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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第三章】学園長編
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第三章23話『東太平洋大海戦Ⅳ』

 外に出た結衣とアンの2人は並んで立ち、魔法を展開させた。

「「アクティベーション!」」

 結衣は剣を握り、魔法を唱え始めた。

「アステカの創造神テスカトリポカよ、

 悪魔と化し、あらゆるものを無へ還せ、

 リバース!」

 アンは結衣に対して魔法の威力向上の魔法をかけ、さらに、結衣の魔法の照準が空に浮かぶ魔法陣の中心になるように支援魔法をつかった。それらの支援魔法により、結衣の放つ黒い塊はいつもは丸っぽい個体であったのに、今回は黒くまっすぐと魔法陣に伸びる放射砲となった。魔法陣は中心を撃ち抜かれ、そこから波紋のように魔法陣が消えていった。こうして、悪魔は去っていった。



 太平洋上より、宮野少将たちはその様子も見ていた。黒い線が黒い魔法陣を貫き、消えていく様を。それから慌てて指示を出す。

「修理を急いでくれ。すぐに敵が攻めてくるはずだ。」

 予定では1時間、時間を稼いでくれるはずだったが、あの魔法陣が消えたということは状況が変わったことである。すぐに無人哨戒機を出して、敵の情報を探らせ、宮野少将自身は本部に連絡をつないだ。

「宮野少将、残念ながらこれ以上は手伝えないようだ。」

「わかりました。あとはなんとか、こちらでやります。」

「ああそうだ、修理のほうは終わったのかい?」

「いえ、まだ完全には。ただいま、早急にあたらせています。」

「それなら、黒野大将がお詫びということでプレゼントがあるらしい。空を見上げてごらん。」

 いわれたとおり空を見上げると、そこに丸い空間があき、そこから光の粒子が降ってきた。その光は損傷した艦艇や搭乗員たちの傷や疲れまでを治していった。

「どうだい、プレゼントは無事に届いたかい?」

「はい、ありがとうございます。」

「お礼は私じゃなくて黒野大将に直接会っていってくれ。では無事を祈っているよ。」

「はい、失礼します。」

 通信をやめると、すぐに敵の情報が伝えられた。

「哨戒機より、敵艦隊発見。場所は先ほどから変わっていない様子。しかしながら、先ほどよりもはるかに数が減っています。」

「その残存している艦艇はすべてわかるか?」

「はい。」

「なら、できるだけ教えてくれ。」

「ニミッツ級原子力空母ニミッツ、通常動力空母エセックス級エセックス、ヨークタウン、レキシントン。ミッドウェー級フランクリン・D・ルーズベルト、フォレスタル級サラトガ。以上が空母6。戦艦はアイオワ級イリノイ、ケンタッキーの2。ポートランド級重巡洋艦インディアナポリス、ニューオーリンズ級サンフランシスコで重巡洋艦2。クリーブランド級アストリア、アトランタ、デイトンの軽巡洋艦3。駆逐艦は18です。」

「てことは、全部で31か。空母の数が減ったのとモンタナ級戦艦がいなくなったのはかなりおいしいところだな。そして、敵司令官が乗艦しているのは原残る子力空母ニミッツだと思っていいだろう。まあ原子力空母ということもあるし、まずはこれを落とそう。戦闘準備のほうは?」

「全部隊できています。」

「よし、全艦載機発艦!敵原子力空母ニミッツを集中攻撃せよ!」

 味方空母はすぐに発艦準備にとりかかる。もちろんオーストラリア海軍やASEAN海軍もだ。

「これより、第一主力艦隊は前進し、敵艦隊の撃滅を開始する。最大戦速で全速前進!旗艦長門に続け!」

 大和含む第一主力艦隊は針路を東に進み始めた。すでに航空機は発艦され、艦隊の上空を通りすぎると、すぐに敵機と交戦を始めた。しかしながら、今回宮野少将が発したのは全機発艦。空母の数は日本側が上回った現在、それに伴い艦載機の数も勝り、圧倒的攻勢で航空戦を制した。そして、敵旗艦と予想される原子力空母ニミッツに対し、雷撃と爆撃、対艦ミサイルによる攻撃を行い、数十発の攻撃命中により、ニミッツは爆発を起こした。その爆発により、その艦の原型すらわからないほどになり、飛び散った破片は例のごとく付近の艦艇に危害を加えた。その瀕死状態である付近の艦艇に対し、宮野少将は大和砲による攻撃を命じた。さらに自艦を含めた第一艦隊の戦艦4隻も遠距離から命中させるのは困難である駆逐艦を中心に砲撃を開始した。ニミッツの爆発を起因として、空母エセックス、軽巡デイトンを含めこれで6隻が失われた。アメリカ側はこちらが前に出てきていることを理解し、残る水上艦隊、アイオワ級戦艦イリノイを指揮とした艦隊が前進し始めた。空母には近寄らせないという根端だろうが、すでに戦艦の射程範囲内にはある。しかしながら、標的を空母から背けるという目的を譲らざるを得ない。恐れるべきなのは近接における雷撃なのだ。お互いに艦隊は魚雷が搭載されている水雷戦隊に主砲が向けられた。どうやら、日が暮れる前に決着がつきそうである。

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