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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章26話 『プライマリー本部 対織田軍作戦』

 

「一応、名乗らせてもらおう!私の名は、柴田勝家である!かつての戦いの勝敗を決めようぞ!」


 柴田勝家は、こちらへ馬を走らせてくる。それに怯まず、総司は勝家の攻撃を受け止める。勝家が動きを鈍らせたときを狙って、私たちは一斉に斬りかかる。しかし、遠方から銃弾が飛んできて、攻撃を邪魔された。


「勝家!まんまと敵の思惑にはまりにいくとは!仕方がないから、いつもどおりに援護してやろう!なんといってもこの現代の銃とやらは実に使える!火縄銃も悪くはなかったが、これもはまるとたまらない!」


 そういったのは、滝川一益だった。戦国時代の武将がライフル銃をもって馬に乗っている。なんとも奇妙な光景だった。それから何度も撃ってくる。


「悪いなぁ!助かる!やはり一益とはどの世でもうまくやっていけるな!」


 その会話に腹を立てた総司は舌打ちをして、勝家に斬りかかる。


「おまえたちの話なんかどうでもいい!話すならよそでやってくれ!それともあれなのか、戦国武将っていうのは楽しく会話しながら戦うのか?なんであろうと今はおまえたちの時代ではない!この時代の命運は自分たちで切り開く!さっさと失せろ!」


 総司が力強く剣を振るっているのを見ると、本当にいらいらしているのがわかった。勝家は総司の剣を避け、一益が総司を狙って次々と撃ってくる。これは、仲間として、婚約者として、見ていられない。私もすぐに勝家との戦いに混じる。後の人たちは、一益のところへ向かう。だけど、それじゃあ、遅い。私の速さなら―。


 結衣は跳躍して、勝家の心臓をめがけて斬りかかる。勝家はなんとかこれをかわしたが、結衣は高速魔法を使って、四方八方へと動き回り、勝家の身を削っていく。総司はそのすきを利用して魔法を唱える。


「アラスカの創造神テスカトリポカよ

 悪魔と化し、あらゆるものを無へ還せ!

 リバース!」


 総司お得意の固有魔法を放つ。そのタイミングを見計らって、結衣は瞬間移動をし、次は一益のもとへと斬りかかる。いきなり目の前に結衣が現れたのにもかかわらず、一益は落ち着いて、近距離で銃弾を放つ。結衣はこれを真っ二つに斬り割る。その一瞬の間に一益は、銃から刀へと武器変換を完了し、結衣の攻撃を受け止めてみせた。そんなころには、総司の魔法によって、勝家は消滅し、総司が次なる獲物を求めて、遅れて一益のもとへやってくる予定だった隊士たちを連れて行ってしまっていた。


 私が、一益と戦っている間に、山間部に待機していた、一番隊の新藤たちと二番隊の葵たちが参戦する。それに加えて、突如姿を現したのは、大石だった。


「待たせたか?」


 大石が辺りを見渡して状況を把握すると、


「そうでもないみたいだな。俺と分も残してくれたのか?」


 丹波長秀と戦っていた総司は、大石の発言に答える。


「なかなか、速かったじゃないか。シャルンホルストは、どうした?」

「そんなの、殺したに決まってるだろ。今ごろ海の栄養にでもなってるんじゃないか。」


 物騒なことを淡々と話している。


「それじゃあ、俺は信長を殺らせてもらうぜ!」


 大石は、信長のもとへ駆けていく。しかし、そこに立ちはだかったのは、信長ではなく、徳川家康だった。


「信長様のもとへは行かせませぬ。ここは、私がお相手しよう!」


 大石は、気にくわない様子だったが、すぐに、機嫌を直し、ニヤリと笑った。


「じゃあ、家康でもいいか。永きにわたって日本を統治した一族の実力を見せてもらおう。」


 大石は、刀を鞘から抜いて、構えて、走り出した。




 私もそろそろ決着を着けよう。私が戦えるってことを証明してやる!


 私は、一益との距離をとって、魔法を唱えた。相手が遠距離ならこっちもそうしよう。


「ざわめくものたちよ 灼熱の炎に焼き焦がれよ その身を果て 塵となれ! アパートファイアボール!」


 この魔法は、私が1番よく使っていたもの。だから、あらかじめ、速く正確に唱えられるように練習をしておいた。だから、私は、数秒とかからないうちに詠唱を終えた。そして、炎の弾の一つは、一益を飲み込み、ともに消えた。他の五つは、どうやら、各武将の頭上へと落ちてしまったらしい。よけれた者もいれば、そうでない者もいて、残った武将は、織田信長、徳川家康、明智光秀、豊臣秀吉、そして、森蘭丸になった。


 私は、織田四天王を3人も倒してたのだ。喜びに溢れていると、魔法を唱える声が響いた。


「冥界の神・ハーデースよ!

  汝の領域から死者を呼び覚まし、

  地上での営みを許したまえ、

  バック・トゥ・ライフ!」


 山門が魔法を唱えると、山門の背後の山間部が眩く光った。そして、周辺にいた将軍たちが姿を消した。少しした後、その光は弱まり、徐々に景色が見えてきた。私たちは、その光景を見て、驚きを隠すことができなかった。なぜなら、そこには、山門の後ろには、さっきの消滅させた将軍含め、将軍を筆頭に後ろの見えないところまでそれぞれの兵士が待機していたからだ。織田の旗、豊臣の旗、秀吉の旗、徳川の旗をそれぞれ持ち、いつでも戦闘が始められるような状態だ。


 先頭の中央に立つ山門が大声で言う。


「協会の目的は、お前たちを抹殺するか捕縛するかのどちらかだったが、俺の目的は違う!それは、お前たちの活動拠点であるこの屋敷を破壊することだ。だが、それだけでは、この軍勢を用意した意味にはならない。俺は、名も無き兵士とて蘇らせることができる。だが、それは滅多にしない。それを破ってでも用意した理由は、この破壊のついでにお前たちを殺してしまってもいいだろう、と思ったからだ。第一目標は、屋敷の破壊だ。お前たちが逃げたいなら今のうちに逃げればいい。俺は俺のやり方で全てを進める!そのためなら、友を殺すことだっていとわない。さあ、決めろ、総司!」


 総司と、私との間に強い風が吹き抜けた。

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