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閑話 夜のひととき
※本文は完全に創作になります。
実際の地名や人物、団体とは一切関係ありません。
「マルクさん、まだ起きてるんですか?」
宿の裏にあるダイニングから、
微かに灯りが漏れていた。
「おう、スフィちゃんか。
ちょっと仕込みしててな。」
鍋をかき混ぜながら、
マルクはにこりと笑う。
「これ、味見してみるか?」
差し出されたスプーンを、
スフィは恐る恐る口に運んだ。
「……おいしい……!」
思わずこぼれたその一言に、
マルクは満足そうに頷いた。
「そりゃよかった。
飯はな、誰かと食うから美味いんだ。」
その言葉に、
スフィは少しだけ考え込む。
「……誰かと、ですか。」
「おう。ひとりで食っても腹は満たされるが、
心までは満たされねぇからな。」
スフィは小さく頷いた。
自分には、本来必要のない行為。
それでもこうして“美味しい”と感じるのは、
きっと――
「……マルクさん。」
「ん?」
「また、食べに来てもいいですか?」
少し遠慮がちにそう尋ねると、
マルクは豪快に笑った。
「当たり前だろ!
いくらでも食いに来な!」
その言葉に、
スフィは嬉しそうに微笑んだ。
夜はまだ静かに更けていく。
読んでいただきありがとうございます!
今回は閑話としてスフィとマルクの
夜食のひとときを描きました。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
よければ続きも読んでいただけると嬉しいです!




