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341. 大きなことを考えているようです(構想:by ジャコモ)

今月最後の投稿です。

来月も頑張れるように努力します。

よろしくお願いします。

第四章 氷雪の国と不良王子(341)

  (アンソロ編・氷樹地帯)



341.大きなことを考えているようです(構想:by ジャコモ)



「ジャコモさん、いつの間に!?」


突然現れたジャコモさんに向かって僕は思わず叫んでしまった。


「フォッフォッフォッ、ウィン殿、いつの間にもなにも最初からおったんじゃがのう。」


僕の驚きに対してジャコモさんはにこやかに返してきた。


「でもジャコモさん、【庭】に出入りできましたっけ?」

「もちろんじゃ。どうやら【小屋】の中に部屋をもっとる者は、【庭】にも【貯蔵庫】にも自由に入れるようじゃな。シルフィ殿も時々来ておるようじゃぞ。」


そうだった。

すっかり忘れてたけど、ジャコモさんもシルフィさんも2階に部屋があるんだった。

でも部屋の所有者に【庭】へのフリーパスが与えられるなんて初耳なんだけど。

自分の能力なのに本人が知らないなんて・・・・・

まぁ、自分で把握しきれてない能力の方が多いんだけどね。


「それでジャコモさん、どうして【庭】にいるんですか?」

「それはあれのためじゃよ。」


ジャコモさんがそう言いながら指差す先に視線を移すと、蛇行する川のほとりに集落らしきものが見えた。


そう言えば、フェイスさんの部屋の窓から見た時もちょっと違和感があったんだよね。

誰も住んでいないはずの【庭】になぜ集落らしきものがあるのか。


「あの建物はいったい何なんですか?」

「もちろんわしの拠点に決まっておるでのう。」

「拠点?」

「そうじゃ。これだけ広大な世界を探検するには拠点が必要じゃからのう。」

「でも、ジャコモさん一人であれは作れないんじゃ・・・」

「もちろん、従魔たちにお願いして作ってもろうたんじゃよ。」


ジャコモさん・・・・・


【庭】で好き勝手やってるのは従魔たちだけかと思いきやあなたもですか。

探検とか言ってますけど、どうせ商売の算段でもしてるんでしょう?

瞳がキラキラお金マークになってますよ。

商人ギルドの重鎮ですし、仕方ないんでしょうけど。


まぁ僕に損害がある訳でもないし、別に文句を言うつもりはありません。

いろいろお世話にもなってますし。

でも一応、僕に一言あってもいいんじゃないんですかね。


そんな小さな不満を心の中でつぶやいていると、


「そうそう、あっちの集落はシルフィ殿の拠点じゃぞ。」


そんな予想外の事実を突きつけられた。


「えっ、シルフィさんまで!?」

「シルフィ殿の場合は『従魔LOVE』じゃからのう。ウィン殿の従魔たちの活動に興味津々というところかのう。」


シルフィさん・・・あなたまで・・・・・


テイマーギルドのギルド長だし、三度の飯より従魔が好きってタイプのシルフィさんなので分からなくもないけど。

きっと僕の従魔たちを研究したくてしょうがないんでしょうね。

4つ星の魔物なんてSR、いやSSRレベルだろうし。

まぁ従魔たちに不満がなければ、全然構いませんけどね。


「ところでジャコモさん、【庭】を秘匿する必要がないとは、どう言う意味ですか?」


僕はジャコモさん登場シーンの最初のセリフを思い出してそう尋ねてみた。


「そのまんまじゃよ。誰かに知られたところでウィン殿の許可がなければ入れんじゃろうしのう。」

「それはそうですけど、王侯貴族とか、上位の冒険者とか・・・・・あと、『強欲な商売人』とかに興味を持たれて追い回されたりしたら面倒じゃないですか。」


僕は『強欲な商売人』という言葉を強調しながら反論を試みた。


「フォッフォッフォッ、この世界にウィン殿を追い回せる者などおりますかのう。王侯貴族や冒険者には到底無理じゃろうて。ウィン殿が本気を出せば、フェイス殿とて無理かもしれんのう。」


そう言ってジャコモさんは、含みのある笑顔でフェイスさんの方を見る。

一方のフェイスさんは、澄まし顔のまま何も答えない。

不可能だと答えるのが不服なのか、可能だけどジャコモさんに反論したくないのか。

その態度が肯定なのか否定なのか、僕には判断できなかった。


それにしてもジャコモさん、わざと『強欲な商売人』のところだけスルーしましたね。

諜報ギルドのエースであるフェイスさんでさえ追跡不能な僕でも、ジャコモさんの魔の手からは逃れられないってことですか?


「フォッフォッフォッ、ウィン殿、そんな怖い顔をせんでくれ。わしとてウィン殿を常に捕捉することなぞ難易度が高過ぎますでのう。」


そう言った後、ジャコモさんは表情を真面目なものに変えた。


「それにのう、ウィン殿、わしはこの【庭】が持つ可能性を真剣に考えておりますのじゃ。商売人ゆえ、商売のことも皆無とは言えんが、もっと大きなことをしたいと思おうておる。」

「もっと大きなこと?」

「そうじゃ。ウィン殿に相応しい大きなことじゃ。」


ジャコモさんが考える『大きなこと』って何だろう?

ここにジャコモ商会でも作って、【庭】で収集したものを売るとか?

あるいはここに倉庫群を建てて、あらゆる地域の商品を瞬時に運べる流通網を作るとか?


「わしが考えておるのはのう、この空間、いやこの世界に街を、そして国を造ることじゃよ。名付けるなら『ウィン国』じゃな。」


国を造る?

ウィン国?

ジャコモさん、言ってる意味が分かりませんが。


「ウィン殿、ここには従魔たちが持ち込んだ魔物たちがたくさんおるじゃろう?」

「はい、結構持ち込んでるらしいです。」

「それらは問題なく生きておるんじゃろう?」

「たぶん、そうだと思います。」

「ということは、人間も普通に暮らせるんじゃないかのう。」


確かにそうかもしれない。

でも確信はない。

そんなこと考えたこともないからね。



ガンちゃん、この【庭】って、普通に誰でも生活できるの?


…旦那、問題ない…



僕の問いかけにすぐに回答が表示された。

どうやらジャコモさんの予想通りらしい。

しかし・・・・・



ガンちゃん、上限とか条件とかはないのかな?


…旦那、上限はない。条件は旦那が自由に設定できる…



ガンちゃんから、そんな答えが返ってきた。


自由に設定できるのか。

それなら怪しい人や危ない人は排除できるな。

ルールを作って違反者は【庭】外追放にすればいいだけだし。

まぁ、星4つの従魔たちが管理する世界で、ルール違反しようなんて考えるのは、人生捨てるようなもんだろうけどね。


「ということでウィン殿、許可を頂けるかのう。とりあえず100名の枠でどうじゃろうか?」

「100名の枠?」

「そうじゃ。国を作るには国民が必要じゃからのう。」


ジャコモさん、本気なんですね。

【庭】に国を作って何がしたいのかよく分かりませんが、従魔たちのせいで既によく分からない空間になっちゃってるので、もう好きにしてください。


「ジャコモさん、了解しました。100名と言わず、自由にお任せします。ただし、条件は設定させて頂きます。」

「おお、さすがウィン殿、話が早いのう。して条件とは?」


そう訊かれて僕は改めて条件を考える。

さて、どんな条件にしようかな。


お読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。

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