7 共通点
あいつは突然俺に言い出したんです。
一連の事件のあの7人の犯人達には
何か共通点がある筈だって。
過去にどこかで出会ったり共同生活
してたんじゃないかって。
それも予想とか予感って感じじゃ無くて
絶対そうに違いないって感じでした。
普段から仕事熱心な奴でしたが、
あの時のあいつは熱入りすぎというか、
冷静さを失ってるような印象は感じました。
いつも冷静なあいつにしては
様子がおかしいなと思いましたね。
もう一度俺達良く調べてみたんですよ。
データベースであの犯人達の共通点を。
そしたら気付いた事があったんです。
あの犯人達は全員統合失調症を患ってるのは
分かってたんですが、
全員が同じ病院に通院してる事が分かりました。
△△精神病院と言う所でした。
それと同時に部屋から見つかった
小型スピーカーの入手経路や販売経路から
購入した人物の情報が分かったんです。
その人物は△△精神病院に精神科医として
勤務してる事が分かったんです。
もうこの病院に答えがあると
誰もが思うに決まってますよね。
俺と相棒はすぐにその病院に行きました。
でも相棒はその時どう思ってたか分かりませんが
俺は、何か話がうまく行きすぎてると言うか
まるで犯人がその病院に居て
まるで捕まる事を恐れてないような、
逃げる気も最初からないような、
そんな印象を受けたんですよね。
相棒は異常に焦ってる感じはありました。
冷静さを失ってるような感じを受けましたね。
俺と相棒は△△精神病院に着いて
スピーカーを購入した人物と対面しました。
そいつは眼鏡をかけて、やせ形の長身の
男でした。
相棒はその男に質問をして行きました。
その時のやり取りを会話形式で書きますね。
この方が伝わりやすいと思うんで。
相棒
「□□さんですね、二、三聞きたい事が
あるんですが、ご協力願えますか?」
□□
「・・・構いませんよ」
相棒
「一か月ほど前に小型のスピーカーを
7個ほど買いませんでしたか?」
□□
「・・・ええ、確かに買いました」
相棒
「何に使ったのか教えてもらえますか?」
□□
「今更聞きますか?それを、私に。
貴方もとっくに気付いてるから
ここに来たんじゃないんですか?」
相棒
「・・・質問を変えますね」
(7人の犯人達の写真を見せて)
「この人達に見覚えはありますか?」
□□
「はい。彼らは全員、私の患者です」
相棒
「何だって?」
□□
「正確には患者だったと言うべきですかね。
貴方達が逮捕したのでもう来ないですから」
相棒
「この7人の事件について
何か知ってると言う事で間違いないですか?」
□□
「ええ。間違いありません」
相棒
「□□さん、任意同行願います。いいですか?」
□□
「診察が終わるまで待っていただけますかね?」
俺と相棒は□□の診察が終わるまで
待つ事にしました。患者を抱えてる医者を
連れて行くのはさすがに問題あるし、
被疑者も逃げる様子も全く無かったですからね。
そう、全く逃げる様子は無かったんです。
俺達刑事が二人で会いに行っても
終始落ち着いて、
動揺する感じも無かったんです。
俺も刑事なんで表情とかで判るんですけど、
あの感じは、捕まっても構わない、
何か切り札とか隠し玉を用意してるような、
そんな感じでしたね。
□□が仕事終わって待ってる俺達の方に
向こうから来てくれたんです。
そしてあいつは言いました。
□□
「行きましょうか。・・・それにしても、
遅かったですね。てこずりましたか?」
□□はまるで俺達を待ってたように、
ゲームを楽しんでるようにそう言ってました。
そいつの声は普通よりも細い声で、
とても冷徹な冷たい印象の声でした。
つづきます




