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結局、圭は押しきられてしまった
客A「おっ!新しいウェイトレスさんか!かわいいなあ//」
圭「…」
客B「姫百合さんもいいけど、こっちのピンク髪の子もいいなあ//」
圭「…」
もも「ありがとーございます!」
(何だこの人気…)
圭はただただ突っ立っている。
オーダーを取ろうとすると男性客に『お前じゃねーよ』的な目で睨んでくる。
もう自分はいなくてもいいんではないか、そう思うほどに。
姫百合「すごいですね!ももさん」
マスター「あの子のおかげで繁盛ですよ」
姫百合とマスターは揃ってこんなことを言う。
確かに思ったよりも大変なことになっていないし、きちんと仕事もこなしてくれている。
圭「っていうか、何で俺から距離をとっているんですか姫百合さん…」
姫百合「え?あ、あはは…。べ、別に距離なんかとってないわよ…?」
圭「だからさっきのは違うんですってば!」
姫百合「うん。そうよね!そうだよね!」
圭「そうですよ」
圭はそう言いながら姫百合に近づく。
圭「…何で後ずさりするんですか」
姫百合は圭が近づくとともに遠ざかる。
姫百合「え?そ、そんなことないよ?」
圭「…」
大変なことは起こらなかったが、大切なものを失った気がした。