何だかんだと無双ゲーも悪くない。ただし無双される側にはなりたくない
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NPC:【二代目テンライ】ティアラ
LV.80
JOB:ギルドナイト(LV.50)
SJOB:鍛冶師(LV.30)
HP:100
MP:500
STM:100
STR:90
AGI:270
TEC:200
VIT:90
LUC:100
スキル
・ミラージュステップ
・境界跳び
・竜神剣舞:魔
・竜神剣舞:呪
・天眼柔術
・朧月
・竜炎
・神雷
・エンデュアーアジリティLV.MAX
・エンデュアーテクニックLV.MAX
・鑑定LV.MAX
魔法
・鍛冶魔法LV.MAX
・エレメントブラストLV.8
・炉剣砲
呪術
・鍛冶呪術LV.MAX
・エレメントトラップLV.7
装備
黒耀の剣
頭:継承者の耳飾り
胴:ギルドナイトアーマー(軽装)
腕:ギルドナイトアーム(軽装)
腰:ギルドナイトベルト(軽装)
脚:ギルドナイトレギンス(軽装)
アクセサリー:契りの指輪
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いや、強くない? NPCのステータスはプレイヤーのものとは若干違いそうだなぁと思いつつティアラのステータスを確認したらこれだよ。とんでもないステータスだよこのエルフ。俺がこの領域に足を突っ込むのはいつになるのやら。俺は叡淵のテンライ戦で獲得したポイント112を筋力、敏捷、技術に放り込んだ。お蔭で筋力は75、敏捷は210、技術は119だ。……意外とすぐかもな。いやでもどうだ……? 同じLV.80なのにこうも差がついている……でも合計レベルもあるから……ううむ……
「アオヘビさん? お体の具合が悪いのであれば今日はお休みした方が……」
「ああいや大丈夫だ……よし、切り替え完了」
うん、そもそもティアラはギルドで色んな職業についているわけだし? この先俺がサブとかメインを切り替えてステータスを割り振り続ければ、間違いなくステータスはティアラを超えるわけだし。切り替えて頑張っていこうじゃないか。
というかステータス画面とか見やすくなったな。これは神アプデだ。
「そういやティアラ、サードグロリオとフォースグロリオの間って何がいるんだ?」
「サードとフォースでしたら、ゴーレムですね」
「ゴーレム」
そりゃあ何ともファンタジーな存在が出てきたものだ。鶏キメラ、アルマジロ、巨人スライムと来てゴーレムか。あの霊碑の近くにいるハウリングビーよろしく、巨大昆虫がボスだと思っていたんだが、どうやら違ったようだ。
「霊碑の方からも一応街には行けますよ」
「ほほう」
「この場合はセブンズグロリオに辿り着きます。ただ、その道を行く場合、ハウリングビーの他にも強力な昆虫モンスターと戦うことになりますね」
ああ、スキップ機能付きなのね。その代わりちょっと難易度が高いと。そっちもちょっと気になるが、今回はフォースグロリオに向かうと決めているので、そちらはまた次の機会にしよう。にしてもハウリングビーかぁ……花摘みさせてくれたやつと同じ個体だったらちょっと心苦しいな。だが戦うなら倒す。
新しいスキルの効果検証もしながらいざフォースグロリオへ……と、行きたいところなのだが……どうにも違和感というか、何というか……うん、違和感じゃないわ。これ視線を感じるんだわ。こう……「なんだあいつ」という視線ではなく、「もしかしてあいつがそうじゃないか」、「多分あいつがそうだな」みたいな視線と、「こいつ何でティアラと一緒に歩いてんだ」、「は? 殺すぞ?」みたいな嫉妬と憎悪とその他色々な感情が込められた視線が俺に突き刺さっている。
ううむ……なぜこうも視線を感じる。どうしてこうも視線を向けられるのだ。誰かに晒された? いやそんなに仲良くなったやつはいないし……ソフィア達はそういうことしないし、ローニンやシャコフィストもそういうことをするようなやつではないだろう。
「まぁいいか……ティアラ、行こうぜ」
「はい」
別にそういった視線を向けられることが珍しいわけじゃない。別のゲームじゃソフィアと一緒に遊んでいる時によく向けられていたし。何かあるなら直接言えよと思うところはあるが、直接言われても知るか馬鹿がとしか言えないので話しかけてこないでほしいと思うところもある。
ちなみにソフィアは鈴音姉さんが参加するというダンスイベントのあれこれについての打ち合わせでログインできないそうだ。
ヘイズは大学のバレーボールサークルの活動があるので、一週間ほどログインできないと嘆いていた。
フラウヤは実家がちょっとごたごたしているので、五日間程度はログインできないと言っていた。
俺は普通にフリーなので今日も今日とてリヴラインにログインして遊んでいる。ふははは、羨ましかろう、と煽ったらソフィアからは予定表を見せられ、ヘイズからは拳骨を一ついただき、フラウヤからは同人誌を観賞用保存用布教用三冊寄こしてやると言われた。地獄か?
