38・エントラント
“ゴトッ”
『おおぉーーー!!!』
テーブルに5本の剣が並んだ。
俺のは茶の柄に黒の鞘で、よく見ると細かく渦巻模様になっていてそれが凹凸となり帯の鞘捌きが良くなっている。
小桃のは黒柄で銀朱の蛇腹の鞘だ。
レニのは黒柄で青い鞘に蝶貝が細かく散らしてある。それが凹凸になり捌きが良い。
イオリは大小の2刀だ。灰鉄紺っぽい柄に鮫皮模様の薄い鞘だ。コレは鮫皮プリントした樹脂を巻いている。
演舞競技用とは違い圧倒的に重いが、リグナムバイタの手慣らしの稽古のおかげで手首が強化されているので不安は無い。
バランスも無二剣聖が調整したのでバランスが良い。
重い事は重いのだが使いにくいと言う事は全く無い。
むしろ無理くり軽量化した物より扱いやすいぐらいだ。
「じゃあコレを登録しておくわね。稽古はこれの20%重いのでやっててね」
「今回イオリは脇差は無しだ。二刀流は稽古を重ねてからだよ。いいね?」
「はい、おとーさん!」
全日本は登録一本で大丈夫だ。何かあってもその場で登録変更が出来る。有料だが・・・
これはスポンサー達から、何本も作るのは時間とコストがかかる!っと言われたらしい。
全日本クラスになると装飾に本物の宝石を使うのだ。なので制作に時間がかかり2本も作ってられないのだ。
「あと、今日からは演武稽古は真剣を使うように」
『はい!』
「ちょっと良いかしら?」
主任がノートPCの画面をモニターに投影する。
「全日本個人・ペアの出場が決まったので報告するわね。個人戦は全部で8名。今年地方から全日本に行った6人のうち4人がペアに移りました」
「えぇ!じゃ今年上がった剣士で出るのはあたしとイオリンだけ?」
「そうなのよ、過去のデータ的にも前年度の6位までの入賞者の方が強いしね。無理だから切り替えて新ジャンルのペアに移った感じね」
「全日本ペア初代優勝者として名前残るかも知れませんしね」
「なるほど!」
「それは魅力ですね!」
「で、ペアの方なんだけど、その地方戦あがりで全日個人戦を辞めた4本人とうちと、その他から3組が申し込んだので全部で8組のエントリーね」
「あっ!」
「どうしたイオリ?」
「この“ccメロン”ってチームのコオジとユキナってお坊ちゃんとF地区2位の彼女よ」
「えっ!お坊ちゃんは剣士なの?」
「小桃さんや我々も剣士じゃあ無いじゃん!」
「彼の場合はお坊ちゃんだから一通り英才教育されてるらしいわよ」
「なるほど、お金持ちの坊ちゃんはそれなりに色々苦労があるのかもな」
「ずいぶんサボってたらしわよ?家庭教師を手ごめにしたりとか本人から聞いたわよ。偉そうに自慢してたわよ」
「それ、マジでダメダメなやつだ・・・」
「被害者多いから同情の余地なしよ!」
「そうだね」
それにしてもさすが全日本だ、スポンサーチームが超一流処がついている。
うちと坊ちゃんの他はソコシャナル・プラド・レイバトン・ゴッチ・タオール・ベルサンチョ。
なかなか楽しみになってきた!
日が過ぎるのは早く、そうこうしているうちに全日本選手権の日を迎えた!!




