第一章45話 『会議をすれば戦争の足音がする』
休みを一日経て、幹部会議が開かれた。
葵の司会で会議が進められた。まずは組織編成の変更を私から話し始めた。
「組織編成を考えた結果、副頭首は葵と敬助の二人でやってもらいます。そして、新たに副頭首補佐官という形で副隊長だった朱雀さんと政宗さんについてもらいます。隊はそれぞれ、葵隊、新藤隊とします。以下は次のようになります。」
私はたんたんと発表していった。
一番隊隊長、長門佐助。副隊長、明石美桜。
二番隊隊長、金剛勇実。副隊長、石川陸奥。
三番隊隊長、佐倉梅。副隊長、松原武人。
四番隊隊長、ヴォルフ。副隊長、リア。
五番隊隊長、アーサー。副隊長、空席。
六番隊隊長、斎藤リリィ。副隊長、三沢花音。
七番隊隊長、藤堂百合。副隊長、霧崎萌花。
八番隊隊長、原田武蔵。副隊長、菅赤城。
情報部隊長、山崎香耶。
「そして、今まで頭首、副頭首の直轄部隊だった人たちは別働隊として動いてもらいます。隊長は総長として島田茉衣さんに、副総長は吉村誠司さんにお願いしました。」
会議に参列していた二人が立ち上がり、お辞儀をする。二人が座ったのを確認すると葵が次の議題に進めた。
「次に今後のプライマリーの方針と作戦の報告です。頭首からお願いします。」
「今後としては、これまで同様、魔法協会の打破と魔法社会の改革を目的に総司の意志を継いでいきます。まずはじめに、プライマリーは協会の傘下から脱退表明を出し、即時に奇襲をかけます。」
室内がざわついた。そのあいだに情報部隊長の香耶が立ち上がってスクリーンを下ろし、室内を暗くした。準備ができたのをみて私は話を続ける。
「これから奇襲の作戦内容を伝えます。まず、別働隊はここで警護、待機。他、四、五番隊以外の戦闘部隊は全員協会本部に乗り込みます。あとは三手に分かれて最高魔法師の3人のもとへ進み、討ってください。グループは以下の通りです。」
―第一グループ―
頭首・神城結衣
葵隊
三番隊
―第二グループ―
新藤隊
二番隊
八番隊
―第三グループ―
一番隊
六番隊
七番隊
その後は具体的な日程などを伝えて会議は終了した。私は部屋を出ていく幹部たちを座ったまま見送る。そんななかからこんな会話が聞こえてきた。
「やはりあの娘に頭首をやらせるのはどうかと思うだが。だって、総司さんや大石さんを死に追いやったのはあの娘だぜ?プライマリーの主格を失くしたのはあの娘のせいだ。もしかしたら・・・。」
「やめておきなさい。そんなことを容易に言うものではありません。あの方はあの二人に認められた人です。それに、私も認めました。そのことについては問う必要はありません。確かに我々はまだあの娘のことをよく分かっていませんが、あの二人は何かを感じていたようです。頭首を信じましょう。」
武蔵が愚痴をこぼしたのに対し、敬助が止めていた。その様子を見ていた私はぼォーッとしていた。葵に肩をつつかれると、我に戻った。
私が頭首であることをまだ認められない人はまだいるようだった。その人たちに認められて貰えるためにも、総司や大石のためにも頭首になって初めての作戦を成功させなくちゃっと心持ちをしっかりした。