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6話 「帰る場所」


ギーク「容易い。」

彼は酒を飲んで、酒場で酔い潰れている他人を前にして、酒豪対決をする。彼の飲みっぷりに周囲は驚き、騒めく。

「へっ!何がそんなにこんな勝負に、ヒッ…く…金かけてまで勝負する必要があんだよ!!ヒッ…俺だってあんたより、まだいけるからな?」

相手はかなり酒に酔っている。

ギーク「あ?あんたが喧嘩をふっかけてきたんだろが?俺の妻が子供を持ってないからって馬鹿にしやがって!子供がいることがトロフィーじゃねぇんだよ?おやっさん!もう一杯!」


容赦のないギークは追加で酒を頼む。


「あいよ。それより、ギークさん。あんた、この村に昔からいたんだろ?他所者だからって虐めないでくれよ」

酒場のマスターの宥めの返事をギークは軽く手で会釈して、返す。相手は妻子がいることを自慢して、ギークをこけにした、この世界では、子供がいることはステータスになりやすい。何故なら、自らが大地に、命を削って贈り物をしたとする文化があり、場合によっては食べ物や祝福、それらが多く守護者様から頂けるのだ。喧嘩の好きそうなその相手は酔い潰れて寝てしまった。


「たぁくよぉ…舐め腐りやがって、お前が喧嘩ふっかけて来たんだからな?マスター!お代、俺の分もこいつに請求してくれ!勝負は俺の勝ちだからな」

ギークは潔く、店を出る。

「酒は酔わない。最高だな。むしろ健康になった。気分満開だな」


1人ポケットに手を突っ込み、歩いて、故郷に類似するような景色の故郷を彼は散策する。彼は槍を持ち、家に帰る。何故なら、彼の仕事は用心棒であり、今晩は祭りが開催される為、村を見張っている。酒は毒ではないが、良薬、身体酔いしというやつだ。


所々、先の異形の来訪者により、大破して村は復興途中であるが、水車だけは欠かさず、復旧させられた。水は大切だからだ。作物がなくては、人々は絶える。とでも言えるが、彼等は普段から、酒か植物しか食さない。何故なら、肉を食べると“調子が狂うからだ”


しかし、肉を食べたくない訳ではない。肉を美味しくないと感じる者は多くないだろう。肉は祭りなどで振る舞われる。それ以外にも、食べない理由はあるが、今夜は肉を食べる者を決める決定戦が行われる。それは負けた奴が、食べる。肉は美味しいが、食べたくない理由はある。しかし、好んで食べる人々もいる。それは英雄になりたがる奴等だ。


ユミ「おかえり!ギークぅ!また酒飲んだでしょ~」


ギーク「ああ、別に良いだろ?酒癖には定評があるんだよ」


ユミ「逆の意味で、定評があるのは不思議よね。まぁ私も酔ったことないから、逆につまんない。もっと酔えよ~」

ギークは平然と酔っていない。むしろ、酔ったことがないのだ。ユミは酒樽のある方向に走っていく。

ギーク「感謝!感謝!飲み直しだなー」

ユミ「イェーイ!私も飲む飲む!」

2人はいつも通り賑やかで、楽しく過ごすが、一つだけ全く違うことがある。それは家がボロボロなことだ。おかげでご近所さんは頭に血が昇り、2人の空間に入り込めず、ムカムカしていた。

「あの夫婦、お盛ん過ぎて気色悪いし…あーもう誰か注意してくれ…」

独り身の近所のおじさんは狼狽えるが、無理やり庭仕事に集中する。


景色はいつもの夕どき手前となり、昼間から酒を飲んでいたギークとユミはすっかり、酔い潰れているような感覚になり、バテているがお互いに酔っているのである。

ユミ「ねぇギークぅ…家どおする?かなりお家ボロボロであそこ穴空いてるし、天井は空いてるし、壁しかないよ?」


ギーク「マジでどうしような」

2人は暫く考えるが、

ギークとユミ「ま!なんとかなるか!」


お気楽だった。


ユミ「それにしても、この前の怪物を倒すための杖、あれ貴重なんでしょ?何で私達なんかに1本ずつ配られるのか不思議ー!」


ギーク「あれ?そんなに貴重なの?結構他の人も持ってたじゃん」


ユミ「あれ他の人は後から勇者のソラ様が回収したらしいよ?37本くらい?何本か忘れたけど、50本くらいあったんだってね。」


2人は少し引っかかることが多く、首を傾げて話をする。


ギーク「そんなにあったか」


杖、それはこの前の厄災、「共鳴の荒者」と二つ名持ちの天から降って来た異形の来訪者に付けられた呼称だ。ギークとユミは互いに用心棒として、長年この集落に支えているが、あの規模の怪物の来訪は息が苦しくなるくらいだ。2人は目に少し光をなくす。


蒼き瞳、天の住民が住まうと言われている星が、相変わらず、太陽に寄り添っている。太陽も相変わらず、大きく照っている。それが、沈みかけている集落の者が次々と祭りに向かう楽しげな声が聞こえてくる。



あの、蒼き瞳が沈みゆくが、彼等の故郷は果たしてこの大地なのか?花が咲き乱れて、一面を美しく彩り、


祭りは始まろうとしている。

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