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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章47話 『死の序章』

「結界をこんなにはやく破られるとは。残念ながら、第二フェーズに移るとしよう。」


 サブリンは少し高いところにたち、指揮を執る。


「ずばり言おう!君たちは全員、死刑だ。特に、頭首を先に消してしまえ!あいつは、危険だ。」


 サブリンは手をあげて、攻撃開始の合図をした。サブリンの手が下ろされるとともに、白亜の段の一番上にいた魔法使いたちが一斉に炎の魔法を周りから放ってきた。私は球状のフィールドを張って、これらを止める。


「結衣ちゃん!どうする?ここは一度撤退した方が!」


 葵が叫ぶ。私はフィールドを保ちつつ、周囲を見渡す。何か打開策がないかと探していた。そのときにサブリンの後方から何かが飛んでくるのが見えた。それはサブリンへ突っ込んで行った。サブリンはあらかじめ予測していたようで、英国騎士の剣を抜いて剣を受けた。


「おまえは、七番隊隊長のアーサーだな。」


 被っていたフードが脱げ、金髪を現した。そんなアーサーはサブリンをじっと睨みつけている。


「いや、今は五番隊隊長だ。」

「なるほど。私を不意打ちしようとしたのは間違いですよ。」

「ふん。今の俺は失くすものがない。それにこれは俺の単独行動だ。俺はおまえが気に食わない。だから、ここにおまえを倒しにきた。アーサーは俺でエクスキャリバーは俺のものだ!おまえの使っているのは偽物だ。」

「なるほど。あなたにアーサー王を名乗れると思っていらっしゃるのか。あなたこそ偽物!そもそもアーサー王はブリテンの王であられる。あなたはアメリカ生まれでは?私は英国生まれの英国騎士です。私こそエクスキャリバーを継げるものです。そうでなくても、()()()ではありません!いいでしょう。あなたは私がお相手します。」

「どっちが本物か勝って確かめさせてやる。」

「というわけで、山門さん。あとの指揮を頼みます。絶対に結衣という方は逃さないでください。」


 山門は一言返事をしただけで、サブリンとアーサーは二人の戦いの世界へと入っていった。



 その一部始終を見ていた私はますます撤退をするわけにはいかなかった。アーサーを一人、置いて逃げるわけにはいかない。そうしている間にも、山門は戦いに熱を加えていく。私は他の三人に言われてようやく決断した。


「よし、撤退するよ!」


 私は高らかに宣言すると、フィールドの中央にひとりでにゲートが開いた。本部に残された敬助たちが開いてくれたんだろう。私は少しずつフィールドを小さくしていきながら、ゲートに近づいた。しかし、山門はフィールドが解ける隙を狙ってフィールドを挟んですぐ目の前に迫っている。葵が魔法で水を出して目くらましをしてからフィールドを解き、ゲートに飛び込んだ。しかし、山門は矢を一本投げていた。それが私の右足に刺さったのだ。ゲートはすぐに閉じ、静かなプライマリー本部に戻った。


 その後、矢を葵に抜いてもらった。それから、治療を受ける。しかし、傷は塞がらず、痛みが引かない。その矢には魔力が強ければ強いほど悪化させる細工がされていたらしい。ビリビリ、ズキズキとした痛みが常に襲ってくる。そんななかでも、私は次の指示を出した。葵に何度も止められたが、私はそれを無視。私たちはゲートではなく直接、魔法協会へ向かう。しかし、これには魔力の消費が後の戦いに尾を引くことになる。だから、魔法を移動に費やす移動部隊と戦闘部隊に分け、運んでもらう方法をとった。戦闘に長けている百合とリリィがいる六番隊と七番隊、あとは副頭首の2組の4つが戦闘部隊、それ以外は移動部隊とした。海外支部の穴埋めには別働隊に頼んだ。


 出発は魔力が満ちる月が昇る頃。それまで、食事をしたり、戦闘の準備をしたり、休息をとったりとやることは様々だ。私はというと、葵に言われて椅子に腰掛けて、なんだかんだとしてもらっている状態だった。このくらいの怪我、ちょっと痛むくらいだよ。総司だったら、気にせずに戦っていたはず。それなのに葵は心配性なんだから。私はまだまだ戦える。だって、私は頭首なんだから。


 そんなこんなで日が沈み、夜が来た。月が空へのぼり始める。さあ、気を取り直して、出陣!


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