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未来で捨てられた猫は、過去で活躍する  作者: 夢乃めちあ


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1話 すてられちゃったみぃ……

みゃあは、すてられちゃったみぃ……。

でもみゃあは、しらないうちに、

『みらい』から『かこ』にいってた、みゃ!


みゃあが、だいすきなみんな、まもるみゃあ!


「『つてください』ってかいてる!」

「違うよ、『拾ってください』って書いてるの。ねこちゃん、捨てられちゃったんだね。ママぁーうちで飼ってあげようよ」


 ちいさいにんげん、みてる、みゃ!


「みゃぅ……?」


「わー! かわいい!」

「かわいい! しっぽしっぼ!」


 おててが、みゃあのしっぽ、つかんだみゃ!


「み"ぃっ‼︎」


 いたいみゃあ! はなしてみゃあ!

 みゃあは、つめ、でぎゃってしてた、みゃう。


「ぎゃああっ! いたいっ」


 みゃあが、ばたばたして、ひっかくを、しても、はなしてくれない、みゃああっ!


「み"ぃっ! み"ぃぃっ」


「こらっ何猫なんか触ってんの! 離しなさい!」


 おっきいにんげん、きて、みゃあをたたいたみゃ。こわいにんげん、みゃうぅ……。


「だって、かわいかったから」

「しっぽつかむなんてサイテー! ごめんね、ねこちゃん」


 ちがうちっちゃいにんげんのおてて、きた、みゃっ!


「みゃあっ!」


「いった……わたし、なでようとしただけなのに!」


 こんどは、あたま、ごん、されたみゃ。


 いたい、みゃ……こわい、みゃ。


 にんげん、きらい、みゃ!


 みゃあは、はしったみゃ。うしろでこえがする、むし、みゃっ!


「全く! 何やってんの! 早く病院に行こうね。ああ大変、バイ菌が入らないように急がないと――」


 じんじん、いたい、みゃ……。みゃ……。


 み? なにかにぶつかったみゃ。


 に、にんげんみゃあっ!

 にんげんは、いつのまにか、みゃあをだっこしてたみゃ。はやいみゃあ!


「ねこっち! 大丈夫っスか? ああっ震えてるっス!」


 やさしいこえ――みゃ?


 そのにんげんは、みゃあを、だっこしたまま、はしっていった、みゃ。


「何してるんスか! 子どもちゃんたち! ねこっちは痛い思いをしたっスよ? ごめんなさいするっス!」


「何よあんた。早くうちの子の手当をしないといけないんだから邪魔しないでよ」


 きゅうにきた、にんげん、ちいさいにんげんとおおきいにんげんを、とおせんぼ、してる、みゃ。


「動物にも謝らないといけないっス。いきなり人間を殴って謝らないのと同じっスよ!」


「わああん」


 ちいさいにんげん、おててでかお、かくれんぼした、みゃ?


「なんなのよあんた! って――七彩七海(ななせななみ)⁈ あら、うちのお姉ちゃんがファンなのよ、サイン下さる?」


 にんげん、みゃあのこと、おこってる、みぃ?

 どうして、みゃあのこと、【かばう】をする、みゃ?


「礼儀礼節がなってない人は子どもちゃんも大人も関係ないっス。ウチはねこっちが怪我してないかこれから確認しなきゃいけないっスから急いでるっス! ウチのことを知ってるなら、すぐここから立ち去らないと……どうなるかわかるっスね?」


「ご、ごめんなさ〜〜〜いっ!」

「ま、ママぁ⁈ 待ってーっ!」


 にんげん、さんにん、はしるおと、きこえるみゃ。


 みゃっ⁈ だっこされてたみぃ!


「ねこっち! 怪我はないっスか? ごめんっス。だっこしたまま、怪我の確認をさせてほしいっスよ。いいっスか?」


 ――いや、みゃ! こわいみゃあ!


 みゃあは、がぶがぶした、みゃう!

 つよく、がぶがぶして、ぬるぬるがつたわってきた、みゃあ。


 これは、ち、みゃ。にがい……みぃ。


 ……みゃ? しかえし、ない、みゃ?

 にんげん、かなしそうに、してたみゃ。


 どうして、なのみゃあ?


「ごめんっスよ。急に触って怖かったっスね……。しっぽも、他のところも大丈夫そうで安心っした!」


 みゃあは、ぎゅっしてたおめめ、あけたみゃ。

 

 よくみると、みゃあとおなじ、ぴんくいろのにんげん、みゃ!


