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リバースプロキシ  作者: 如月いさみ


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特別家系の公認会計士

それは平良始が独立してから請け負った会社全てに対してであった。

公認会計士の試験に合格し、その後に監査法人に入社して監査の補助作業などを5年行い更に公認会計士の協会に登録して独立したのは8年前である。


それから5年間は年間で6件の会社や学校法人などの単独監査を行っていた。

毎年同じ会社もあればその年だけという会社もあり全部で15件ほどの会社であった。


春彦はその15件を全てネットで探したのである。

そこで3年前に起きた事件を知ることになったのである。


伽羅もその記事を読み

「…これが原因で監査を止めたのかな?」

とチラリと春彦を見た。


春彦は書類とパソコンの画面を見比べながら

「んー、可能性はあるな」

時期も一致しているし

「けど記事の内容を鵜呑みにすれば平良さんが悪いわけではないと思うけどな」

不正や不備を見つけて是正する為に公認会計士がいるわけだし

「その指摘を怒って解除になったのなら平良さんは被害者?になる気がするけどな」

と告げた。


伽羅も小さく頷いた。

時計の針は刻一刻と進み全ての企業が確認すると伽羅も春彦も春彦の部屋で横になった。


伽羅は寝ながら

「目がいたーい」

と思わず叫んだ。

「バシバシする」


春彦も苦笑しながら

「俺もだな」

と小さくぼやいた。


翌日、朝の10時に平良始が島津家へと姿を見せた。

眼鏡を掛けた凛としたサラリーマン風の男性であった。


春彦と伽羅と更紗と譲が玄関口で彼を出迎えた。

更紗が一緒に出迎えたのは島津家として招いた手前があるからである。


始は頭を下げると

「初めまして、平良始と申します」

島津家からお声がかかるとは光栄です

と告げた。


更紗は笑顔で

「いいえ、こちらこそご足労頂き感謝しております」

と有体な返事をし

「どうぞ」

と言い、譲を見た。


譲は頷くと

「平良様、こちらの大広間へ」

と誘なった。


春彦も頭を下げると

「初めまして宜しくお願いします」

と告げた。

伽羅も慌てて

「俺も宜しくお願いします」

と答えた。


始はにこりと笑うと

「宜しくお願いいたします」

と返した。


更紗は大広間でそれぞれが席に着くと唇を開いた。

「平良さんにお願いしたいのは私の息子である春彦の税務についてです」


春彦も伽羅も同時に彼女を見た。

「「??」」


譲は春彦がアルバイトをしている海埜探偵事務所の書類と春彦名義の通帳を始の前に置いた。

「こちらです」

春彦様は昨年の12月からアルバイトをされているのですが金額的に来年には確定申告を行う必要があるかと思います

「その税務処理とコンサルティングをお願いしたいと思います」


春彦は目を見開いた。

「…」


何時の間に?である。

実は直彦が管理していた通帳を今回の件で譲が直彦から送ってもらっていたのである。

大学の4年間も九州にいることを春彦が決めたので何れはと直彦も考えていたので二つ返事で即効送るということになったのである。


始は探偵事務所の書類と春彦の通帳を見て

「…結構な金額が不定期に振り込まれていますね」

と言い

「探偵事務所から源泉徴収票か支払い書か幾つかの書類を送っていただかないと」

と告げた。

「それからこの三つの案件に関連した費用の領収書なども必要となります」


春彦は「おおお」と驚いた。

「そうなんだ」


伽羅も同時に驚いた。

「そう言うのあるんだ」


譲は始に

「かしこまりました」

と答え

「それに関してはご用意させていただきます」

税務処理とコンサルティング料金に関しては後程ご相談を

と告げた。


更紗は立ち上がると

「では、息子の件宜しくお願いいたします」

と頭を下げて立ち去った。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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