強さの理由。
取り急ぎこれだけ投稿します。
今夜もう一話更新します。
魅入っていた。
人と人の戦いを。いや、片方は人と呼んでいいのかわからない。もはや人類の域を超えている圧倒的な戦闘力と、それに驕らず鍛え抜かれた肉体。
それに臆さず真っ向から立ち向かう彼女たちもまた、只者ではないのだけど。
「おまえはもっと肉をつけろ。攻撃もウェイトも軽すぎだ」
「女の子に向かってそれはないんじゃないかなっ、お父さんッ!」
叶の猛攻は、峰十郎さんには一切効いていない。それどころか、攻めているはずの叶がじわじわと後ろへ追いやられている。
峰十郎さんは指をデコピンの形にして、叶のおでこに構えた。
「まだまだ甘い、が。これくらいは耐えてみせろよ」
「えっ、ぴっ!?」
それはまるで銃声。デコピンを放った音ではない。そしてデコピンの威力でもない──ただのデコピンで人が吹き飛んでたまるか。
「きゅ〜……」
目をぐるぐると回して、ノックダウン。アキラが叶を回収して愛花に目をやる。
「愛花、素手でやるのか」
「あぁ。お前たちもそうだったからな」
普段は木刀を持ち歩く愛花が拳を構えて、ファイティングポーズ。
峰十郎さんは愛花のそんな姿を見て、またニヤリと笑った。
「がっかりさせるなよ」
「どうだかな……ッ!」
二度目の発砲音。そろそろ近隣住民の方から通報されそうだ。
愛花の拳を受け止めたその手が少し震えている。
「ほう……手が痺れをおぼえるとは、いつぶりだろうな」
「まだまだこれからだ」
愛花の猛攻は続く。残像が見えるほどの拳の素早さと、さらに威力も兼ね備えている。
木刀を使わなくても、あれほど強いのか。
そう言えば以前アキラが、愛花には叶との二人がかりでも勝てないと言っていたが、この状況を見ると納得できた。
愛花の強さは3姉妹の中でも抜けている。アキラのような気迫を出すわけでもなく、綺麗な体捌きで峰十郎さんとの攻防を繰り返している。
「ふむ……いいだろう」
峰十郎さんはなにかに満足したのか、そう呟き、愛花にとある事を促す。
「持て、木刀を。今のおまえの全力を俺にぶつけてみろ」
短いですが、ここまで読んでいただきありがとうございます!
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