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4.自分に出来る事


マスターだいしょうぶですか~?」


 聞こえな~い。聞こえな~い。


 扉の向こうから人形達が叫んでるけど…今は無視。なぜなら僕は今ベッドで布団をかぶり絶賛傷心ハートブレーク中だ


 「マスター、戦闘スキルが無くても俺らがいるから大丈夫だってば~」


 っく……玉兎め…人の傷ついた心を土足で踏みやがって…


 「黙れ!玉兎!!たとえ隣のセントロー氏の戦闘スキルが67個もあったとしても、そんな事は些細な事!!マスターには類稀なる人形造形の才能があるのだ!戦闘スキルなど無くてもいいのだっ!!」


 …煌星、どうせ僕は人形しか作れないし。先頭称号が人形狂だしさ……うぅ…

 

 しかもちょっとでも気持ちを浮上させようと思って…失礼だけど帰りに隣によっておじさんのステータス見せて貰ったら……戦闘スキルを67個も持ってたし…スキルマニアってなんなのさ!……まだ100個の大台に乗ってないから称号までは獲得してないんだって超笑顔で言われたんだけど…しかもステータスは超普通ってどういう事!?


 「主…主は立ってるだけでいい…」


 日鳥…なにその案山子みたいな扱い……僕だってちょっとぐらいこぅ魔法をバーンみたいな事やってみたいじゃないか!!


 …魔法をバーンとか言ってる時点でおかしいって気づけよ僕。


 うぅ…涙が止まらない。


 え?フィールドワークの許可?……もちろんそんなの出るわけがない。

 だって戦闘スキル〝ゼロ〟だよ?街の外壁側の薬草とりならまだしも(魔物は全部街の見回り兵士が退治してくれてるので)ちょっとでも外壁から離れて近くの草原にでも行こうもんなら〝絶対〟生きて帰れないって保障されてしまったし…(ちなみにその辺りの魔物レベルはF以下)、「おとなしく学園で作業してなさい」と言われてしまった。


 …人形の存在を隠してる以上反論の余地無し。人形の事はあまりに危険すぎるので他人に話したことはない。


 「このままじゃ…このままじゃ…僕の存在が」


 Sランク素材を集めるなんて贅沢は言わない……ただ普通に一人旅が出来るぐらいのスキルを持ちたい。


 「…………今の僕に出来る事」


 それってなんだろう?

 昔村に居た頃、時間だけは売るほどあったから自分に何が出来るかとか意味なく考えてた気がするけど…最近はお店の経営悪化とかでこうやって改めて考えた事なんてここしばらくなかった気がする。


 戦闘スキルがない…これはもう事実なんだからしょうがない。ならそれを補う何かを考えればいい。…僕はこれでも技術者なんだから


 「……魔道具」


 つまり攻撃魔道具と防御魔道具を作ればいいんだよね。あ~なんかちょっと楽しくなってきたかも…こういう時って自分は技術者だなぁ~って思うんだよね


 「よし…目指せ僕のアウトドアグッズ!!」


 売り物にはならないけど、玉兎達がとってきた素材で使えるものがあるかもしれない。そうと決まればすぐ動こう!


 「いつまでもぐずぐず言ってても、学費の支払い期日は待ってくれないぞ!お~!」


 そういえば恐ろしい後期学費の支払いが2ヶ月後に迫ってる。

 「パチン」と両頬を叩いて気合を入れる


 「よし…やるぞ!」


 ……勢いよく扉を開けたらそこの雰囲気と自分のテンションの高さのギャップにびっくりした


 「まぁすぅたぁぁぁぁ」


 正座でえぐえぐ言ってる人形達が出迎えてくれた。


 「え?」


 「「「ますたぁぁぁあぁ!!!」」」


 ……うん。人形達の僕への好意はちょっと引くレベルだ。

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