俺の知らない凄く価値のあるものかもしれません
「ただ何か分らなくて気になるので調べてもらおうと思ったんです」
春彦は頷いて
「わかりました」
と答えた。
そして
「あの、この家の中を見て回らせてもらっても良いですか?」
と付け加えた。
誠二は頷いた。
「もちろん、お願いします」
春彦は伽羅と尊に顔を向けると合図するように頷いて立ち上がった。
譲も習って立ち上がり三人の後を付いて歩いた。
春彦は紙を広げて館の一階をずっと見て歩いた。
その後、二階に上がると二階も見て回った。
伽羅は館の形を思い出しながら春彦の手の紙を見ると
「あ、もしかして」
と呟いた。
春彦は頷いて
「うん、多分…このマス目の集合が作っている形は館の内部だ」
と言い
「問題は小さなマス目の意味なんだよな」
と告げた。
「表題が時は金なりで数字も0から59だから時計だと思ってるんだけどな」
伽羅は覗き込みながら
「だよな」
と言い
「それで?」
と春彦を見た。
春彦は紙を見下ろして
「ランダムに数字が書かれているけど、多分意味があると思って」
最初は数字通り線を引くと文字が出てくるかもと思ったけど違った
と息を吐き出し
「迷路かと思って扉前の0から1,2,3って進んでいくと思ったんだけど、途中途中で途切れているんだよな」
そう言って、春彦は玄関口へと向かった
伽羅と尊もついて玄関口へと向かった。
譲も誠二の二人も春彦たちの後に続いた。
春彦は0地点から1,2,3,4と足を進めて右側の壁の前で立ち止まった。
「ここで道が無くなるんだよな」
9だから接しているマスに10がないとダメなんだけどなぁ
伽羅が「無いんだよね」と呟いた。
春彦はう~んと声を零して
「次はこの51,52、53と続いているこれだと思うんだけど」
51なんだよな
と壁を見て目を見開いた。
「ま、さか」
春彦はそう言うと
「試すだけの価値はあるか」
と言い壁にかかった時計に指を伸ばした。
伽羅と尊も後ろから着いて来ていた譲と誠二もそれを見つめた。
春彦は長針を50にして短針を10にセットした。
つまり10時50分である。
振り返り
「これなら繋がるだろ?」
と言い
「行こう」
と歩き出した。
同じように途切れたところには時計がありそれを先程のように合わせて行った。
最後にたどり着いたのは館の誠一郎の書斎の壁であった。
春彦は立ち止まり
「ここが終点だけど」
と言い、壁を見つめ小さな切れ目に目を細めるとそこを指で押さえ下に降ろした。
そこにカタカナ50音のボタンがあった。
春彦は小さく笑むと
「なるほど」
と言い
「確か最初は10時50分」
と呟きながらボタンを押した。
伽羅は覗き込みながら
「時計の形じゃないの?」
と聞いた。
尊も頷きながら
「推理小説ならそうだよな」
と相槌を打った。
春彦はそれに
「それじゃ、へとくくらいしかないだろ」
と告げた。
二人はハッとすると
「「確かに」」
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




