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居候高校生、主夫になる〜娘3人は最強番長でした〜  作者: 蓮田ユーマ
夏休み編

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父親。

 

 木刀を手に握る愛花。

 これにより彼女の本領が発揮されるわけだが、峰十郎さんはそれにどう対応するのか。


 すると峰十郎さんは、指を一本立たせ、それを胸の前に構える。

 もしかしなくても、あれは。まさか。


「ふふ……さぁ、遠慮するな。思い切りかかってこい」

「無論だ」


 一歩大きく踏み出し、手に馴染んでいるであろう相棒を振り翳す。

 その切っ先を、峰十郎さんは受け止めた……人差し指だけで。微動だにせず、まるでその指が木刀のように堂々と。

 

「どうした? こんなものか?」

「まだまださ……!」


 受け止められた指を支えに木刀を押し付けて、反動を生かして宙に飛びあがる。空中でぐるりと回り、その勢いを利用して、かかと落としを食らわせる。


 脳天に直撃し、これにはさすがに峰十郎さんとて──


「くくく……素晴らしいぞ、愛花」

「なっ……!? ど、どうなってんの、あの人……」


 どうしてあんなものを食らって、あの程度の反応で済むのか理解ができなかった。峰十郎さんでなければ、最低でも意識を失ってもおかしくはない。


「これなら熊だって殺せるだろう」

「教えを守っていただけだ。……そうであれと私達を育てたのは父さんだろう」

「親想いの娘で感動するぜ、まったく……」


 本当に嬉しそうにくつくつと笑う。異様な光景ではあるが、これがこの家族の団欒なのだろう。

 アキラと叶も峰十郎さんを見て目を輝かせている。

 憧れのプロ野球選手に釘付けの少年のようだった。


 愛花も同様で、全力を出しても退屈しない相手と戦えることが嬉しそうだった。


「なぁ……峰十郎さんって、何者なんだ?」

  

 俺は今更ながらアキラにそんな事を聞いた。

 強く、世界を旅して回り、各国の猛獣と戦う漢。それからイメージするものなんて。


「父さんは人類最強になるのが夢なんすよ」


 予想通りだった。


「そしてアタシ達は、それらを阻止するために育てられてます」

「……どうして?」

「壁がないことは、辛い事らしいすよ、父さん曰くね……」


 対立する壁がないから、それを自ら作り上げる。

 あとから産まれてくるものたちも全てライバルということか。


 激闘を繰り広げる愛花たちを見守りながら、俺はアキラと叶に質問をする。


「二人は、峰十郎さんのこと好きか?」

「そりゃあ好きすよ。おっかないけど」

「私も! いつかお父さんを超えるようになりたいんだぁ」


 父親の事をはっきりと好きと言えるのは、なかなか難しいことだろう。3人とも、そういうところに敏感な歳だからな。


「……父さん、か」


 お(・)父(・)さ(・)ん(・)に遊んでもらっている愛花を見て、俺の口からそんな言葉が漏れ風に消えていった。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] 〇ンクスと〇空のやりとりを思い出しました。懐かしい
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