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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第二章】世界大戦編 ユイサイド
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第二章22話 『8月17日③ 真珠作戦Ⅰ』

 11:00頃、真珠作戦の一環として戦闘が開始した。連合艦隊直轄部隊は後方の中間海域担当の第七艦隊から航空支援が到着したのと同時に水平線の彼方に見える敵哨戒艇やイージス艦をターゲットに砲撃を開始した。航空支援は潜水艦の哨戒と敵機を抑えるためである。艦隊は大和と武蔵を先頭に敵陣を切り開きながら突き進んでいった。敵哨戒艇やイージス艦は直轄部隊の火力には勝てず、ただただ攻撃を受けて沈んでいくだけだった。その敵第一防衛線に潜み、タイミングを待っていたのは原子力潜水艦群であった。原潜は戦艦をターゲットにすると攻撃を開始、多数の魚雷を放った。


「前方、全方位に多数の魚雷確認!避けきれません!」

「全員、衝撃に備えよ!」


 東郷中将が言った直後に魚雷は命中し、轟音とともに激しく揺れた。


「被弾複数確認!浸水はありません。」

「他の艦の状況は?」

「被弾したのは大和と武蔵のみで、武蔵も同様に浸水無しとのこと。」

「よし、軽巡洋艦は航空機とともにサメ狩りを開始。艦隊からの離脱を許可する。我々は先頭を交代し、進撃を続行する。」


 軽巡4隻は潜水艦の哨戒、捜索のため艦隊を離脱し、本隊は戦艦紀伊と和泉を先頭に進撃を続けた。しかし、その数分後に再び艦隊は潜水艦による雷撃を受けた。浸水被害こそは無かったが、このままでは一方的にやられるだけである。この脅威を取り除くために、東郷中将は後方の第七艦隊に連絡し、速力全開で水雷戦隊と共に来てほしいと依頼した。もちろん、第七艦隊の司令官は少将・阿部則任であり、中将である東郷には逆らえないため、命令として第七艦隊は先を急いだ。その間、留まっている訳にもいかないので微速航行し、軽巡4隻も合流させた。

 12:00を迎えた頃、レーダーに敵艦隊を探知した。艦隊には空母が含まれ、敵主力艦隊に他ならなかった。第七艦隊の到着はまだかかり、直轄部隊の戦力のみで空中、海上、海中で対処しなければならない。サメ狩りの航空支援は燃料補給と針路誘導のために空母に戻っている。


「さてと、最悪なタイミングでご対面ときた。我ら日本国防軍海軍最強の力を見せつけようか。」

「ですが司令!明らかに数と戦力に差があるのでは。」

「攻撃ではなく、防御に徹するのだ。あくまで援軍が到着するまでの時間を耐えるだけだ。」

「敵戦闘機発艦確認!」

「対空射撃用意!それから萩野艦長、後どのくらい魚雷に耐えられる?」

「確認します。」


 艦長は急いで確認をとった。


「あと10本程だそうです。」

「10か、まあでも…全艦敵航空戦力に集中せよ!潜水艦はしばらく無視して構わない。被害状況はその都度報告するように。」


 東郷中将の指示により、対空戦が行われた。

 そして十数分後に第七艦隊が到着した。その間に直轄部隊は多く被弾した。命中された魚雷の数は全体で50を超えた。それでもなお艦隊は存続し続けた。


「第七艦隊は直ちに、敵機の撃破と潜水艦の撃破を遂行!我々直轄部隊はこれより敵艦隊に反撃を開始する!砲撃用意!」


 一斉に直轄部隊の艦は空から海上の敵艦へと照準を変えた。そして、撃てという合図で一斉射撃を行った。ちなみに陣形は防空陣形から進行方向に対して横に並ぶ縦横陣形になり、第七艦隊の空母を護る形となった。軽巡以下水雷戦隊はさらに水中の潜水艦を探す。戦闘は激しいものとなった。

 14:00を回る頃、東郷中将のもとに朗報が入った。それは北方海域担当の第六艦隊の到着だ。直ちに航空支援を開始するとのことだった。東郷中将は第六艦隊司令官の阿部正任少将に今後の動きを説明した。


「敵艦隊及び潜水艦を撃破ののち、進撃を続け、第一主力艦隊の分隊していた第一艦隊と合流しつつ敵防衛網を突破する。水上打撃艦隊にて敵の対空砲などを無効化した後、各航空戦力にてハワイ基地を空襲、攪乱させる。その後、上陸作戦に移る。基地の制圧によってこの真珠作戦は完遂とされる。健闘を祈る。」


 戦力が上回った日本国防軍は優勢となり、敵を撃破していった。14:30過ぎに敵艦隊は全滅、第2防衛線は崩れた。潜水艦は見つからず、撃破できなかったが、原子力潜水艦であるものを撃破すると大変なことになるのである意味幸運であった。生存者を捕虜として救出後、進撃を開始した。

 15:00を回り、再び敵艦が現れた。それは全自動攻撃、無人艦である沿海域戦闘艦と呼ばれるものだった。日本では導入されていないものである。全部で10隻が艦隊として近づいてくる。しかし、それらはあまり脅威とはならず、あまり時間がかからずに撃破された。その後、第一艦隊と連絡を取り合って14:00過ぎに合流した。


「全員よく聞いてくれ。現在、ようやく全ての参加艦隊が集まった。これより真珠作戦完了に向けて任務を遂行する。ここからは水上打撃群の艦艇は既に損害が大きいため、航空機動艦隊を中心に作戦を進める。ハワイが射程距離内に入り次第、水上打撃艦隊による陸地に対しての艦砲射撃を行い、敵防衛網を突破する。指示によって空襲を数回に分けて行い、敵内部を大人しくさせる。そして、水雷戦隊による突撃上陸作戦を行い、敵司令部その他を制圧し、基地の安全を確保、確認がとれた時点で作戦成功とする。作戦開始時刻は16:00とする。それまでに休息と準備を念入り行ってほしい。皆の健闘を祈る。」


 大艦隊に東郷中将は司令長官として説明を行った。これを聞いた兵士たちは各々、士気を高めて決戦に向けて準備を行った。

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