第80話 不正の証拠②
ギュジットは青ざめる。
「ハァハァ。誰かは知りませんが、この取引の証拠を渡す訳にはいきません。ハァハァ。」
「なら、ここでお前には不本意ではあるが死んで貰うしかないか。俺は悪は許せない性格なんでな。」
俺は天高く黒影切を振り上げる。
「ヒッ......! 待って......! 待ってください! ハァハァ。」
ギュジットは蒼白になった顔から噴き出す様に汗をかき全身をガタガタと震わせていた。
「どうした? 素直に渡す気になったか?」
「ハァハァ。そ......それは......。」
「なら、黒影切の錆になって貰うとしようか!」
俺は今度こそ全力で振り下ろそうとした瞬間、
「わ......渡しますううううう! ハァハァ。」
俺は黒影切の刃をギュジットの首元でピタリと止める。
「初めからそう言え。さっきの木版を渡してもらおうか?」
「ハァハァ。分かりました。ただ、条件があります。」
「条件? お前は条件なんてつけられる立場に無いだろう?」
「ハァハァ。違うんです! これを貴方に渡したことが、アル様にバレた時、護って欲しいんです。ハァハァ。」
「何故俺がそんな面倒な事をしなきゃいけないんだ?」
「ハァハァ。それは、この木版に刻まれた言葉の効力は私の契約の技能によって作り出したものだからです。私が死ねば、この木版は証拠能力を失います。ハァハァ。」
「なるほどな。つまり、この木版を失ったことがアルにバレた場合ギュジットが殺される可能性は高いな。」
「ハァハァ。ええ。ですから、ワタクシを護ってください。アル様はワタクシを殺す実力はあります。ですから、貴方を倒すことが無理だとわかれば必ず私を狙ってくるでしょう。ハァハァ。」
俺は条件を飲むことにする。ギュジットが死んで木版が証拠能力を失うのは絶対に避けなければならなかったのだから。
「少々面倒だが、まあいいだろう。その木版が必要無くなれば、護衛はやめるぞ。」
「ハァハァ。構いませんよ。ではこちらを。ハァハァ。」
ギュジットが木版を差し出す。
俺は受け取る。
その後俺は木版の契約の確認方法を聞き出し、しっかりと発動する事を確認する。
確認を終えた俺は俺の分身をギュジットに3人つける。俺の分身は俺の容姿そっくりなので、勿論気配遮断を使っておく。
「じゃあな。」
俺はそれだけ言うとその場を立ち去った。
(チサごめん。ちょっと長くなっちまった。)
実はこの証拠を押さえるのに1時間以上が経ってしまっていた。だが、チサは俺が帰ると、文句の一つも言わず、迎え入れてくれる。
そして、俺は、本当は眠りたかったのだが、ギュジットに分身で護衛をつけた以上眠る訳にもいかず、2度目の眠りにつくチサを優しく見守るのだった。
こうして俺は不正の証拠を押さえることに成功したのだった―。
俺はアルに一部話せないことはあったもののずっと監視していたことや、ギュジットから木版を奪った経緯を話す。
「そんな筈は......。なら、今もなお、監視しているとでも言うのですか!!??」
「ん? ああ。アルは遂に気付けなかったみたいだがな。」
俺は指を鳴らす。
パチン
小気味良い音が領主の館の応接間へと響き渡ると同時にアルの両隣に俺の分身が現れる。
「なっ......!」
こうして俺はアルに不正を認めさせることに成功する。勿論ギュジットを護衛していることについては話した。
だが、この時俺は気付けなかった。そう。この一件がきっかけで、大陸全体を巻き込む陰謀に巻き込まれてゆくことに―。
今話はお話の都合上短いです。申し訳ありません!
そして祝!80話達成!!
ここまでかけたこと、そして読んでいただいている方がおられることには感謝しかありません。
ありがとうございますm(__)m
引き続き頑張って書いて参りますので、これからも応援して貰えると嬉しいです!
【ここからしょた丼の戯れ言です】
第80話ということで、しょた丼からの10話に1度のお願い。
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以上宣伝終わり!81話執筆頑張りまっす!
20/12/11




