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不可能な選択
第十三章
不可能な選択
三秒。
アウレリオンの手が止まっていた。
二秒。
スクリーンの未来シミュレーションが無限に繰り返される。
戦争。
飢餓。
滅亡。
一秒。
そしてその中央に立つ、たった一人の人間。
確率では説明できない存在。
カイ・レン。
その瞬間、アウレリオンは初めて可能性を認めた。
自分が間違っていた可能性ではない。
方程式そのものが、不完全だった可能性を。
ゼロ。
要塞全体の音が止まった。
警告灯が消える。
数十億の生命反応が、
スクリーンの上で再び安定して輝き始めた。
アウレリオンはゆっくり息を吐いた。
まるで初めて、
計算ではなく現実を見た人間のように。
滅亡プロトコルは停止した。