「そういえばアオヘビさん、言い忘れていましたが、フォースグロリオに続く道は『古遺跡の大渓谷』と呼ばれています」
「古遺跡かぁ……何か古代の遺物とかゲットできそうな名前だな」
「ご明察の通り、遺物がいくつも発掘されていますよ。ギルドの調査においては確認できませんでしたが、大戦に巻き込まれた人類が使っていた武器がいくつか眠っているとか」
「マジ?」
それはあれではないか? ファンタジーを消し去るアーティファクト的なサムシング、SF系装備はあり得ないとして、銃みたいな何かが発掘される可能性があるということではないか? やべぇな、発掘調査に乗り出したくなってきた。
「その武器ってどんなのって情報はあるのか?」
「そうですね……ただ、こう、長い筒のようなものだったとは聞きます」
うおおおおお……!! マジか! この世界にも銃がある可能性が出てきたぞ!! 本格的に発掘調査に乗り出したくなる思いが溢れてくるが、発掘調査に乗り出すのはせめてうちの考察筆頭フラウヤがいる時じゃないと、色々と考察要素が出てきた時に頭を抱えることになる。我慢だ俺。
「探しますか?」
「いや、攻略優先よ。目指せフォースグロリ――――」
「アオヘビだな?」
知らない声が聞えた気がしたが、気のせいだ気のせい。なのでさっさとフォースグロリオに向かってしまおう。知らないやつにはついて行っちゃダメって両親に教わったからな。
「ボスがお前に会いたがっている。ついてきてもらおうか」
「ティアラ、アイテムとかって何か補充する必要あるか?」
「そうですね…………マナポーションが少し少ないですが……問題ないかと」
「んじゃそのまま行くかぁ」
何やら後ろから強い視線を感じるような気がしなくもないが、気のせいだろう。
「……力づくでもいいと言われている。来てもらうぞ」
「それを聞いて誰が行くかよヴァアアアカッ!!」
「っ!?」
ガシャガシャと重たい鎧の音が聞こえていたので、敏捷をあまり振っていないプレイヤーと判断したがやはりそうだったか。走り出した俺とティアラについて来れていない。走り出す瞬間にチラッと見えたあの重鎧を着たザ・タンクといったプレイヤー、明らかにサードグロリオにいるようなプレイヤーではないが、こちとら敏捷三桁200代じゃ。
それにしても、なぜ俺に声をかけてきた? 考えられるのはカレイドモンスターの撃破が盛大に発表されたことか? でもこのゲームがそんなことをするようなゲームか? それともティアラと懇意にしていることがどこからかバレて、リヴラインに潜むエルフスキーやティアラファンクラブなる者達からのヘイトを買ったか。フラウヤからの情報で性癖に正直すぎるせいで常に暴走気味な集団がいるとは聞いているが、その類が俺の何かを狙っている……いや、でもなぁ……だったらソフィアを問い詰めた方がまだ可能性がある気がするけどなぁ……結局、俺はソフィアが発見したクエストに便乗しただけだし。
それとも、PKクランが俺が持ってるアイテムか何かを狙っているとかだろうか。そうだとしたらローニンとかシャコフィストを召喚したい。欲を言えば両方召喚したい。PKにはPKに対抗できるやべーやつを召喚して叩き潰してもらおう。俺はPvPもやるが、PvEの方が楽しいと感じる人種なんだ。芋デスとBMWは除く。あれはPvPとPvEを超高速で反復横跳びすることで生を実感するゲームだから。
「ティアラ、このままフォースグロリオに直行したらどうなると思う?」
「十中八九待ち伏せされているかと」
「ああ、だろうな」
そうだよなぁ……あんな高レベルそうなプレイヤーが俺を捕まえようとしていたってことは、きっと待ち伏せされているんだろうなぁ……いや本当に何でだ。
「ティアラ、ギルドで何か知らないか? 俺がこんなに追われてる理由とか」
「解放者の皆さんの情報は盗賊ギルドなど専門なのですが……私はこれまで消化していなかった有休を消化中なのでギルドで仕事をしたのは先日まででして」
有休なんてものがこのゲームにも存在するらしい。社畜なギルド職員とかもいたりするのだろうか? ワーカーホリックの可能性があるティアラ以上の社畜が。
そんなことを考えながら壁を蹴ったり、壁を走ったり、踏み台にしながら入り組んだ道を進んでいると、考える素振りをしながら走っていたティアラが何か思い出したように顔を上げる。
「そういえばギルドに保管されている偉業の石碑に皆さんの名前があったような……」
偉業の石碑と言われて思い出すのは、チラッと確認した掲示板の内容。色んなところにある多種多様なギルドには、偉業を成し遂げたプレイヤーが現れた際にそれを記録する石碑があるのだと。その石碑は誰でも簡単に確認できて、内輪で自慢するもよし、ネットで写真を上げて自慢するもよしとかなんとか……
「カレイドモンスターの討伐って、その石碑に刻まれる?」
