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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【第三章】学園長編
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第三章4話 『合宿1日目』

 10月13日、ついにこの日がきた。合宿である。合宿といい、強化訓練演習ともいい、とにかく学園長である私が提案、国防軍主催協賛のこの学園イベントが始まった。驚くべき開催場所は沖縄基地、ハワイ基地、大湊基地の3ヶ所だった。大湊基地はまだいいとして、他の2ヶ所は現在進行形で前線を維持している拠点である。ましてやハワイ基地なんて国外である。そのため、ハワイ基地には最上級生である3年生が、沖縄基地には2年生が、大湊基地には1年生がそれぞれ配置された。有賀総長がいうには実戦において、魔法軍以外のものと戦うときがよくあることからそれを体験してみようという目的で今回のプログラムを組んだらしい。合宿の開幕式で有賀総長は全校の前で話をした。

「現在、我々日本国は2つの大国を中心とした国々を相手に戦争中である。我々日本国は盟友であるドイツに加え、台湾、韓国、ロシア、ローマ帝国、イスラム帝国、さらには東南アジア諸国、オーストラリアとともに奮戦中である。しかし、現在敵国となるアメリカ、中国、フランス、イギリス、インド、カナダはいずれも強力であり、戦いは均衡している。そこで君たちの力を借りてこの状況を打破したいと思っている。君たちが強くなるために我々国防軍は全力を尽くして支援をする。だから、君たちも全力で頑張って、レベルアップを図ってほしい。それでは行ってらっしゃい。」

 有賀総長の話が終わると、生徒たちは先生たちが開いたゲートをくぐり、合宿の地へ渡った。しかしながら、総長の話は無視できない重要事項が多く含まれていた。世界大戦はその名のとおりに戦地を拡大している。それは衝突する力の増大を意味し、ますます世界の平和が遠くなっていくものであった。後で総長から聞いた話だとロシアが同盟を組んでからは9月13日にロシアがローマ帝国に侵攻し、15日にはさらに中国にも侵攻したらしい。20日にはローマ帝国が寝返り、私たち側についてアメリカ、フランス、イギリスに宣戦布告をした。25日、ドイツとローマ帝国が会議を開き、合併をして国名を神聖ドイツ=ローマ帝国にした。なお、統治者は2人でローマ教皇とドイツ皇帝である。どうやらローマ皇帝は失脚したとの噂が出回っている。これはドイツの工作によるものなのだろうか。それ以外に同じ日には、中国の魔法部隊の功により、ロシアが中国より撤退を開始した。さらに、ローマ帝国艦隊が早速地中海にてフランス艦隊と戦闘をした。26日、日本の呼びかけにより、イスラム帝国が資金や燃料を各同盟国に援助してくれた。27日、神聖ドイツ=ローマ帝国は日本とロシアと同盟を改めて締結する。その時に戦後の平和構想を確認し、目的を共有した。30日、アメリカはイスラム帝国への反感を露わにした文書を公表したが、10月3日にイスラム帝国はドイツ側と同盟を結んだ。

 10月4日9:00にアメリカ側はイスラム帝国にも宣戦布告をし、空爆を開始した。5日、中国は東南アジアに協力を要請した。ドイツ=ローマ帝国ロシア連合軍はイスラム帝国にて空爆に対処する。6日、イギリスもインド、カナダ、オーストラリアなどに協力を要請した。この日にドイツとの首脳会談で日本海軍とドイツ連合陸軍の交換派遣が決定した。12日にインド、カナダがアメリカ側として参戦を表明した。オーストラリアは申し出に拒否を示した。また、日本海軍の艦隊は大西洋に向けて出発し、スエズ運河ルートとハワイ基地からパナマ運河ルートで出発をした。在イスラム帝国の連合軍は制空権を確保し、東の中国へ進軍を開始し、予定通り戦力の交換派遣が両者において開始された。

 話は戻り、合宿1日目は人間を相手にした訓練であった。今日は大湊基地の1年生に同伴した。各チームに別れてそれぞれに指導員がつく。演習場所は主に山だった。今回の想定する相手は魔法を使えない一般の軍人。まずは一対一で模擬戦闘を行った。1年生は基礎魔法を使えればいいというレベルで、あまり戦闘経験はない。そのため、基本的なところから指導が入った。普段の授業とは違い、軍による少し厳しめな演習であり、ゆるゆるな演習に慣れていた生徒たちは真面目な顔をして受けていた。ちなみに私は有賀総長とともにその様子を見ていた。個人レベルでの指導が終わり、お昼休みを挟んでから午後はチームワークを使った演習になった。有賀総長は本部に戻ってしまい、私は暇になってしまったので相手役として演習に参加した。魔法を使わずに相手にするというのは少々無理なので、予測魔法くらいは使わせてもらった。それで本当にヤバそうなことになったら対処できるようにして、演習は続いた。日が暮れる前に演習は終了し、生徒たちは基地へと戻る。当番となっているいくつかのチームは夕食の準備を始める。それ以外の人たちは貴重な自由時間となる。私はここには泊まらないので、先生たちに声かけてからゲートを使って学園へ戻った。

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