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口実
兄と夜電話していた
なぜ会いに来ないかと奥さんに聞かれたそうだ
「お前が癌でって話していいか」と聞かれた
それは違うのではないかと思った
「毎日見舞いに来てて行く暇もないと言うなら分かるけど、違うよね」
癌であることを知られたくなかった
数日後、姉の旦那さんから連絡があり相談なら俺が乗る
マキちゃんは入院中だと言った
それからどうなったのかは誰も教えてくれず気になっていた
手術の同意書にサインする
万が一手術で亡くなっても意義はない、そんな感じだった
もし手術に向かい、そのまま死んでしまうとしたら、それが最後の日になる
手術の日はきて欲しいと家族全員に伝えた
隣の子は手術を終えた
もう一人隣のおばあさんも手術だった
次は私の番だ
噂の下剤がやってきた
何分ごとにコップ一杯飲んでください
飲み残しはダメです
と言われた。
まずは飲んでみる
ウワッ!なんだこれ!
口に入れる味ではない
まるで絵の具を溶かした水を飲んでいるようだ
制限時間の10分以内に飲みきれない
飲み終えても休憩無しに次のもう一杯がくる
飲みっぱなしだ
決められた時間になったが、飲みきれない
時間は過ぎてもいいから飲んで下さい。便が残っていると手術中に困ると話していた
頑張って飲みきった
こんなもの二度と飲むかと思った




