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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第一章・上】 魔法社会革命編
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第一章20話 『マーシャル諸島海戦 四番隊VS.シャルンホルスト直轄部隊』

  それがしの名は、金剛勇実と申す。プライマリー、四番隊隊長を務めさせていただいておる。


この名は、道場の師匠からいただいた大切な名前である。本名は、伏せさせてもらおう。


それがしは、新撰組の局長、近藤勇が継いでいた、天然理心流の道場に訳あって住まわせていただいていた。それがしは、そこで、天然理心流の免許皆伝までのぼりつめ、師匠と並ぶほどの強さを手に入れた。そんななか、それがしは、魔法の才に恵まれた。即刻、世界魔法協会の連中が道場を訪れて、それがしを協会へ連れていった。そこで、いきなり、幹部候補生になった。幹部候補生として、魔法の勉強や任務などにあたるなか、それがしは、協会に不満を抱くようになっていったのだ。それは、強者による弱者からの搾取、追い込みを平然としていたからだ。


それがしは、その後、幹部となった。しかし、上の目を盗み、それがしに共感を持つものたちを連れて、協会から逃げた。武道の道を歩む者として、逃げる行為というのは理に反するだろう。しかし、それがしは、目的をもってして、逃げた。


それがしは、頭首、宮沢総司について、少し耳にしていた。だから、そこに希望をかけて、我々はプライマリー創設に合流を果たしたのだ。世界を救うために。



 さて、十番隊の原田武蔵殿が多く船艇を引き離してもらったところで、それがしの任務を始めよう。シャルンホルストが乗っている以外の船艇をそれがしの部隊、四番隊がひきうける。


「それがしは、プライマリー、四番隊隊長・金剛勇実だ。ついてまいれ!ここは両者、大将の一騎打ちの場とさせてもらおう。」


 それがしの呼びかけに相手方の大将・シャルンホルストが応じる。


「構わん!他は全艦、やつらの要望に応えてやれ!それでもなお、われらの方が優勢だ。」


 その言葉を聞いて、それがしの部隊は、移動を開始する。それに応じて、敵軍の戦艦・ビスマルク以外、20隻がついてきた。移動の途中ながらも敵は攻撃を開始してきた。それならばこちらも容赦はしない。


「フィールド!大地を裂け、五月両剣さつきりょうけん!」


 防御魔法を張ったのち、天然理心流の技を繰り出して、海面を二つに割る。しかし、これはうまくかわされてしまった。敵艦は、左右二手に分かれ、斜めに陣形を組み始める。


中央2隻を先頭に、左右、それぞれ9隻ずつならび、砲撃をしてきた。この陣形はおそらく、先ほど放った五月両剣に対する全滅を回避するための陣形だろう。先頭2隻がドイツの戦艦・シャルンホルスト、その次に米軍の軽巡洋艦5隻、次に米軍の重巡洋艦6隻、そして、左側前から戦艦・アイオワ、ミズーリ、ニューヨーク、右側前から戦艦・ブランデンブルク、ニュージャージー、ウィコンシン、テキサス。どの艦も強力な戦力を保持している。



 いつまでも撃たせているわけにもいかない。防御フィールドがあるといえど、そのうち突破されるだろう。それがしは、同胞たちに指示をだし、一斉に敵艦へと急加速していった。


「雷光の如く、さきばしれ、電光剣!」


 これまた、天然理心流の技を使い、戦艦そのものを斬りに行く。しかし、当然それだけではびくともしない。なので、副隊長の石川陸奥は、空中で薬物を生成し始めた。彼が狙われる的になっている間、我々は、彼をかばいながら戦う。


「医学、工芸を司る神、ミネルウァよ、神秘なる薬を生成し、世界に知恵を分け与えたもう、クリエーション・メルトケミカルズ!」


 石川のもっていた、三角フラスコが光り出し、やがて煙とともに、なかに緑色の液体が現れた。我々は、それを確認次第、石川の背後にまわる。それから、石川は、フラスコに入っていた緑色の液体を空中に勢いよくばらまき、即座に唱えた。


「ビギニング・エクスペリメント!」


 その途端、緑色の液体の粒子が敵艦へと向かい、包み込む。それから、


「サクセスゴール!」


 という合図で一気に敵艦が解け始めた。それに対抗して、各艦は乱射を始めた。しかし、それは同士討ちを意味する。


これによって、米軍の軽巡洋艦4隻と重巡洋艦すべてが解けたり、同士討ちされたりして沈没し、失われた。残るは、10隻。相手も消耗し、いけると思ったとき、異変が起こった。


 大きく旋回していた、米軍の艦艇が再び新たに陣形をくみ、さらに、ドイツの戦艦・シャルンホルスト2隻が青く光り輝き始めた。そして、2隻は、船の形を変え、海上から空中へと飛び始めた。



 なんていう奇妙なことをするものだ。あれは、現代の技術で作ることは不可能であろうから、おそらく魔法によるものだろう。術者はおそらくその2隻のなかにのっているだろう。


ものすごいはやさでこちらに向かってくる。あれで吹き飛ばされたらひとたまりもない。が、空中戦艦・シャルンホルストは、主砲にて充填を始めた。なにがでるかはいうまでもない。それがしは、惜しみなく秘奥義で立ち向かうことにした。


「幾年にも重ね、吸血鬼の如き血を求める、

 今宵の虎徹は血に飢えている、

 汝の血を吸い尽くせ、

 秘奥義・長曾祢虎徹ながそねこてつ!!!」


 空中戦艦の放射とともに、秘奥義を発動させる。空中戦艦からは、青く輝く光線が、それがしの刀・長曾祢虎徹ながそねこてつからは赤黒い影が放たれ、衝突しあう。そんななか、もう一つの空中戦艦が充填を始めるのが見えた。このまま負けるわけにはいかない。と、いっそう強く放つ。


そんなときに海の向こう側からものすごい音がきこえ、巨大な物体が落ちていくのが見えた。そして、衝撃波が伝わってくる。あれは、菅赤城による、星読みの力だ。これはチャンスだ。それがしは、衝撃波に負けずと、刀を動かし、2隻の空中戦艦を真っ二つに斬り落とした。戦艦は、空中で大爆発を起こし、ばらばらになって海に落ちていった。これで、残るのは、米軍の軽巡洋艦1隻と戦艦7隻だ。


 しかし、それがしには先ほどの秘奥義によって、ほとんどの魔力を消耗してしまい、空中に浮かんでいられるのがやっとのほどの魔力しか残っていなかった。それでも、敵艦は容赦なく、こちらに艦砲を向け、砲撃をしてきた。それがしは、同胞たちに支持をだし、これに対応した。


 やはり、数の力は効くものだな。

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