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エンドレス・マジカルライフ  作者: 沖田一文
【序章】すべてのはじまり
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プロローグ

 初めての投稿となります。この話の内容は、中学生ごろから考え始めていたものです。文章力がなく、読みにくいと思いますが、広い感性で見てくださると大変嬉しいです。

 2054年4月。


 暖かい春風が髪をなびかせる。彼女は、桜並木を通り、いつもの待ち合わせ場所へと向かう。彼女の名前は、神城結衣。この春、中学2年生となった。そして、待ち合わせ場所に待っていたのは、結衣の大親友である永倉あんこ。団子屋『色葉坂』の一人娘である。二人は学校の制服である白いブレザーとスカートを着ていた。


「おはよう、結衣。ちょっと遅いよ。軽音部のみんな、待ってるよ。」


 結衣たちは軽音部に所属し、部員は全部で5人いる。結衣がギターとボーカルを、あんこがベースを担当している。


「ごめん、ちょっとゆっくりしすぎちゃった。」

「朝練しようって言ったのは、結衣だったよね。さあ行こ。学校まで競争ね。負けた方は放課後にみんなにアイスおごりね。」

「え~、私だってお小遣い少ないよ~。待ってよー。」


 あんこが走り出し、それを結衣が追いかける。でも、二人とも楽器を背負っているため走るのは遅かった。


 結衣たちが通っている学校は、お嬢様学校といわれる学校であった。初等部から高等部まであるエリート層や富裕層の子が通う学校である。結衣たちは、中等部からこの学校に入学した。結衣は、世界トップの神城財閥の一人娘で、超お金持ちであり、本来は初等部から入学する予定だった。しかし、初等部入学時からしばらくの間は、結衣は病弱体質なために、学校には入学せず、自宅療養の日々が続いた。体調が回復してからは、家の教育が厳しすぎて、結衣は家出をしてしまったのである。家出をしたときに出会ったのが永倉あんこであった。結衣は、あんこの家に小学5年生から卒業までの間、居候させてもらった。その世話になった御礼として結衣の父が、多額のお金をあんこの家に渡した。そのおかげで富裕層でもなかったあんこがこの学校―セントリア学園に入学することができたのだ。


 待ち合わせ場所から出発した二人は、サウス駅で電車に乗り、10分ほどして着くセントリア駅で降りる。それからまた15分ほど歩くとセントリア学園に着いた。先に到着したのは、あんこだった。少し遅れて結衣が到着する。


「私の勝ちだね。」


 あんこはにっこりと笑顔を見せる。呼吸を整えてから結衣が言う。


「あんこの方が、背大きいじゃん。ずるいよ~。」

「やっと認めたんだ。自分がちっちゃいこと。」

「認めてない。絶対に認めてないから!」

「まあ、でも、負けは負けだから、アイスおごりね。」


 あんこは、スキップしながら部室に向かう。


「なんか、今日のあんこ、メロと似てる。いつもは、優しくしてくれるのに。」


 結衣は頬を膨らませ文句を言いながら、部室に向かった。


軽音部の部室は、学園の中庭にある。2階建ての別館で、その建物すべてが軽音部の部室であった。結衣が、この部を作るときに学園側で建ててもらった。それは学園にとって、いや、富裕層の世界にとっては、当然のことだった。なぜなら、結衣が世界トップの財閥の一人娘だからである。そのとてつもない財力と権力によってこの部室は建てられたのだった。その部室のドアを開けると、他の部員の3人がすでにお茶をしていた。


 鮮やかな金髪が特徴の凛々しい彼女の名は、心沢メロディ。楽器店『ハートビート』の社長の娘である。明るく元気にドラムを演奏するドラマーである。みんなからはメロと呼ばれている。

 黒のロングヘアで大人っぽい彼女の名は、小泉奏。両親は、プロの演奏家である。クラシック部に所属していたが、結衣の勧誘で軽音部に転部した。メロの幼馴染である。楽器は、キーボードを担当している。

 メイド姿が似合うちょっと天然な彼女の名は、山森心愛。ギターを担当している。


 紅茶を一気に飲み干したメロは、遅れてきた二人に問い詰める。


「それで、朝練をしようと言った二人が遅れてくるとはどういうことだ。」


 心愛が淹れた紅茶を少し飲んでからあんこが答える。


「ごめんなさい。結衣が黄昏れながら、ゆっくり歩いてきたから遅くなっちゃったの。でも、結衣が帰りにアイスを奢ってくれるって。」


 深く考えずに反応したのは心愛だった。


「そうなの、味は何にしようかな・・・。」

「あははは・・・。」


 結衣はため息をつく。奏が髪を整えながら言う。


「それより、どうするの?もう少しで4月も終わっちゃうわよ。新入生はどんどん他の部活に入っていくし。私の時みたいに、無理矢理でも入れないと。まあ、被害者が増えるだけだけどね。」


「ああ、ごめんなさい。やっぱり嫌だった?」


 あんこが不安げに奏を見つめる。そのやりとりをみていたメロがニヤニヤしている。


「私たちが、勧誘しにいったときは、うれしそうにしてたのにね。そのあとの演奏も目が輝いてたしね。」

「そんなわけないよ。私が、クラシック以外に興味持つわけないでしょ。」


 奏はメロに反論する。しかし、その威勢の良さは長くは続かなかった。


「へぇ~。じゃあ、なんで今軽音部にいるの?」

「それは…その…えっと…。き、気に入ったからよ。悪い?」


 奏はりんごのように頬を赤くし、まんまとメロに丸め込まれた。


「ははは、私の勝っちぃ!」


 メロが勝利を宣言したところでチャイムが鳴った。心愛は素早くティーセットを片付け、教室に向かう準備をしながら、結衣に話しかける。


「結局、練習できなかったね。でも、メロちゃんと奏ちゃんはいつもどおりおもしろかったね。」


 結衣は、心愛に「漫才だったんだ」と内心で思いつつ、結衣たちは教室に向かった。

 そして、放課後になると、結衣はみんなにアイスをおごった。おかげで財閥の娘とはいえ現金は少ししかないので結衣の財布はすっかり空っぽになってしまった。


5・6年ぶりに書き直しました。思ったより誤字脱字が多く、直しがいがありましたね。

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