それでどうなったかというと
行き場を失った近藤は、学校に舞い戻ることにしました。
しかし、なぜか、教員ではなく、用務員で働き始めたのです。
どうしてでしょう? 自分のような人間が教育を行うなんてといった心持ちになったからでしょうか? あるいは、こんなに早く教師に復職することを恥じる気持ちがあったためでしょうか?
もちろん、この男にそんなまともな理由などあり得ません。
「やあやあ、おはよう、諸君」
彼は、朝、登校してくる生徒たちに、異様にさわやかにあいさつをしました。
「……おはようございます……」
実は、近藤が働いているのは、教師を辞める直前に勤務していた学校です。用務員がどこの学校で仕事をするかを自分で決められるのかと疑問に思われるかもしれませんが、正規の職員ではなく、ボランティアで学校周辺を掃除したりと雑務を行っているのです。
そして、なぜ元いた学校でそのようなことを始めたのかといいますと——。
「きみたち、私に何か言いたいことはないかい?」
「え? 別に……」
すると、近藤は真顔になりました。怒ってはいませんけれども、恐ろしいほどの真顔で、生徒はこう口にするしかないと悟りました。
「ど、どうして用務員をされているんですか? 教師として、私たちのもとに戻ってきてくださいよ」
「ええっ! そうかい? そんなに言うんなら仕方ないなあ! じゃあ、いっちょ、やるか! そんなに求められているのなら、教師をもう一度やるしかないかあ!」
「……」
そうです。自分が生徒たちに求められているというのをやりたかった、それだけのことなのでした。
こうして、近藤はまた教師として働きだしました。現在、教師を志望する人は非常に少ないために、こんな人間でも簡単に戻れてしまうのです。
どうか、あなたが勉強ができて、良心があるのであれば、ぜひ教員になって、このような男が学校にのさばらないようにしていただきたいと、私は切に思います。
続きを読みたい方は、「おかしなおかしな教師近藤が何やらとても悩んでいるご様子です」をご覧ください。




