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第6話 家族共有

《ユニークスキル》


家族共有ファミリーリンク解放》


父「家族共有……?」


意味が分からない。


だが次の瞬間。


視界に新たな文字が浮かぶ。



《家族共有》


家族の能力を共有できます。


共有対象


・妻


・娘



父「は?」


思わず声が漏れた。


レイ「どうしたの!?」


父「いや……」


説明文が続く。



《現在共有可能能力》



・応援 Lv1



・料理 Lv3



父「なんだこれぇぇぇぇ!?」


レイ「今度は何よ!?」


父「料理が共有できるらしい!」


レイ「意味分かんないわよ!」


俺も分からない。


本当に分からない。


だが今はそんなことを考えている暇はなかった。


ブラックファングが迫る。


その後ろには大量の鉄皮狼。


終わっている。


戦力差が。


完全に。


だが。


《応援を共有しますか?》


父「応援?」


タップする。


すると。


《娘の想いを受信します》


父「受信?」


次の瞬間。


声が聞こえた。



『パパがんばれー!』



父「!!」


娘の声。


病院にいるはずなのに。


頭の中に響いた。



『パパつよいもん!』


『まけないもん!』



胸が熱くなる。


涙が出そうになる。


《応援発動》


《全能力50%上昇》


父「えぇぇぇ!?」


レイ「だから何なのよ!?」


父「娘が応援してる!」


レイ「意味分かんない!!」


俺もだ。


でも。


体が軽い。


力が湧く。


娘が俺を信じている。


それだけで。


こんなにも強くなれるのか。


_________


ブラックファングが飛びかかる。


父「今度は見える!」


地面を蹴る。


速い。


明らかに。


さっきよりも。


ブラックファングの横を通り抜ける。


父「おおおおお!!」


拳を叩き込む。


ドゴォォォォン!!


ブラックファングが吹き飛ぶ。


壁へ激突する。


レイ「嘘でしょ……」


父「娘パワーだ!」


レイ「その名称やめなさい!」


_________


しかし。


状況は変わらない。


鉄皮狼が三十体。


囲まれている。


父「やばいな……」


レイ「かなりね……」


その時だった。


《絆発動条件達成》


父「またか」


《神崎レイとの信頼度上昇》


《共同スキル解放》


レイ「嫌な予感しかしないわ」


父「俺も」


《共同スキル》


《背中は任せた》


父「なんだそれ」


レイ「ふざけてる?」


《発動時》


《互いの能力を20%共有》


二人「は?」


次の瞬間。


体が光る。


レイ「ちょっと待ちなさい」


父「なんだこれ」


レイ「力が……」


父「増えてる?」


レイも驚いていた。


剣を握る手。


魔力。


身体能力。


全てが上がっている。


レイ「あなた本当に何者なの……」


父「娘のパパ」


レイ「それしか言わないわね」


父「事実だからな」


レイは呆れたように笑った。


そして。


剣を構える。


レイ「なら」


父「あぁ」


レイ「娘のために戦いなさい」


父「もちろん」


レイ「私も付き合ってあげる」


父「後で奢る」


レイ「高いわよ?」


父「今二百八十万持ってる」


レイ「なら寿司」


父「高ぇな!?」


レイ「死んだら食べられないもの」


父「確かに」


二人は笑う。


そして。


目の前を見る。


ブラックファング。


鉄皮狼の群れ。


逃げ場はない。


残り時間。


69時間02分。


娘が待っている。


だから。


父「行くぞ!!」


レイ「えぇ!!」


二人は同時に駆け出した。


その瞬間。


ブラックファングの後ろ。


さらに奥の闇から。


巨大な”何か”が目を開いた。


その目は。


ブラックファングよりも大きかった。


父「……おい」


レイ「嘘でしょ」


ダンジョン全体が震える。


《警告》


《ネームドモンスターを確認》


《災厄級個体》


《黒王フェンリル》

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