第42話海開き
「海開きだー!!!」
白と青のコントラストの美しい海岸!
のびのびとした潮騒に負けない大声の轟く晴れた空!
「うるさい!」
フユミにパコーンと頭をサンダルで引っ叩かれた。
「昨日の今日でよくもまぁ」
「フユミ」
「なに」
「バーカ」
「……我要蜇你!まっ、ちょ、砂浜あるきにくっ!?」
「はっはっはぁ!そのサンダルでおれの頭砕きたきゃ追いついてみやがれバーカばーか!」
「サルだな……おれも交ぜやがれおまえらー!ダッハッハ!」
春瀬班、母さんに送迎されて海開きの予定地へと到着。
3人は人っ子ひとりいない砂浜を走り回る。
「ばかやろーバンリ!異象つかうなよ!」
「ふははははは!砂に埋もれたくなければにげろ!さもなくば目ぇつぶって砂かぶりになるがいい!」
「お約束のギャクしてんじゃねぇぞ!」
「キャァあああ!ヒラク傘になって!」
「お前が陰になれよ!」
砂を巻き上げて降らせてくるバンリから逃げながら、服を掴みあってどっちが背中を見せるかで揉めるも、二人して砂を被る。
「おれがさいきょうだぁ!」
「フユミ。やるぞ」
「了」
「死に晒せバンリ!」
「ちょぉ!?」
「次の弾だフユぶはぁ!?」
「ざまぁ」
波打ち際で湿った泥を投げ合って、さっそく汚れていく。
このあとに大事な仕事が控えていようが構うもんか!
テメェら覚悟しろ!
「コーヒー豆の出涸らしみたい」
「すまんアゲハ」
「なんしょっと……はぁ。わたしもフユミちゃんと着替えてくる」
「頼む」
ひとしきり汚れたところで荷下ろししてくれていたアゲハにお叱りを受ける。
シャワー室で汚れた服と肌についた砂をなるべく落としてから、水着に替える。
汚れた服は母さんに渡して、洗って、迎えにきた時に持ってきてもらうことになった。
水着に4人揃ってアロハシャツ、パラソルの下でジュースを飲みながら駄弁って時間を潰す。
「おーいヒラクくーん!」
おれを呼ぶこの声は──。
「リンくん!」
「やぁ、きみのリアント持ってきたよ!!!」
キタキタきたー!
これがなきゃ海開きははじまらない!!!




