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狼たちの感謝 ―牙狼騎士団の帰参―

 音もなく忍び寄り命を奪うのが暗殺者の本懐だが、狼獣人たちの能力の前には虚しい虚勢に過ぎない。まさに暗殺者たちはお株を奪われたのである。

 

「ひっ、ひぃいい!」

 

 恐れをなして逃げ出す暗殺者集団だったが、逃げる獲物を追うのは狼が一番得意とするところだ。


「逃がすかぁっ!」


 即座に追いつきその首を背後から抑え込むと、同時に心臓を一突きにして絶命させる。

 ゲオルグに続くように、牙狼騎士団の狼獣人たちは、伏兵の魔族兵士を片っ端から暴き出し息の根を止めた。まさに一網打尽とはこのことである。 


「暗殺者排除成功!」

「気を抜くな! 奇襲攻撃の第2波があるかもしれねえ!」

「了解!」


 そんな彼らの働きをカリナはしっかりと見ていた。


「牙狼騎士団の方々、お見事です!」

「恐悦!」


 ねぎらいの言葉に満足げなゲオルグだったが戦意はなお燃え盛っていた。

 

「ご無事だったようで何より! 応援、感謝いたします!」

「何を言うかよ! 礼を言うのはこっちの方だぜ!」


 次の瞬間、首位に展開していた牙狼騎士団の狼騎士たちは、片膝を突いてひれ伏した。


「戦場での危機的状況の中、太古の英霊を召喚しての援軍、誠に恐れ入ります!」

  

 一斉の感謝の言葉、ゲオルグも感謝の極みにあった。


「英霊の派遣がなければ、最低でも半数は討ち取られていた。俺達が今ここにいるのはカリナの姐御のおかげだ! この戦い、最後まで尽力させてもらうぜ!」

「その意志、誠に大儀です!」


 そして、カリナに声をかけるものが居る。

 

『勇者カリナよ――』


 周囲の岩場の一つの上に佇む魔導戦士ケルヴェロス・スタールだ。

 狼獣人種族の太古の勇者にして、カリナが牙狼騎士団を救うために召喚した英霊である。


「ケルヴェロス殿!」

『お主と牙の眷属の絆、しかと見せてもらった!』

「こちらこそ。尽力頂きありがとうございました!」


 カリナの言葉にケルヴェロスは笑みを浮かべる。

 

『お主なら、人と獣の橋渡しになれるであろう! 武運を祈るぞ!』


 ケルヴェロスは力強い言葉を残して光となり天へと還っていったのだった。

 後にはアルカナヴァンガードと牙狼騎士団が残され、カリナはエルリックたちとともにゲオルグに問うた。


「ゲオルグ! ケラブノス殿は?」

「あぁ、旦那ならすでに先行して周辺に潜む伏兵を探しに行った。俺はこっちの方に直接支援に駆けつけたんだ」

「ではこの先に――」

「居るぜ、急いで後を追おう!」

「無論です!」

 

 言葉をかわすのもそこそこにカリナたちは先を急いだのだった。


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▼ 勇者カリナの、その後の物語

魔王軍との最終決戦を終えた少女勇者カリナ。
次に彼女が辿り着いたのは、AIと戦闘機械が支配する未来世界――。

『勇者カリナ/未来戦線クロスロード』を読む

―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う―

未来戦線クロスロードメインタイトル画

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