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エピローグ
街の片隅に、ひっそりと薬屋が新しく暖簾を出した。
その店は、魔女の薬に負けず劣らず効くという評判がじわりじわりと広がり、やがてひっきりなしに薬を求めて客が訪れる繁盛店になっていった。
店主は、この辺りでも珍しい淡い色彩の美しい女性で、邪な者が押し寄せそうなものだがそのようなことはなく、心から快癒を願う人達で賑わっていた。
中心から外れた場所に人が集り、ささやかな諍いはあっても、店の周辺は領主の館なみに治安が良かった。
何故なら……店主の伴侶は騎士だから。
どこよりも目を光らせ、職権乱用とばかりに同僚や部下に重点的に警邏させていた。
街の人々は笑う。
まるきり過保護な騎士様に囲われた魔女のようだ、と。
【かつて、この街の森に魔女が棲んでいた。
300年に亘り街と共にあった魔女は、ある日訪れた迎えの者と連れ立ち、何処かへ去り行く。
その森に魔女が居た訳は、ただ人を待つためのみ、であったと伝えられている。
魔女の恩恵とは、かくも儚きものである 】
領主の記録に、そんな一文が記されているとか、いないとか。
番外編を構想中ですが、ここで一旦完結済みに致します。
だらだらとした駄文にお付き合い頂きました方々には、心より深く御礼申し上げます。




