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物語ノ余白  作者: 丹夢
非日常のある日々
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40/40

40. 夜

 彼女は深夜の田舎道を歩いていた。

 今日は予定より何時間も遅くなってしまい、こんな時間になってようやく帰ることができた。

 幸い、この辺りは街灯が比較的多く、怖くて歩けないほどではなかった。

 「えっ?!」

 彼女は気づいた。

 夜の街でよく見かける、あの背の高い黒い影たちが、少し離れた場所に集まっている。

 その黒い影たちは、激しく身体をくねらせていた。

 あまりにも奇妙な光景だったので、彼女は表情を強張らせ、何も見ていないふりをして足早にその場を通り過ぎようとした。

 周囲が次第に暗くなっていく。

 彼女は、何かが背後からゆっくりと近づいてきているような気がした。

 そのとき、澄んだ鈴の音が一度だけ響いた。

 その瞬間、周囲のすべてが元に戻った。

 あの黒い影たちも、跡形もなく消えていた。

 「お嬢さん、夜道は危ないから、早く帰るんだよ。」

 年老いた、どこか温かみのある声が、彼女のすぐそばから聞こえてきた。

 彼女は一瞬呆然とした。

 振り返ってその人に礼を言おうとしたが――彼女の後ろにあったのは、一体の石像だけだった。


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