 みゃあを、ぽかぽかのおててで、からだをつつむように、なでなでしてくれた、みゃ。


 がぶがぶしてごめんなさい、みぃ……。


「みぃ……みぃぃ……」


 みゃあは、かぶがぶであかくなったとこ、せきにんもって、ぺろぺろするみゃ!


 こうすると、けが、なおるみゃ。


「にゃふっにゃふふっ! くすぐったいっス! ウチはこれくらいのちっちゃい怪我は平気っスよ。絆創膏持ってたっスから貼っちゃうっスね」


 ぴんくのにんげん、ふしぎなぷにぷにをだして、あかのところにつけた、みゃ。あかのとこ、すぐ、なくなったみゃ!


「さっすがキョウ兄の調合した絆創膏っス! ほらほら、もう怪我が治ったっスから安心してっスよー! それより、何か食べさせてあげたいっス……」


 なおってよかったみゃ……!


「でも今は食べ物持ってないんスよ。そうだ! ウチのリボンをあげるっス。首元をあっためるっスよ」


 りぼんって、なに、みゃ?


「また触るっスよ、怖くないっスからね〜」


ぴんくのにんげんは、おててだした、みゃ。

みゃあもおててをのせるみゃ!


「あにゃにゃっ! かわいいおててっスね〜〜! おりこうさんっス。怖くなくなったっスか? じゃあリボンつけるっスよ〜〜」



 みゃあの、くびに、【りぼん】を、つけてくれたみゃあ!


 これ、あったかい、みゃ!


「リボン似合ってるっスね! ウチは過去から来たっスから、ねこっちを連れて帰れないんスよ……。ごめんっス……写真を撮って拡散しとくっスから良い飼い主に会えると良いっスね、ねこっち」


 みゃあに、しかくいの、むけたみゃ。

 すまほ、しってるみゃ! 

 みゃあは、とくい、みゃう!

 かしてほしいみゃ、ことば、うつ、みゃ!


 みゃあは、りょうてをのばした、みゃ。


「みゃみゃみゃっ! みゃっ!」


 でも、つたわらなかった、みゃうぅ……。


「ねこっち、いいこいいこっス!」


 また、あたま、なでてくれたみゃあ〜〜!


 にんげん、あったかい、みゃ!

 にんげん、ぽかぽかするみゃあ。


「うっ、うにゃううう……」


 みぃ? ぽとぽと、あめが、ふってきたみゃ?


 ぴんくのにんげんを、みたみゃ。ぴんくのにんげんのおめめから、あめ、ふってるみゃ。


それに、みゃあとおんなじ、おみみが、あたまから、でてきた、みゃ?


 みゃあは、しってるみゃ。なみだ、いう、みゃ。かなしいのとき、にんげん、あめ、ふるみゃ……。


「ねこっち、元気でいるっスよ!」


 ぴんくのにんげん、みゃあがいた、【だんぼーる】にいれて、はなれていくみゃ。


 ――いやみゃ!


「みゃあっ! みゃあーっ!」


 にんげん、まって、みゃ!


 にんげんは、みゃあのところにもっかい、きて、だっこで、あったかいを、してくれたみゃっ。


「ううう、可愛い鳴き声っスぅ〜〜〜ウチらは危険な仕事もしてるっスから、ねこっちも危ない目に遭わせてしまうかもしれないんス。本当にごめんっスよ……」


にんげん、いっぱい、あめをふらせて、みゃあをみたみゃ。


 ぽとぽと、みゃあのからだにふって、ぬれたみゃ。


 そっと、みゃあをまえにいたところ、もどしたみゃ。


「うにゃぁ〜〜ごめんっスよぅ、ねこっち、ウチの力では何にもできないっス……うにゃあぅぁにゃぅぅぅ〜〜〜」



 にんげん、あるきながら、めから、あめをふらせて、いっちゃうみゃ。

 


 にんげんから、かなしい、がいっぱいでてたみゃ。



 かなしいとき、ひとり、だめ、みゃ!



 みゃあが、にんげん、たすける、みゃあ!



 みゃあは、ぴょんっをして、にんげんの、せなか、くっついたみぃ!


 にんげん、あんしんするといいみゃ。

 みゃあが、ついてるみゃ。


 こーゆーときは、しずかにする、しってる、みゃ。


 みゃあは、なかないで、そっとにんげん、まもるみゃ!



***



「あにゃ……あにゃうにゃあああああうむにゃあ〜〜〜!」


 また、かなしい、みゃ?

 にんげんも、みゃあみたいな、なきごえ、する、みゃ?


