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「2、女教皇」と「3、女帝」
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「2、女教皇」 『秘密の庭』
崇高な乙女は白絹に包まれ。
柔らかな光を瞼に注がれる。
柱に隠れ、英知を得て。
宙を想い続ける。
秘密の小さな世界は崩れる。
闇と涙が洪水として流れた。
存在してない、乙女は、
真理を抱いて眠る。
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「3、女帝」 『白銀の衣』
松明が招く、炎帝の約束の地
暦を重ねても途切れない狗吠。
幻国の満月を求め。
自尊に堕ちた虫螻を焦燥させる。
死の天使も微笑む、畏敬の王。
密の月であろうと軍扇を隠さず。
儀式の短剣で、逆賊の心臓を散らし。
白銀の衣を蘇芳色に染める。
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