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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章33話 『会議!』

 気がついたら、見慣れた天井が視界に広がっていた。起きるべきなのに、どうしてか布団のなかにずっといたい気持ちがある。再び寝てしまいたいとウトウトしていると、部屋に誰かが入ってくるのが聞こえた。私はまだ寝ているように目をつむって、部屋から出ていくのを待っていると、そのひとは私の顔に手を添えて、なにやら唇に感触が走った。思わず目を開けると、葵が私にキスをしていた。葵は私が起きたことに横目で見て気づいたが、目元を笑わせて、口の中で侵攻を続ける。私は、葵の体をを離そうと手で押そうとしたが、その手は葵の手で逆に押さえられてしまった。心臓の音が高まり、呼吸がはやくなる。葵は、私の状態を理解しながらも続ける。そわそわして、なんだか落ち着かない。まさか、女の子同士でキスをするとは、思っていなかった。それに、私には総司がいる。これは不倫?というものなのだろうか。罪悪感がますます私をそわそわさせた。私はすでに抵抗する力も失せて、身体中が熱くなり、葵の目をじっと見つめていた。葵は、私の口から撤退して、私の顔を見下ろして微笑んだ。私はだんだんと意識が遠のいて、目を閉じた。しばらく、自分の呼吸の音が聞こえたが、それも聞こえなくなり、完全に眠ってしまった。



 時は昨日にさかのぼる。戦いが各地で繰り広げられ、私は戦いのあとに昏倒してしまった。それで、私が寝ているあいだに事は進んだ。


 簡単に戦いの結果をいうと、プライマリー側の勝利だった。世界魔法協会は、中心であった二人の最高魔法師を失い、指揮力が落ちた。しかし、プライマリー側も七番隊副隊長・アドルフォが亡くなり、勝利といっても暗い雰囲気だった。ただちに、彼女を弔ったあと、幹部会議が行われた。それが、私の意識が戻り、葵に再び眠らせられたその日に行われた。


「これより、プライマリー、幹部会議を始める。」


 大石が開会を宣言すると、早速総司が各戦闘での成果を報告するように、総司から話し始めた。報告がすべて済むと、議題は一気に今後の動きへと変わった。話し合いでは、プライマリーは、協会に勝利をしたが、肝心の目的がなされていないということが上がり、無益な戦いを続けるだけだという指摘がでた。そこからおよそ2時間ほど話し合いがおこなわれたのだった。



 一方、世界魔法協会の方は、二人の欠員のなか、こちらも会議が行われていた。


「どうするのです?このままでは協会の名がたちません!!」


 テーブルに手をついて立ち上がるサブリン。


「それをどうするのか考えるのがおまえの仕事だろう、サブリン?」


 悟らせるように冷静に事を進める山門。


「しかし、大の戦力であるメイソンとシャルンホルストがいなくなっては、我々だけではどうしよもありません。」

「まあな、俺たち若い奴らはあの二人の言いなりのようなものだったからな。だがいまは違う。指揮権は我々にある。シャルンホルストはどうしたいんだ?奴らになにを願う?」

「それは、もちろん世界の秩序を仇名す者としてお縄についてもらいたいです。」

「つまりはそういうことだ。」

「どういう事なんです?ほら、シャルルも何か言ってください。」


 今まで二人の会話にニコッとしていたシャルルは突然のふりにギョロっとしたが、すぐにニコリとして答える。


「私?私は面白ければそれでいいわよ。サブリンが指揮を執ってもらって構わないわ。」

「ああもう、分かりました。では二人には私の指揮下に入ってもらいます。それでは今後の私の方針を言いますね。」

「ちゃんと考えてるじゃねえか。」


 こんな感じにあとはサブリンが独断で会を進めていった。



 プライマリーでは、今後の方針がある程度たっていた。


「それじゃあ、俺たちは協会を根こそぎぶっ潰し、魔法使いたちの平等と権利を保障するために世界を統治する、ということで決まりだ。次の戦いの指示はこちらでするから、それまで気ままに待ってな。大石、締めをよろしく頼む。」

「ああ、これで幹部会議を終了する。戦いのあとのケアをしっかりとして次に備えておけ。以上、解散!」


 会議が終わると、幹部たちはすぐに立ち上がって自分の持ち分や部屋に帰っていく。大石も部屋に戻ったあと、総司は葵に話しかけた。


「結衣はどうだ?」

「あ、ううん。まだぐっすりと寝てるよ。」

「おまえ、また変なことしてないだろうな?」


 笑顔で答えた葵に総司はつっこんだ。


「してないしてない。」


 そう言って葵は会議室から出ていった。


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