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蜥蜴の猛将 ―勇槍を振るう―

 魔王城を堅く守るために設けられている岩盤地帯――人の足では踏破困難な地形はあらゆる者を拒絶するかのようだ。

 その荒涼とした風景の中をアルカナヴァンガードと牙狼騎士団を率いて駆けていくカリナ――


「あっ! アレは!」

「ケラブノスの旦那だ!」


 そこには早朝の薄明かりの光の中で、白銀に光る刃を持つ槍を手に魔王軍の魔王城守備隊隊長と剣と槍の一騎打ちに望んでいるケラブノスの姿だった。無論、ケラブノス配下のリザードマン兵団は周囲に展開して、それぞれ独自に魔王城守備隊勢力と戦闘に及んでいた。


――キィイインッ! ガキイィッ!――


 ケラブノスが繰り出す勇壮な槍に、鎧甲冑姿の守備隊隊長がロングソードで応戦していた。必死に槍を(かわ)して切り払うが、焦りの見える守備隊隊長と異なりケラブノスの構えと姿勢はいささかも揺らぐことはない。


「裏切り者のトカゲ風情が!」

「裏切ったのは魔族――現魔王のヴァルガリアスの方だ。永年にわたり忠誠を尽くしたリザードマン種族を使い捨てにした報い! 今こそ思い知れ!」


――忠節を尽くした。しかし、裏切られ捨てられた――


 それがリザードマンたちが持つ積年の恨みであり無念だった。だが、カリナは違う。誰も見捨てない。支配もしない。だからこそリザードマンたちは、カリナのために戦うのだ。

 そう叫んで気合を入れると、深く踏み込んで、槍を敵懐めがけて幾度も突いていく。


――ゴォッ!――

――キィイインッ!――

――ゴッ!――

――ガキッ!――


 魔王軍の守備隊隊長はロングソードで槍を弾き続けたが、その間合いは徐々に追い詰められていく。


「どうした、後がないぞ?」 

「くっ! くそっ!」


 敵の余裕のなさを確信して、ケラブノスは一気に肉薄した。突き繰り出した槍の穂先をあえて敵にロングソードで弾かせると、その勢いで槍の石突(いしづき)の方を下から上へと跳ね上げた。そして、その勢いを活かして敵のロングソードへとぶち当てる。

 

――ガッ!――


 重く鈍い音が響いてロングソードはそのまま弾き飛ばされてしまう。武器を失った敵を相手にケラブノスはその手を一切緩めない。

 今度は振り下ろす槍の穂先を敵の頭部に叩きつけると、返す動きで石突で敵の胸元を激しく殴打する。間合いが少しだけ離れたのを逃さず、振り下ろした穂先を敵の首元に叩きつける。


「ぐうっ!」


 敵の口から漏れるうめき声、それを意に介さず、槍を深く引いて敵の胸めがけて一気に突く。


「さらばだ! 魔王に連なる者!」


――ズゴォオン!――


 最後の踏み込みとともに槍を敵の胸部の一点に向けて繰り出し、鎧甲冑ごと貫通させる。

 

「ぐっ、ぐふっ――」


 その魔族の守備隊隊長の男は口からどす黒い血を溢れさせてそのまま崩れ落ちた。老獪にして勇猛なケラブノスの圧勝である。


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▼ 勇者カリナの、その後の物語

魔王軍との最終決戦を終えた少女勇者カリナ。
次に彼女が辿り着いたのは、AIと戦闘機械が支配する未来世界――。

『勇者カリナ/未来戦線クロスロード』を読む

―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―

未来戦線クロスロードメインタイトル画

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