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最強の男の娘の異世界戦記~異世界にて近代軍隊創りませう~  作者: 永遠の42歳時雨上等兵
第2章 |軍団《アルメーコーア》と商会を設立しよう
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盗賊の移送と黒色火薬

 翌日


 「あー。クソッ」


 あれから結局運動会。まあ年齢的にある程度はつって寝かしてくれたが…。だったら最初からやんなよなぁ。


 「おはようじゃ。リタ。今朝あやつの気配がしたのじゃが」


 「ああ、復活したよ。あいつ段々復活までのスパン短くなってねーか?」


 適当に作った寝床から這い出、飯の為に簡易輜重車(かんいしちょうしゃ)に向かう途中、小雪が話しかけてきた。

 適当に駄弁りつつ。

 輜重車で配給係をしているゴブリンに干し肉をもらう。

 ついでに盗賊どもにも渡すように指示し、木の根元に移動。干し肉をかじる。

 しばらくかじっていると昨日損害報告(ダメージレポート)をしていたゴブリンが近づいてきた。


 「Sir 軍団長。昨日言われた損害報告を報告しにきました」


 敬礼をし、こちらが返礼してから喋りだした。規律のいいことはいいことだな。


 「ご苦労。報告しろ」


 「Sir 軽傷者が7名、重傷者、死者はいませんでした。種族は人族16名、獣人族11名、ゴブリン3名、オーク2名、鬼人族2名、サキュバス1名、エルフ1名の計36名でした。以上報告終わります」


 「ふむ、了解した。下がってよし」


 「Sir 失礼します」


 再び干し肉をかじるだす。


 「そういえばそろそろじゃないか。手紙の返事がくるの」


 「そうじゃったのう。どうなってることやら」


 「まあ町につけばわかるかな。その前に町に帰らなあかん訳だが」


 「そうじゃな。では今日は?」


 「ああ、盗賊の移送。今日中に済ますぞ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 盗賊から剥ぎ取った武具や食料を輜重車に乗せ、隊伍を組む。俺と小雪、ライナーを先頭に第三射撃班に引かせた輜重車を2番目に盗賊どもを挟んで第二射撃班を殿、第一射撃班を2つに分け、盗賊どもの左右に配置する。


 「んじゃいくぞー。あ、盗賊の皆さん。別に逃げようとしてもいいですが逃げようとした瞬間大変な事になりますのでそのつもりで。まあどうなるかはご想像におまかせいたしますが」


 軽く脅しながら出発する。まあ俺の体格からして脅しになったか微妙だがな。言ってて悲しくなるが。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 そんなこんなで3回ほど休憩を挟み、街に帰ってきた。特に問題もなく依頼を完遂できた訳だ。重畳(ちょうじょう)重畳(ちょうじょう)

 しかし、やはりこの隊伍は邪魔なのか道を歩いているといい顔はされなかった。


 「…いや、それだけじゃないか」


 「?」


 「いや、何でもない」


 「そうかの」


 しばらく歩き続け、冒険者ギルドにたどり着く。

 盗賊達を壁際に寄せ、ゴブリン達と小雪に見張らせ、俺はライナーを連れギルドの中に入った。

 扉を潜るとベルントが出迎えた。街に入った時点で連絡でも回っていたんだろう。

 見ると見たことない男たちも一緒だった。


 「まさか本当に依頼を完了出来るとはなぁ」


 「失敬な。ちゃんと完遂したよ」


 「被害は?」


 「フフッ。双方ともに死者0。全員捕縛した」


 「なッ!」


 「なんなら確かめてみるか?」


 俺の言葉に色めき立つ男達、おおかた完遂出来ないか出来てもかなりの損害が出たと思ったんだろ。


 「ライナー。本当か?」


 「ええ、私も驚きました。まさか死者を出さずに全員捕まえるとは」


 「本当のようだな…」


 「だろ?で、依頼は?」


 「ああ、完了だ。紙を貸せ、今完了手続きをするからよ」


 そう言い依頼の紙を持って奥に消えていくベルント。

 するとベルントが居なくなったタイミングで他の男達が近づいてきた。

 奴隷商人に武器商人、道具屋や他のパーティーが次から次へと質問してきやがる。正直うぜぇ…。利益を確保しつつ適当にあしらうのがどれだけめんどくさいか。

 しばらく皆々様と戯れているとベルントが戻ってきた。


 「ほれ。これで依頼完了だ。報酬の小銀貨1枚」


 「どーも。盗賊どもはこっちで処理していいんだよな」


 「別に構わんが」


 「でしたら…」


 「ああ、別に売る気はないので。また別にようがあったらこちらから出向きます。では皆様ごきげんよう」


 しゃしゃり出てきた奴隷商人を黙らせギルドから出る。


 「どうじゃった?」


 「ん、依頼完了。とりあえずこいつらを島に送ってそのあと孤児院に行く。隊伍を組め、鬱陶しい奴らが来る前に出発するぞ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 港に移動し、まわりの漁師にことわってから狼煙を炊く。

