第一章17話 『マーシャル諸島海戦 十番隊VS.ドイツ・アメリカ連合艦隊』
「アクティベーション!」
一斉に魔法を展開し、作戦通りに行動をはじめる。俺たち、十番隊は、艦艇の撃沈を目的とし、応戦する。副隊長の菅赤城の魔法を中心とし、赤城の魔力放射までの時間のあいだ、他の隊士たちで赤城を守護する。赤城は、重要な戦力だ。俺たちは、四番隊と大石と距離をとり、相手の艦艇の砲塔を大石たちではなく、こちらに向けさせて、大石が戦いやすいようにする。艦隊は、シャルンホルストが乗っている戦艦・ビスマルクを先頭に、2列目に戦艦・シャルンホルスト2隻、3列目に戦艦・ブランデンブルク、アイオワ、ニュージャージー、4列目に戦艦・ミズーリ、ウィスコンシン、ニューヨーク、テキサス、5列目に米軍の軽巡洋艦5隻、6列目に米軍の重巡洋艦6隻、7列目に米軍のミサイル巡洋艦3隻、駆逐艦3隻隻、軽巡洋艦1隻、8列目に、ドイツの重巡洋艦2隻、軽巡洋艦6隻、計36隻による大艦隊が形成されていた。前後で戦力に差があるようにみえるが、これは何かの作戦だろうか。何にせよ全部沈めるから、関係ないか。艦隊と適度の距離をとった。
7列、8列目の艦艇が本隊を離れて、こちらに向けて一斉艦射してきた。ミサイル巡洋艦による巡航ミサイルの発射もされた。6本のミサイルが弾丸とともに向かってくる。
「スピア・ターン。
風の神々、アネモイよ
突風を吹かせ、数多の槍を貫け!
スピア・レイン!」
槍が数多く原田の周りに現れ、原田が持っている槍を飛ばすと、一斉に槍たちが飛んでいった。ミサイルすべてに見事当たり、空中爆発をする。その爆風によって、残った弾丸も吹き飛ぶ。原田たちは、ウォールで爆風共々赤城をかばいながら防ぐ。爆煙によってあちらからはこちらの様子を確認できない。それから、赤城が詠唱をはじめた。
「満天の星々が光輝く
星空の神、アストライオスの恩恵を受け
我に星を支配させたまえ
スター・コントロール!」
赤城の持っていたタブレットが異様に光輝く。赤城は続けて詠唱をする。
「我、アストライオスの化身として
汝に天罰を与える
メテオ・シャワー!」
赤城がタブレットでおもいっきり何かをスライドさせた。しかし、なにも起こらない。実は、隊長の俺でも赤城の魔法を見たことがない。失敗したのかと思ってると、煙が晴れてきて視界がよくなってきた。
「おい!どうなってるんだ?失敗したのか?」
「いいから、黙って待っていなさい!これだから、バカは嫌なんだ。」
「はぁぁぁ?何言ってんー」
そのとき、頭上から轟音が伝わってきた。上をみてみると、雲の向こうに巨大な塊が複数あるのがわかった。
「成功か。よし、おまえら、しっかりウォールを張っておけ!衝撃に備えるぞ。」
巨大な小惑星と隕石は、雲を焼ききり、すぐそこまで迫っていた。
「サイレント。」
赤城によって、轟音が消され、音がないまま、艦隊に向かっていく。海上の艦艇は、急いで逃れようと全速力で移動しているが、それでは遅い。海面が熱によって蒸発し、湯気がたつ。逃げていた艦艇は、熱によって、動けなくなったものもあり、また、弾薬庫が爆発したものもある。ついに、流星たちが海に落ち、沈みこむ。そこにいた艦艇はほぼ壊滅的だった。作戦は大成功である。しかし、まだ、21隻が残っている。早く戻って、大石たちを援助しよう。




