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「6、恋人」と「7、戦車」
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「6、恋人」『遥かな想い』
心音により、想いを忘却しながら。
ともに生きている、楽園の子たち。
訪れる、目覚めの時まで。
平穏であり破滅の日々を過ごす。
それは、遥かな想いの実り。
一瞬の開花と終りの結び。
冬に咲く花のように美しくもあり。
熱の結晶から放たれる光の矢の導き。
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「7、戦車」 『天宮の王者』
灼けたような皓き砂の途を背に。
轍の跡には、無数の箒木が生え。
大河の果ての星花たちも謳う。
桎梏は不要と、終の影と渉る。
天宮のもとに座する王者の威厳。
その声は鞭として峠を越え敵を撃ち。
たった一滴の紅玉により苦難を消し。
群青の君主である、
文鰩魚も聖なる書物に記す。
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