表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/33

人生ゲームを作った日(1)

 おつ☆かれ☆さま(*ノωノ)

 プログラムって簡単でしょ♪

 』


 ある日の昼。

 俺は僅か30ページ程の薄い教材――猿でも分かるC言語――を読破した。

 

 結果から言おう。

 まるで分からん。


 この本で得た情報をどう使えば人生ゲームを作れるのか、まったく想像できない。


 まぁ、まずは俺が勉強した事を紹介しよう。


 ドキ☆三種の神器

 プログラムに必要なのは、たった3つ!

 

 ひとつ! 箱!

 ひとつ! 鍵!

 ひとつ! 眼鏡!


 たったこれだけで、世界征服だって出来ちゃう☆

 』


 この本を読んでいないヤツには何のことか分からないだろうから、もう少し具体的に説明しよう。


 まず、プログラムってのは、ただの計算機らしい。

 1+1=2とか、そういうアレだ。

 この計算結果に名前を付けて箱に突っ込み、あれこれするってのが、この一週間で分かったことだ。


 int a = 1 + 1 ;


 これが箱を作る方法。

 あいえぬてぃーってのは、コンピューター語で箱を作れって意味らしい。

 原文はコレだ。


 キュアっ、プラパパ☆

 箱を作る魔法の言葉!

  ~ int ~


 マジで本を破り捨てようかと思った。

 さておき、aってのが名前で、= 1 + 1 ; てのは、まぁ感覚的に分かるだろう。

 aって名前の箱に、1+1を突っ込んでるだけだ。


 これが箱。

 次に、眼鏡だ。


 ほんとぅに箱に入ったか気になるよね?

 そんなキミに、

 眼☆鏡をプレゼントだ( *´艸`)


 printf(" %d \n " , a);


 と書いて、プログラムを実行してみよう!


 1.vim 1.cpp でエディタを開く

 2.前回と同じ手順で、mainの中に書き加える。


 #include <stdio.h>

 

 int main()

 {

  int a = 1 + 1 ;

  printf("%d \n",a);

  return 0;

 }

  

 3.g++ 1.cpp でコンパイルする

 4../a.out でプログラムを実行


 てへ☆初めてのプログラム実行が完了しちゃったね♪

 』


 指示通りにプログラムを実行したら


 2


 と表示された。

 眼鏡を使えば、箱の中身を見ることが出来るらしい。

 ふざけた教材のわりにサクサク進むから、俺は少しだけ楽しかった。


 そして最後は、鍵だ。


 どう? どう?

 プログラムって簡単でしょ(*´ω`*)

 じゃあ最後は、鍵だよ!


 printfを書いた場所ぉ|д゜)

 これからメインの中って呼ぶからね!


 メインの中を、


 char seibetu = 'M';

 if( seibetu == 'M')

    printf("%c is the parts of Man \n",seibetu);

 if( seibetu == 'W')

    printf("%c is the parts of Woman \n",seibetu);

 return 0;


 こんな風に書き換えてね☆

 キャハ♪

 ついでにcharも使っちゃった(/ω\)

 この子は文字を入れる箱だよ(*ノωノ)

 いろいろ書いて、確かめてみてね!

 』


 指示通りにプログラムを実行したら


 M is the parts of Man


 と表示された。

 いろいろ試せとの事なので、もしやと思って


 char seibetu = 'W';


 に書き換えたら、


 W is the parts of Woman


 と表示された。

 最高に天才的な俺の頭脳によると、鍵ってのは最初に作った箱のことで、正しい鍵を突っ込めば中の物を取り出せるっていう意味らしい。


「……おい、待てよ、それなら」


 この時、俺は閃いた。


 char oppai = 'AA';


 if(oppai == 'AA')

    printf("みさき");

 if(oppai == 'A')

    printf("3年後");

 if(oppai == 'B')

    printf("5年後");

 if(oppai == 'C')

    printf("8年後");

 if(oppai == 'D')

    printf("10年後");

 if(oppai == 'E')

    printf("13年後");


 なんだよコレ!?

 こんな簡単に未来予想図が作れるのかよ!?


「……なにやってだ俺、勉強ウイルスに頭やられちまったか?」


 とか言いながらも実行――って、うぉ!?

 なんか変な文字出て来たぞ!? 壊れたか!?


「すまねぇみさき、許してくれ、悪気は無かったんだ!」


 この後いろいろやった結果、'AA' が問題だったらしい。

 どうやらcharって箱には1文字ずつしか入れられないようだ。


「……ふぅ、焦ったぜ」


 とにもかくにも。

 以上が三種の神器だ。

 

 さて、ここで問題だ。


 たったコレだけの知識を使って、いったいどうやって人生ゲームを作ればいい?

 人生ゲームといえばアレだろ?

 ルーレット回して、ボードの上をクルクル周って、死ぬまでにいくら稼げるかっていうゲームだろ?


 ……ダメだ、さっぱり分からねぇ。


 さらに本を読み進めていくと、それなりに知識が増える。

 箱をいっぱい使う方法とか、繰り返す方法とか、でかい箱とか……。


 だが、どれだけ知識が増えたところで、結局は三種の神器を使っているだけだ。

 

「……とりあえず、この計算機ってのを作ってみるか」


 この本には『一緒にプログラミングしよう☆』という部分がある。

 というか、ほとんどコレだ。

 見たところ、簡単な四則演算が出来るプログラムを作っているらしい。


 良く分からないが、これを作れば人生ゲームを作れるようになるのかもしれない。


「……計算機から人生ゲームって、飛躍し過ぎだろ」


 頭を抱えながら、俺は計算機を作り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