「ナナちゃん⁈ どうしたの? ありゃっ! 猫耳が出てるよ!」


「アニキ、なんでもないっスぅぅぅ……」


 おはなし、きこえるみゃ。もうひとりのにんげん、みえない、みぃ。


「そう? 能力が安定するまで不安定になるらしいし……ま、気が向いたらお兄ちゃんに話してねん☆ ほら、リュック重たかったんだから持ってよぉ〜〜オレ、力無いんだからさあ〜〜なんで能力テストにこんな関係ない物持ってくるの〜〜?」


「リュック持つっス……」


「え⁈ ナナちゃんがお兄ちゃんのオレに理不尽じゃない! 調子悪い? 早く帰ろっか!」


 にんげん、【りゅっく】、うけとったみゃ。


 にんげんのせなかに、おおきい【りゅっく】、きたみゃ!


 みゃあがおすわり、できそう、みゃあ! くっつく、つかれてきて、たすかった、みゃ……。


「ほら、過去に帰ろっか! オレの研究所までちょっと歩くけどねん☆ 『猫化』と能力テスト結果の保存もしたいし、寄ってこ♪」


「はいっス……」


 ぴんくのにんげん、もうひとり、ぴんくのにんげんと、あるきはじめたみゃ。


 かなしい、すこしとれた、みゃ?

 よかった、みゃ……。


 あんしん、したら、みゃあは、ねむくなったみゃあ……。


 みゃむぅん……。



***



 いっぱい、うごいたきがした、みゃ!


 みゃあは、おそらを、みるみゃあ!


 おそら、みえない、みゃ!

 どこ、みゃ⁈ 出るみゃっ!


「うにゃむにぃにゃあぅぅぅあぁぁ〜〜〜〜!」


 な、な、なにみゃ⁈ びっくりしたみぃ……。


 みゃう⁈ みゃみゃっ!

 あんよ、すべって、おちたみゃっ!


 くらくて、わからみゃい……でられないみゃああ!


 でも、あまいにおい、するみゃ。

 おなかすいたみゃ……。


 ――たべて、いいみゃあ?


 いっぱい、たべもの、したにおちてるみゃ!


 いただきますみゃ!

 もぐもぐみゃう……!

 おいしいみゃあ〜〜〜!


「ナナ! 王子くん! おかえりー。能力テストどうだった? ってナナ⁈ すごい泣いてるね? 猫耳としっぽも出てる! ネコナナかわいい〜〜♡」


「ベルっちぃ……。なでなで助かるっスぅ……」


「オレが理由を聞いても話してくれないの。いつもの甘えんぼかなぁ?」


「うぅ、ウチは甘えんぼっスぅ……ユヅパイセーンんんん……」


 にんげんのこえ、あしおと、いっぱいきこえたみゃ。


 おなかいっぱい、みゃあ……。


 みゃあは、おねむ、なのみゃうぅ。



***



「ふぃー。久しぶりの未来と能力テストは疲れたっス。過去のこの時代はやっぱ良いっスねぇ」


 ウチは、部屋でスマホの投稿をチェックすると、たくさん拡散されたっス。ウチのフォロワー数はとんでもねーっスから安心っした!


 これだけ拡散されてたら、誰かが拾ってくれるっスね!


 さてさて、リュックのものを片付けて、服をお洗濯するっス。


 にゃむーっと背伸びをしてからリュックを開けると――


「あにゃにゃあ⁈」


あの時のねこっちが丸まって寝てたっス‼︎


 でも、この寝顔――はにゃう〜〜〜ウチの百万倍かわいいっス〜〜!


 はっ! このねこっちを戻さないとっス……。でも未来でまた危ない目に遭ったら不安っスよぅ。


 それに痩せ細ってるっス。あっウチのお菓子食べたっスか⁈ リュックの中がすんげーことになってるっス!


 やべーっス! お医者さんのキョウ兄を呼……んだら未来の動物病院に連れていかれちゃうっス!


 す、スマホで調べるっス!


【ピンク色の未来猫はなんでも食べます。お菓子は好物ですが、糖質を多く含むものを避けて――】


 そーっした! このねこっちは未来の猫っした! なんでも食べるように進化してるんスねぇ。リュックが散らかってるっスから早く綺麗にしたいっス。


 ってそれどころじゃないっス〜〜〜!


 シェルターは広いっス。お庭の安全なところでねこっちの体が安定するまで、ちょっとだけこっそり匿うっスよ!


「みぃ……?」


「ねこっち! 起きたっスか? ついてきちゃったっスかぁ……」


「みゃむん?」


 鳴き声が聞こえたら気づかれるっス!


