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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第二章】世界大戦編 ユイサイド
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第二章17話 『8月16日①』

 開戦翌日。各陣営は日の出とともにそれぞれ作戦に向けて準備を開始した。アメリカ側はオセアニアにある基地からミサイル巡洋艦を出発させ日本の領海域へと向かわせた。それからイギリスとフランスに支援要請をする。中国は上海へ魔法使いの軍を送り、さらに沖縄の基地へ向けて南側にある基地の陸軍と海軍の大半を出発させた。日本は台湾軍の艦隊に合わせて沖縄基地から海軍の艦隊を出し、援護及び支援にあたった。

 8:00頃、上海で戦闘が始まった。東条陸軍大将は敵が魔法軍であると知るとすぐに参謀本部へ連絡した。連絡を受けた有賀総長は黒野魔法大将を呼び、魔法軍の出撃を命じた。黒野魔法大将は魔法使いたちを招集して任を与えた。上海に送った人数は魔法軍1万のうちの約1000人。魔法軍といっても所属しているほとんどはまだ訓練中か学院にいる者たちで今ある戦力はもともと魔法使いとして世界魔法協会の東京支部に所属するものだった。それに対して中国の魔法軍は約2000人であった。その中には結衣を苦しめた秦子轩(シン・ズシュエン)らの姿もあった。

 9:00頃。日本の魔法軍が上海にゲートにて到着し、すぐに戦闘に入った。戦っていた陸軍は多くの損害を受け、上海の基地に撤退した。

 その頃、台湾は中国に対して宣戦布告をし、香港から上陸を開始していた。護衛についていた日本海軍は沖縄基地へ向かっていた中国の艦隊と会い、戦闘に入っていてわずかな護衛を台湾軍につけて先に行かせていた。台湾軍護衛の任についていた永野海紀(ながのみのり)海軍中将は中国の艦隊に対して少し苦戦していた。中国の南海艦隊は空母を含めた20隻以上が成す大艦隊であったが、永野が率いていた艦隊のうち第九艦隊は空母を含めて台湾軍の護衛に分隊させたので残る第二艦隊17隻だけで対処しなければならなかった。


「中国軍の狙いは沖縄だろう。でもこの数を相手に戦うのは無謀なこと。よし、それぞれ魚雷を放ちつつ後退、転回して沖縄に戻る。」


 永野の指示によって南方艦隊は転回し、その際に魚雷を放った。


「それから駆逐艦は煙幕を展開!敵空母を好きにさせるな!」


 駆逐艦10隻による煙幕で付近は霧のように視界が悪くなった。


「沖縄基地に連絡を!中国の南海艦隊と思われる大艦隊に遭遇。沖縄へ引き返しそこで迎え撃つ。第十一艦隊の出撃及び周囲の警戒と潜水隊の配置と小型機動艦隊の出撃を求む!」

「司令官、敵は艦の真下、海中に潜水艦を隠している模様です。」

「潜水艦!?わかった。では水雷戦隊は後方に対潜陣をひいて、それ以外は速力最大!水雷戦隊は潜水艦が射程に入り次第、サメ狩りを開始。」

「司令官、報告します。先ほどの魚雷により敵駆逐艦3隻が大破し航行不能。救援のため2隻がさらに戦線から離脱しました。」

「中将!敵が煙幕を抜けてきたら艦載機でサメ狩りを支援しては?」

「それはダメ!相手の航空母艦で多くの戦闘機が来たら、うちのパイロットは確実に死んでしまう。」

「報告します。もうすぐ敵艦隊が煙幕を抜けます。」

「潜水隊はあとどれぐらい?」

「約1時間ほどかかる見込みです。」

「小型機動艦隊は?」

「沖縄基地に一度補給するので少なくともあと40分ぐらいはかかるかと。」

「わかった。全艦面舵いっぱい!T字戦法にて敵を迎え撃つ!」


 永野は指示を出し、南方艦隊は南へ針路をかえて、単縦陣をとった。


「速力微速!砲撃用意!」


 速度を緩め、砲塔が照準を合わせる。弾薬の装填や角度などはシステムによってされ、細かな調整をして撃つのは砲手が担う。このシステムによってだいぶ兵員不足を誤魔化すことができた。

 そして、ついに中国の南海艦隊が姿をあらわした。濃霧を抜けるとともに空母から次々と戦闘機が空へ飛んでいく。それを確認したと同時に永野は指示を出した。


「砲撃開始!敵空母は戦艦2隻が狙う。水上艦と共に水中のやつまで沈めよ!健闘を祈る。」


 本格的に戦闘が始まった。

 第3戦隊の航空戦艦である扶桑と山城はその火力をもって敵主力と思われる空母を撃つ。第7戦隊である重巡妙高、那智、足柄、羽黒の4隻は敵空母付近にある敵戦艦群を撃つ。軽巡阿賀野を旗艦とした第2水雷戦隊は前方の敵艦を主砲と魚雷で迎え撃った。結果は日本の南方艦隊の勝利であった。敵空母の撃沈、他駆逐艦5隻轟沈、敵潜水艦全滅となった。しかし、敵戦艦や巡洋艦にはほとんど損害を与えられなかった上、南方艦隊の旗艦扶桑や山城が敵戦闘機の対艦ミサイルが命中し、甚大な被害を受けた。戦闘途中、小型機動艦隊が到着したことにより、難を逃れたのだった。第十一艦隊を呼び、敵艦隊を含め、沖縄基地へ戻った。

 有賀総長がその報告を受け、国土防衛を任としている横須賀海軍基地所属の第四艦隊を沖縄基地へ向かわせた。そして、秘密裏に行われているあるものの開発を急がねばならないと確信した。



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