「無論です。竜殺し、神殺しなどと並ぶほどに、カレイドモンスターの討伐ほど偉業されるものはないでしょう」
「………………………それが原因じゃねぇの?」
「………………………その可能性は高いかと」
「「………………………………………」」
お互いの顔を見合わせてはいないが、この時の俺達は、お互いげんなりとした表情を浮かべていたに違いない。……よし、切り替えよう。
「で、だ。どうやってこの街を抜けるよ?」
逃げに逃げて、サードグロリオの中でも入り組んだ路地裏、木の箱や樽によって死角が多い場所にて、周囲を警戒しながら作戦会議を行う。あの鎧の人以外にも俺やティアラを探している連中がいないとは思えないからな。
「そうですね……一番早いのは強行突破ですが、あまり推奨できませんね」
「おう、だろうな」
流石に数の暴力に挑むのは御免被る。ウォーローグみたいなオーバーテクノロジーな装備があるのなら話は別だが。
「隠密も可能でしょうが、これも難しいでしょう」
「俺隠密スキル持ってねぇ」
「私もです」
じゃあどうやってこの状況を打破するんだよって話になってくるのだが、一番可能性があるのは隠密行動だ。待ち伏せされている場所にわざわざ突っ込んで、強行突破なんてできればやりたくない。穏便な暴力とは数の暴力を覆せるレベルの暴力を有している人間だけができる技だ。だからこそ隠密が有効なのだ。プレイヤーネームを隠せる何かがあればいいのだが……そういったアイテムがこのゲームにあるのかは疑問だし、あったとしてもこんな序盤の街に売ってはいないだろう。
「どうにか宿に戻ってほとぼりが冷めるまで立てこもるか……?」
「本末転倒では?」
「冗談だよ」
だが、どう考えても隠密の方法が思い付かないしな……強行突破は絶対に失敗する予感がするんだ。………………マジでどうしよ。
「うーん……何かに入って門を通過するとか……?」
「私達を入れたまま動けるのは馬車くらいですが……」
「じゃあ僕が背負うってのはどう?」
「「ッ!?」」
驚きのあまり、俺とティアラがきゅうりを見た猫のように飛び上がる。飛び上がり、バクバクと心臓が跳ねているのを感じながら、その声がした方向を見ると。
「や、アオヘビ。こっちだと久しぶりだねぇ」
凄まじい重量であろう巨大なハンマーと巨大な大剣を背負っている軽装の青年が立っていた。ザ・優男な外見の天然パーマっぽい髪型の青年、重量過多にしか見えない装備。その声や装備、顔に俺は見覚えがあった。
「……ラザニ!?」
「正解。困ってそうだから、ちょっと探してたんだぁ」
ゲーム仲間成人組の一人、ラザニ。ラザニアが大好物だからラザニという名前という単純な名前の付け方の彼は、重量過多な超脳筋ビルドを好む奇特な青年だ。
「アオヘビさん、お知合いですか?」
「ああ、うん。俺達はよく七人で遊んでるんだけど……」
「その七人の一人だよぉ」
ぼんやりとしていそうな声音の青年がヒラヒラと手を振るのをティアラは訝しげに見て、俺を見て、ラザニを見て、俺を見てを繰り返し、一先ず害はないと認識して小さく息を吐いた。
「それで、私達を背負って行くというのは?」
「ん~? そのまんまだよぉ。僕が二人が入る大きい壺を背負うでしょぉ? そのまま街を出るんだよぉ」
「はい?」
「ああ、なるほど……」
俺がラザニと出会ったゲームにおいて、ラザニは巨大な壺を背負って大量のアイテムを運びながら、筋肉に物を言わせて邪魔するモンスターもプレイヤーも蹴散らす超脳筋ビルドの権化であった。恐らくあのゲームと同じようなことをリヴラインでもやるというのだ。
「ちなみにラザニ、筋力いくつ?」
「400だよぉ」
相変わらずの脳筋で笑っちゃうぜ。
契りの指輪
永遠の契りを約束するための指輪。
何の変哲もない、ただの指輪だが、どうにも手放せぬ魅力がある。叡淵のテンライがその娘に形見として渡したその指輪を互いの指に通すことで比翼の鳥、連理の枝となれるという。その指輪を付ける資格があるのは、隣を歩む者だけだろう。
アオヘビ
LV.80
JOB:戦士LV.MAX
SJOB:鍛冶師LV.10
9000ギール
HP:35
MP:37
STR:75
AGI:210
TEC:119
VIT:5(15)
LUC:20
スキル
・バーストステップLV.MAX
・スカイウォークⅣ
・ドラゴンロアⅤ
・バーストランサーⅦ
・反転斬りⅣ
・スパイラルバーストⅦ
・シールドバッシュ
・パリィングカウンターⅨ
・エンデュアーアジリティⅧ
・エンデュアーテクニックⅧ
・草原狩り
・竜炎
・神雷
・ソウルデコイⅠ
・ブラッドコンバート
・中毒耐性Ⅰ
・ランナーズハイ
魔法
・鍛冶魔法Ⅲ
呪術
鍛冶呪術Ⅳ
装備
ドラゴスパイク
呪毒の槍
頭:道化の仮面
胴:洞窟の胴鎧
腕:洞窟の手袋
腰:戦士の腰布
脚:洞窟のレギンス
アクセサリー:無し
五人目、脳筋参戦。




