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The RODEO with MONSTERS  作者: 将門来復
雪原の覇者
19/21

2 学友?

俺は出来合いの材料を取り出してさっそく昼食の準備をする。ハヤテだけでなくソフィアの好機の視線もビリビリ感じるんだなぁこれが。


「へい、お待ち!」


「これなぁに?見たことないわね。美味しそうなニオイはするけど。何よ、その2本の棒で食べるの?」


「これはラーメンという食べ物です。音を立ててすすって食べます。ソフィアはそのフォークでも使ってくれ。ふぅ、ふぅ、ずぞぞぞ。うまい。」


「いいえ、この棒に挑戦するわ。これ母さんに知られたら、まちがいなくぶっ叩かれるわねぇ。ずずずず。もぐもぐ。あら?おいしい。これは肉なのかしら?味が染み込んでいて、柔らかい。何なのこれは?」


「自家製チャーシューです。本当は豚肉を使いたかったけど、牛肉をじっくり煮込んで作りました。この世界にタコ糸があって良かった。」


説明はしたもののソフィアはもう聞いちゃいねぇや。箸と格闘しながら夢中で食べてらぁ。


「ユーキ、チャーシューおかわり。」


「ハヤテ、今のでチャーシューは最後だよ。お前、チャーシューしか食わないからもう無くなっちまったよ。」


「ガーン・・・。もう無いのか?」


「鹿肉で我慢してよ。今だすから。」


「うむ、じゃあ次は鹿のチャーシューだな。」


「え?鹿でチャーシューなんて作りおきしてないよ。それうまいのか?やったことねぇや。」


「ガガーン。まぁ・・・たまには生鹿もいいか、もの足りない気もするけど。」


鹿でも作ってみるか。というか、その前に豚でしっかりとしたモノを作るのが先な気がする。おっと、何やらソフィアがじっと見てるな。何か気になることでもあるのか?


「もしかしてアンタたち話してるの?」


そうか、マリーも驚いていたっけ。そらそうだ。


「いかにも。俺はハヤテと話すことができるんだが、生まれつきの能力ってワケじゃぁないんだ。俺が魔物と話せるのはクロヴィウスの遺品であるこの指輪をハメてからなんだよ。それ以上のことは俺にもサッパリわからん。」


「なるほど、指輪の力なのね。意思疎通の能力が付与された魔道具ということかしら。」


よかった、ひとまず納得してもらえたようだ。異世界転生者の俺に説明を期待するんじゃないよ。


「俺は魔術の基本も習ってないから全部感覚でモノを言っているんだからな。もしかすると原因は他にあるかもしれないから、そこはソフィア自身で斟酌してくれよ。ただ俺が思うに、ハヤテとの意思疎通も何らかの魔術なんだろうなぁ。」


この世界の文字や言葉を媒介しているのも指輪のはずだ。そもそも指輪を身につける前は魔物どころか人間とも話せなかった。俺が異世界からの転生者であることは伏せておきたいからこれだけは秘密にしておこう。この国では呪いで姿を変えられた元人間という設定で通ってるしな。


「こんなのを作れるなんてクロヴィウスは錬金術も究めていたということね。果てしない天才だわ。」


「指輪だけじゃないんだ。調理器具や水道、暖房、風呂にいたるまで全てソフィアの言う魔道具なんだ。俺が思うに、指輪からエネルギーを供給しているんじゃないかな。」


「ここにある全てが指輪と魔力連動しているのね。そのことですら驚きなのに、万能の指輪が吸収されて消えるなんて。もはや仕組みすらわからないほどの技術よ。ユーキが話したがらない理由も何となくわかったわ。こんなこと他人に話したところで説明できないし、理解してもらえるはずもない。」


「ふふふ、こんなにすんなり理解してもらえるなんて思わなかったよ。なんだろう、胸のつかえが取れたような気がする。」


「それは良かったじゃない。ユーキの良き理解者であるソフィアさんに感謝なさいな。で、私の部屋はどこ?」


「お前本当に住む気なのかよ?まぁいいか、空いてる部屋はいくつもあるし。でも寝床がなぁ・・・。来客用の寝具くらいは用意してやるか。じゃあ俺は王都に行ってくるわ。」


「私も行くわ。」


「長々と大店のお嬢様の買い物につきあう気はないぞ。」


「えーっ!王都なんてなかなか行けないんだから、ちょっとはつきあってよ。」


「用事を済ませたら久しぶりに家でゴロゴロして過ごすんだ。風よりも速く王都に向かって、流星のごとく帰るんだからな。」


ーーー


「ユーキ、何か食べて行くか?」


「さっき食べたばかりでしょうが。もう王都一周食べ歩きの旅はしないからな。あれ?そういやぁソフィアはどこに行ったんだ?」


ソフィアめ、出がけに伝えた俺の固い意志を理解していないようだな。ったく、どこほっつき歩いてるんだよ。

俺が買い物を済ませて店を出たところ、遠くに何人かの少年たちとソフィアがいっしょにいるのが確認できた。


「もう、あんなところで油売ってるよ。しょうがないやつだなぁ。ハヤテ、迷子を迎えに行くよ。」


「ソフィアは世話が焼けるなぁ、ユーキ。」


しかし、ソフィアは王都に知り合いでもいるのか?ここからじゃよく見えないが、何か話してるみたいだ。


「待てよ、特待生。のこのこ王都に戻って来たのか?」


「違うだろサイナス、「元」特待生だ。いや、魔導学院を逃げ出したのだから落第生が正しいのか?」


「はっはっは、こりゃあ傑作じゃないかシュタイン。俺としたことがとんだ間違いをしたものだ。」


「一度も成績で上回ったことがないのに相変わらず口だけは一人前ねぇ。ロクな実力も無い裏口入学組は人生楽でよろしいこと。」


「何だとソフィア!もう一回言ってみろ!」


「あらぁ、図星を突かれて怒らせてしまったのかしら?親のコネでねじ込んでもらえて良かったわね、私はそう言ったのよ。頭が悪いあなたたちにもこれで理解してもらえたかしら?」


「平民のくせしやがって、このアマ!」


激昂したサイナスはソフィアの服をつかむと、身体ごと力まかせに地面へと引き倒した。


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