第15章 ホワイトナイト
『あなたは何を望む?』
女性の声が聴こえる。
「俺は…関ヶ原を止めて…平和になれば…」
少年はそう言う。
『平和にしてどうするの?』
「平和にしたら、それで終わりだろ?」
『それで平和になりますか?』
「少なくともよくなるだろう!?」
少年は女性に対して口調が荒くなる。
女性はとことん少年の発言を否定する。
『犯罪者はどうするのですか?』
「そんなの警察が解決してくれるに決まって…」
『さあ…それはどうでしょう?』
「何が言いたいんだよ!」
『警察…だけでなく、この日本…いや、この世界が穢れていたら?』
「そんな訳ない!」
この世界が穢れている。
少年には信じがたい言葉だ。
少なくとも自分の周りにいる仲間は穢れの部類には入らない。
『何でそんなことが言えるのです?』
「それは…」
答えることができるはずだ。
はずなのだが、ハッキリとは言えない。
『あなたはこの世界が穢れていたら、みんなを殺めるのですか?』
「殺さない!」
『では、平和になりませんよ?』
「そんなことない!」
『いじめや、虐待…。それさえもあなたは見捨てますか?』
「そんな訳ない!」
そう言うしかない。
この少年の目の見えないところで起こっていることは少年には分からない。
『では、あなたの仲間が裏切ったとき、あなたは仲間を殺しますか?』
「そんな訳ないだろ!」
『あなたは世間から追い出された時、あなたの力で何もかもねじ伏せますか?』
「そんなことしない!」
『でも、あなたはその力さえ持っている…』
「えっ?」
『あなたは危険な存在』
危険な存在。
この女性は何を言っているのだろう。
「俺が…危険な…存在?」
『そうです。あなたは破壊神になれる』
「俺が…破壊…神…?」
『そう。だからあなたは消えなければならない』
「俺が…消える…?」
『そう。あなたは時の精霊として、生きるのです』
「母さん…?何でそんなこと…俺に…消えろ…だなんて…」




