22.オリンポスに登る① アタック隊編成(アンヘル モレーノの寄稿)
アンヘル モレーノです。外構関係の建設を担当しています。
ダニエル君が私を指名した理由は、まずはこれですよね。
「とりあえず、アタック隊のメンバーどうすんの?」
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考えてますとも。
まずは土木建設部の外構担当から2名。これはケーブルの固定と変電器などの設置を担当します。
それから重機と輸送車の運用担当から3名。
あとヴォロディミル君。整備士がいないとね。よろしくお願いします。
そして電源担当に1名。ケーブルや機器の接続と発電施設等の調整・運転。
最低限これだけは必要。計7名ですね。
あとは全体を見る現場監督。この人は何かあった時の交代要員も兼ねるので、何でもできる人を1名。
ということで、計8名。
少ないようですけど、これだけの人数を酸素と食糧つきでオリンポス山中腹まで送り届けないといけない。約100kmは短いようで、作業をしながらの登山(?)だから時間はそれなりにかかる。
だから、持っていく機材と車両の準備も結構大変。酸素と食糧も。今のところ往復4泊5日を予定しています。宿泊はコロニー外構工事用の移動式簡易家屋を持っていきます。
そうだ電源はどうすんの?っていう話。これについては、「フライング・ボビン」が敷設したケーブルの麓側の端を、コロニーの蓄電器につないで、中腹の発電施設にたどり着くまでは、コロニーから車両や簡易建物へ電気の供給ができるようにします。
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さて、気になるアタック隊のメンバーは?
今の所、私の独断による勝手な選出です。本人とは後ほど対面で交渉させていただきます。
★ケーブル等固定・設置担当:ナガオさん、スミスさん。
★重機操縦、輸送車運転担当:シュミットさん、コヴァチェヴィッチさん、ミカンヤマさん。
★整備担当:イヴァネーンコさん。
★電源機器担当:李さん。
★現場監督:オオタさん。
これらの人選と並行して、機材の準備も進めないといけません。
国際火星開拓機構全体を挙げての大プロジェクトです。これが実現できるかどうかで、将来火星に人が永住できるかどうかも決まってくる。それくらいの事業になります。
あ、それから。
作業の間の地球の機構との連絡役は、火星側が管理部の大アルバートさん。地球側はなんと、リトル・アルバート!
彼、あれからだいぶ怒られて、しばらく担当を外されていたようですが、きっちり反省したようなので、今回の「オリンポス計画」から連絡役に復帰となりました。
みんな、石を投げたりしないようにね。ホントに反省したそうだから。リオコさんも許してくれるって。
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では次は、コロニー側で機材その他の準備を進めることになった、アルベルトさんに。
って、Albertが3人もそろうとはね。




