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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章50話 『反撃!』

 葵は私の手錠を鞭で外し、私の手を掴んで立ち上がらせた。私も魔法を展開させようとしたが、それはできなかった。なぜなら、まだ首輪が外されていなかったからだ。そこに手錠を外されたばかりの敬助が無理やり首輪を外した。


「「アクティベーション!!」」


 二人は同時に魔法を展開させた。それぞれ剣を掴む。魔法を展開してからも葵は私から手を離さなかった。だから、私も葵の手を握りしめた。


「まずは逃げることが先決だ!まともに戦う必要は無い!僕が道を切り開く。二人は先に行ってくれ。」


 敬助の言葉に私は何か言おうとしたが、葵が強く握って頷いたので何も言わなかった。開けた道を通って広場の端へ走る。そして、飛び立とうとしたところを見えない壁に吹き飛ばされた。


「こうなることは予測済みだ。予測魔法の最高魔法師だぞ。ついでにその結界は術者が解くか術者を殺さない限り消えない。ちなみにその術者シャルルは結界の外だ。つまり、どうやったってここからは出られない。」


 サブリンがこちらを向いて説明する。敬助が私たちを庇うように間に立つ。


「それなら、あんた達を倒してみるしかないようね。結衣ちゃん!やれる?」


 葵に尋ねられ、私は頷く。それから、目をつむって深呼吸をしてから言った。


「さあ、みんなの仇は私が討つ!」


 私は葵の手を放した。


「バックアップは任せて。行ってらっしゃい!」


 再び頷くと、高速魔法でサブリンのもとへ向かった。しかし、そのあいだに邪魔が入る。新撰組の沖田総司だ。


「おっと。僕より速い。君の相手はぼくだよ。」


 剣を交えながら周りを見ると、近藤勇や土方歳三も現れていた。沖田の奥にいるサブリンと山門を睨みつける。おそらくまた、戦うのは新撰組の3人とで協会のやつらは見てるだけ。でも、ここは逃げられない戦場。そんなところで黙って立ってるなんてことはできない。私が無理矢理にでも引き込んでやる。


「ギリシア神話のエリーニュスの1柱、

  ティーシポネーよ!

  黒き心、漂う闇の赴くままに事を果たせ!

  殺戮の復讐者!!」


 黒い魔粒子が近辺にいる敵に向かっていく。そのあいだに私は沖田の剣を弾き、離れた沖田にも魔粒子を向けた。沖田は危険を察知したのか、これを振り払わないで後方へ撤退した。そして、他の魔法使いたちがそれぞれの魔法でこれを消す。そのあいだに私は次の魔法を唱える。


「月夜の下にて集まる、かつての同胞たち、

  主を失くした迷い子を襲い、我も抜刀する、

  今は敵同士のその同胞を棺へと導け!

  空を舞う赤い百合を散らし、魁となれ!

  リード・トゥ・ブレッド・コフィン!!」


 周りにいた魔法使いたちの背後に棺が現れる。高速魔法で彼らをそのなかへと押し込む。そして、棺の蓋が閉められると、彼らの悲鳴が響いた。やがて静かになり棺の外側だけが消えるとそこには無惨な血塗れの肉片が残った。それからすぐに次の魔法を唱える。


「神々の王・ゼウスよ!

  オリュンポス最強と謳われる、

  ケラウノスの力をこの刃に宿し、

  世界を一撃で支配せよ!

  ゴッド・オブ・サンダー!」


 電気を帯びた剣をサブリンたちに容赦なく横一文に振るう。光速で進むそれは誰にも止められない。沖田はその刃を受け止めようと感電し、そこに第2波を送り込んで沖田を消滅させた。そこへ、両サイドから土方歳三と近藤勇が飛んでくる。仲間の仇でも取りに来たのだろう。それでも私は連続で2つの刃を振るい、二人を消滅させた。それからもう一度刃を出し、そこらに生き残っている魔法使いたちを全滅させる。さあ、あとはサブリンと山門だけ。私が次の刃を出そうと構えると、前に光が現れた。そこから人影が現れた。



 それは・・・。




 それは、プライマリーの創始者で頭首、そして、私の婚約者。その名を、宮沢総司。



 その姿に私は剣を振るうことなんてできなかった。


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