 しばらく待っていると島の方から3隻の帆船がやって来た。


 「3号艇完成してたんだな」


 「そうみたいじゃな」


 さらにしばらく待っていると桟橋に3隻の帆船が横付けする。


 「お疲れさまです」


 「ご苦労さん。ちょっと人が多いからピストン輸送してくれ」


 「了解しました」


 1号艇に盗賊5人と第一射撃班を、2号艇に輜重車を、3号艇に盗賊5人と第二射撃班を乗せ、送り出す。

 俺と小雪、第三射撃班と残りの盗賊で留守番する。

 適当に駄弁りながら待っていると再び3隻の帆船がやって来る。

 今度は1号艇にナターシャが乗っていた。


 「留守番ご苦労。何か変わったことは?」


 「来客が数件と手紙が数通あっただけだ。来客には街の宿屋で待機してもらっている」


 「了解した。ではこいつらの移送を手伝ってくれ。それと頼んでいた檻の方は?」


 「檻は完成済みだ、丁度よさそうな洞窟があったから木で格子作ってはめただけだがな」


 「了解。じゃあ移送作業を進めよう」


 1号艇に盗賊10人と小雪を、2号艇に盗賊10人と俺を、3号艇に盗賊6人と第三射撃班、ナターシャを乗せ、出発する。

 波に揺られ続け、置いてあった釣竿を使い魚釣りに興じることしばし、3隻の帆船は島にたどり着いた。

 砂浜に乗り上げ、全員を下ろす。見ると先に来ていた盗賊や第一、第二射撃班は砂浜で待機していた。


 「よし、隊伍を組め、本陣に移動する」


 先程と同じ隊伍を組み、ナターシャを先頭にして村に向かう。

 少し迂回し、直接軍団のグラウンドに行き、盗賊どもを4列横隊で並ばせる。

 後ろと左右に各射撃班を配備し、全員が配置についてから話を始める。


 「さて、盗賊諸君、君たちを殺さずに苦労して連れてきたのには訳があってな。現在、我々には労働力が不足している。そこで、犯罪者諸君に労働力として働いてもらおうと思っている訳だ。なに、簡単な刑務作業に従事してもらうだけだ。まだ何をやるかは決めてないので今日は休みだがな」


 言葉を切り、盗賊どもを見渡している。睨み付けてくる者が大多数で一部に怯える者や何故か笑っている者もいる。


 「まあ安心していい。死にはしないからな。おい、連れていけ」


 第一射撃班の班長に指示をだし、檻に移送する。小雪もその後ろからついていく。

 それを眺めつつ、俺は軍団本部に向かう。

 中に入り、机の上に置かれた紙束を手に取る。それらは、俺が出ている間に纏められた報告書等だった。


 「ほー。はー。へー。お、黒色火薬先行量産中か…。まあこれは売り物じゃねーがな」


 「戻ったのじゃ」


 「おう、お疲れ、盗賊どもは?」


 「不気味なくらい大人しいのじゃ。あれは確実に何かやらかすじゃろうな」


 「ちゃんと見張っとけよ」


 「無論じゃ」


 会話を終わらせ、再び紙束に目をやる。

 黒色火薬先行量産開始、硫黄採掘開始、小型帆船3号艇艤装完了。…とりあえず孤児院に戻る前に火薬は見ておきたいな。


 「小雪、技研に行くぞ」


 「技研ではなく研開じゃないのかのう」


 「技研のが語呂がいいだろ。んじゃ行くか」


 「了解じゃ」


 軍団本部を後にし、村を経由して少し離れた建物に向かう。

 建物は木材で出来ており、回りには土の壁が点在している。色々危険だからな。


 「おーい。誰かいるか?」


 「はーい。あ、リタさん。なんでしょうか?」


 出てきたのは1人のゴブリンだ。元々研究気質だったらしく、あの演説の時も興味と関心の視線を向けてきたのを覚えている。


 「黒色火薬が先行量産に入ったと聞いてな。見に来たんだ」


 「ああ、あれなら。ちょっと待っててください」


 ゴブリンは中に引っ込むと紙を敷いた木箱を持ってきた。蓋はされておらず、中に火薬が入っている。


 「これですね」


 「なるほど。あー。ふむ…。量産は出来そうか?」


 「原料さえ準備すれば誰でも作れます。混ぜるだけですし」


 「まあな。んじゃ装薬用は兵隊どもにやらせてその他の用途に使う奴は工場生産にするか」


 「確かに、それがいいかも知れぬの」


 「んじゃそう言うことで。ご苦労、引き続き他の研究を続けてくれ」


 「わかりました。では私はこれで」


 そう言うと、ゴブリンは木箱を抱えて建物の中に入っていった。


 「今からはどうするんじゃ?」


 「とりあえず軍団の連中は今日は休暇にして、一旦孤児院に戻る。小雪、ナターシャを呼んできてくれ。来客がいるとか言ってたからな」

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