「鳴いちゃダメっス! しーっスよ。これから庭に行くっス。おりこうさんしてっス!」


 ねこっちは、ぴっと手を挙げたっス。


「はにゃ! おてて挙げれるっスか⁈ えらいっスね〜〜!」


 ウチは可愛すぎていっぱいなでなでしてしまったっスけど、ねこっちは気持ち良さそうにして、おなかを向けてごろんってなったりしてたっス。なつっこいっスねぇ!


 ねこっちのごはんはシェルターには無いっス。えっと、スマホで調べると……色々食べれるんスね。およ、トマト食べれるっス! 畑に実ってるっスから、あげるっス。


 じゃあ早速、庭の目立たない場所に連れて行くっス! 隠密行動もできるギャルで幸いっした!


「ねこっち、移動するっスよ。抱っこしても良いっスか?」


 ねこっちは、約束を守ったまま鳴かないで首を『うん』と言ってるみたいに動かしたっス。理解できる頭の良いねこっちっスね!


 ベルっちとキョウ兄のログハウスの裏なら、きっとバレないっス!


 ウチはウェットティッシュをポケットに入れてたっス。素足で窓からしゅたっと華麗に庭に出るっスから、後で足を拭くっスよ。


 静かに廊下を走るっス! 幸い誰もいないっスね。


 ねこっちは静かにウチの腕の中で丸くなってるっス〜〜! たまになでなでしちゃうっスよ。


 目立たない窓に移動すると、誰もいないことを確認してサッと鍵を開けて庭に出たっス。


 あにゃ、草の感覚がぺとぺとして嫌っス〜〜!

 でもねこっちを守らないとっスから我慢っス。


 ……ちょ、ちょっとの間っスよ? 安全が確認されたら未来へ戻すっス!


 姿勢を低くして、窓から見えないように走るっス。


「ねこっち! 飛ばすっスよ。大丈夫っスか?」


 覗き込むと、ねこっちはしっぽで丸を作ったっス。子猫のちっちゃなしっぽで長さが足りてないっスけど伝わったっスよ! それ、かわいいっスねぇ〜〜〜!


 着いたっス! ねこっちを降ろすと、ウチにまたぴょんっと飛び乗ってきたっス。ウチは優しくなでなでしながら話しかけるっス。


「ねこっち、また来るっス。あんまり動いちゃダメっスよ? 人間を見たらここに逃げるっス。良いっスね? 小さい声でなら鳴いていいっスよ」


「みゃっ」


 ねこっちはまた手を挙げたっス。器用っスね⁈


「夜は寒いっスから後で毛布を持ってくるっスね!」



 ねこっち、と呼ぼうとして、ウチは思いついてしまったっス!



「ねこっち、名前なんスけど――ウチは『ナナ』ってあだ名っス。だから、ねこっちは、『ハチ』はどうスか?」


「みゃみゃ!」


「ハチっちに決定で良いっスか?」


 名前を呼ぶと、降ろしたっスのに、ウチの足元にスリスリしてきたっス。はにゃあ……かわいいっス〜〜〜!


「うにゃにゃ! かわいいっスねえ!」

「みゃあ!」


「七海ー! どこ行ったんだー?」と言う声がして、ウチは焦ったっス。ユヅパイセンっス!


「ハチっち。いいこいいこっス。あっちの畑の赤いトマトとかきゅうり、食べて良いっスからね! ……また来るっス!」


「みゃっ!」


 また手を挙げてくれたっス!

 賢すぎるっスね?



***



 にんげんのなまえ、【なな】いうみゃ。

 おぼえたみゃあ!


 みゃあのなまえは、【はち】いうみゃ。


 なまえ、はじめて、みゃ。

 やさしいだっこ、はじめてみゃ。

 いっぱいのなでなで、はじめてみゃ。

 【りぼん】は、ずっと、あったかいみゃ。

 

 みゃあはうれしくて、はしりだしそうになった、みぃ!


 みゃう? ……しらないにんげん、いるみゃ!

 いつのまに、みゃっ⁈


「おや? 野良猫殿でござるか?」


 みつかった、みゃ! たいへんみゃあ!


 なな、たすけて、みゃあーっ!

ハチ全身がピンクで、賢い子猫です。ナナの手のひらからしっぽがちょん、と出るくらいの大きさなので、背中にくっついていても、ぬいぐるみにしか見えないのでした。

ナナは取り乱していたので、ちょっとあったかいくらいにしか思ってなかったそうです。

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