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第3章 〈召喚術入門〉(1)

カイトは次に目を覚ました時には前世の記憶を取り戻していた。頭部を打ったのでしばらくは安静に寝てることになった。退屈なのでマーケットの古本屋で購入した〈召喚術入門〉をベッドの上で読んでみることにした。傍らには猫のキャルが付き添ってくれていた。


主にこれまでガイア世界に現れた召喚者への、魔塔所属の調査員が取材記録をまとめた本みたいだった。


召喚に当たっては、杖や魔道書等を使う形が多い。いわゆる依代や形代や媒介物を必要とする。


召喚者の魔力や世界樹等の自然エネルギー霊力を使うケースもある。


召喚した存在自体が強力な力を持ち、召喚者を気に入れば力を分け与えるケースもある。


召喚者のソウルや力によって召喚できる存在に差異。



偉大な召喚者は子供の頃に召喚に成功している事例もあった。知識や技巧というよりはソウルが関係している仮説。


【召喚方法】

魔法陣や図形や紋章(が書かれた本や紙)を用意し、魔力等の対価を払い召喚するのがこれまでガイアに出現したサマナーのオーソドックスなやり方。


ただし、魔道書の中には既にモンスター等が封印搭載されている物もあるので、読める=持ち主と認められた場合は魔道書に命じるだけで召喚可能。

魔道書に対して召喚したい存在をイメージして「出でよ」と命じれば召喚できる。

倒したモンスターは、魔道書に封印し新しく召喚獣として召喚することも可能。

と書いてあった。



(便利〜)

カイトは心の中で叫んだ。


(召喚能力は女神様の特典サービスとしてありがたく活用させていただきます)

ベッドの上で身体をバタバタして喜びまくった。


* * *


記憶が戻り、カイトは前世が社畜サラリーマン山田海人だった事を思い出して、

(今世は働かない。なるべく楽する)

との決意を新たにしたのだった。


(辺境伯家なんて魔獣狩りと敵兵退治で限りなくブラック企業臭するぜ。しかも広大な領土の半分が死の森に面してるから活用方法もなく貧乏って噂だし。なるべくヒキニートになれるよう頑張らなくては)

義姉のリリアナに後は継いでもらい、お金を貯めてバックれかな。

カイトは

「この世界、冒険者ギルドなんてあるのだろうか」

そう疑問を口にし、後でメイドのアンに聞いてみようと思ったのだった。

(冒険者ギルド! 異世界転生って感じ。あるといいな…)


ベッドで横になっていたので、いつしかうたた寝してしまった。三毛猫のキャルも傍らでゴロゴロと喉を鳴らしながらうたた寝していた。

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