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レコードの疵
短いです。
彼女は繰り返し夢を見る。
子どもに囲まれた彼。
笑った彼、怒った彼、困った彼。
少し拗ねている彼。
そして、熱の籠もった茶色い瞳で甘く見つけてくる、彼。
最近は、蔑まれ忌避の瞳で射られる夢を見なくなった。
生活基盤が得られなくて、木の根を齧る夢を見なくなった。
寒さに震えながら辛うじて雨露を凌ぐ夢を見なくなった。
そして、『翠の獣』に裂かれる夢を見なくなった。
でも、
と彼女は心の中で呟く。
この安穏とした夢を貪れるのも、あとわずか。
また、浅い眠りの日々が訪れる。
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