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銀河の果ての要塞

第八章


銀河の果ての要塞


カイは一人で到着した。


要塞は死にゆく恒星の周囲を回っていた。


赤い星光が金属の壁をゆっくりと染めている。


その内部には、

銀河の半分を消し去る機械があった。


そして、それが必要だと信じる男。


アウレリオン。


「一人で来たのか」


「軍隊では、人の考えは変えられません」



第九章


戦争を止めた議論


アウレリオンはシミュレーションを見せた。


すべての未来は滅亡で終わっていた。


カイはそれを静かに見つめた。


そして言った。


「あなたのモデルは、過去しかシミュレートしていない」


アウレリオンが眉をひそめる。


「行動をシミュレートしている」


カイは首を横に振った。


「違う」


「あなたがシミュレートしているのは、

すでに諦めた人間たちです」



第十章


すべての未来の終わり


アウレリオンは何も言わず手を動かした。


要塞中央の巨大空間が暗転する。


そして数千もの未来シミュレーションが宙に広がった。


最初は小さな紛争だった。


食糧不足。


資源衝突。


国境封鎖。


だが時間が経つにつれ、

未来は同じ方向へ収束していく。


戦争。


崩壊。


滅亡。


カイは、いくつもの地球型惑星が燃え落ちる光景を見た。


ある未来では、機械が人類を排除した。


ある未来では、人類が互いを先に殺し合った。


ある未来では、太陽系全体が飢餓の中で沈黙していた。


シミュレーションは終わりなく繰り返された。


数十万の未来。


だが一つとして、

長く生き延びた未来はなかった。


アウレリオンが静かに言った。


「私は四十年間、この未来を見続けてきた」


また一つ、惑星が崩壊する。


「最初は解決策を探していた」


また一つ、文明が消える。


「だが結局、理解した」


アウレリオンの声は落ち着いていた。


あまりにも落ち着きすぎていて、

むしろ疲れ切っているように見えた。


「人類は、自らを滅ぼす」


カイは何も言えなかった。


ほんの一瞬、

彼自身もその未来が現実に思えてしまったからだ。


アウレリオンは最後のシミュレーションを表示した。


文明の半分が消去された未来。


静かな銀河。


安定した資源グラフ。


戦争発生率ゼロ。


滅亡確率ゼロ。


完璧な均衡。


「これだけが、生き残る未来だ」


カイはその未来を長く見つめた。


苦痛はなかった。


戦争もなかった。


だが奇妙なほど静かだった。


まるで生きた文明ではなく、


ゆっくり呼吸する墓のようだった。


その瞬間、カイは初めて恐怖を覚えた。


アウレリオンが間違っているのではなく、


もしかすると、本当に正しいのかもしれないということに。

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