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第58話 ジンVSチサ!釣り対決勃発なのじゃ!

 次の日。


「ジン、おはようなのじゃ。」


「おはよう。チサ。」


「今日こそは大物を釣り上げて見せるのじゃ!」


「ああ、大物を釣ろうな。」


 俺は流石にその辺で拾った木の棒と、糸とはいえど服飾用。更にはお手製の針をつけただけの簡易的な釣竿でチサの言うような大物が釣れるとは思わなかったが、張り切っているのだから、ここは口を挟まないでおこう。


 こうして俺たちは、胃の中から背中へと向かい、適当なチサの鱗に座る。


 釣竿をインベントリから2本取り出してチサへと渡した後はお互いに竿をしならせてなるべく遠くへと餌を飛ばしてゆく。


 しばらくすると、俺の竿がしなる。


「おお!来た来た!」


「なぬ!もうきたのじゃな!」


 チサがとても楽しそうな、羨ましそうな顔をしてこっちをみているが、俺は慌てない。


 俺は故郷の街の近くにある小川で釣りをしたことがあるのだが、このしなりはまだ食っていない。

 ここから少しずつ竿を揺らして......。


 突然竿が大きくしなる。


「食った!!!!」


 俺は魚が食った瞬間に合わせて竿を引いてゆく。

 そうして無事バラさずに引き上げた糸の先には30cm程の魚がピチピチと宙を踊っていた。


 それを見たチサは残念そうな顔をする。


「なんじゃ。小さいのう。」


「小さいとはなんだ!小さいとは。こんなお手製の釣竿で釣ってるんだからこれでも大物だろう。」


 俺は言い返すもチサは意にも介さずに言う。


「ふふっ。まあ見ておれ。妾はジンに負けぬ程の大物を釣り上げてやるからの。」


「釣り初心者の癖に大口を......。絶対に負けないからな!」


 俺も小川釣りはかなりの腕前の自身はあったが海釣りは初心者であるということはこの際記憶の引き出しにしまっておくことにしよう。


 こうして勝手にチサと俺との釣り対決が始まった。俺は、小川釣りで鍛えた持ち前のテクニックで次々と30cm前後の魚を釣り上げてゆく。赤青緑......様々な色の魚達を釣り上げるのは楽しくて楽しくて仕方がなかった。


 結局俺はこの日25匹の魚を釣り上げることとなる。この近辺は人が立ち寄ることなど無いのだから、釣られることに魚達が無警戒だったのも大きかったのだろう。


 日が沈みそうになっている。だがチサの方は未だに1匹も釣れていない。というか、竿がしなる瞬間さえも無かった。これはおかしいと思った途中で心配になって、餌を取られたんじゃと聞いたりもしたが、全て「大丈夫じゃ。」の一点張りだった。


「今日はもう切り上げないか?」


 俺はチサに尋ねる。


「まだじゃ。」


 辺りには日が落ちるのを告げるかのように大量の海鳥が舞っていた。首長竜が居るからか、襲っては来ないが、鳥型のモンスターと思われる、1mを超える怪鳥も宙を舞い始めていた。


「明日でもいいだろう?まだまだ次の大陸も見えてないんだしさ。」


「ダメじゃ。あと少し。」


「あのなあ、チサ。もう日が暮れるし、なんかいっぱい集まって来たし、今日は素直に......。」


「水陣。」


 チサが俺の言葉を無視して急に技能を発動し始める。チサを含む釣り竿や糸まで水で覆われてゆく。


「キタキタキタ来たのじゃー!!!!」


 そうチサが叫んだ瞬間!釣り竿が恐ろしいほどにしなる。だがチサが水陣をかけたからか、信じられない程にしなっているにもかかわらず、折れない。糸も切れない。


「元気じゃのう。どおれ!妾と力比べじゃ!」


「水竜天女の法衣!!」


「え、え?ええ?」


 俺は急に大技を使うチサに空いた口が塞がらない。


 そして、海に見える大型の魚影に向かって......。


「水波・震水竜!乱れ打ちじゃああああ!」


 グラグラグラグラドッシャーン!


 首長竜の周囲は天変地異が巻き起こったかのような津波と空間のズレと地震が発生していた。


「うおおおおおおお!!!???」


 俺は急にチサが使った技の数々による衝撃波に、吹き飛ばされない様に首長竜の真紅の鱗にしがみつくので精一杯だった。格好なんて気にしている暇もなかった。


「さああがるのじゃ!」


「水波・竜水樹!!」


「!!??」


 チサが釣り上げた魚影は超大型の海老の様な見た目の怪物だった。大きさは15mは超えよう。フォレストアントクイーンよりも大きかった。


 名前:エンペラーシュリンプ

 lv:148

 体力:85/320

 総合:S


「ジン、妾もう駄目なのじゃ。此奴を釣り上げるのに力を使い果たしてしもうたわ。ジンに負けぬようにそして驚かせたくての。後は頼んだのじゃ。」


 そういうとチサからフッと力が抜け、水竜天女の法衣と、釣り竿に掛かっていた水陣が解除される。その瞬間、釣り竿はバキバキに砕け散った。


 よく見ればエンペラーシュリンプの甲殻は所々砕けたりひび割れていた。


「チサ......。これは負けたよ。まさかここまで大きな獲物をこんな釣り竿で釣っちまうなんて。」


 そう呟くと俺はエンペラーシュリンプへ向き直る。


「黒影切。」


 そう呼ぶと俺の手には黒影切の姿があった。


「すまんが一気に決めさせて貰うぞ!そろそろ眠いんだ!」


 俺はそう言い放つと飛び上がる。だがチサが折角釣った獲物なのだ。俺は絶対に真っ二つにするわけにはいかないと心に決めて、ダメージを与える。狙いは、脳天への一髪。


 俺はエンペラーシュリンプの頭部へ向けて斬撃を放つ。


「追・ジン」


 エンペラーシュリンプはそれを見て、その巨体からは想像出来ない様なスピードで俺の一撃を躱す。刹那、両腕にもつ巨大なハサミでカウンターを放つ。


 が、俺のもとには届かない。


「俺の勝ちだな。」


 俺の身体のすぐそばにまで迫ったハサミは、止まる。そして、首長竜の背中の上に落ちる。エンペラーシュリンプの頭部に躱された後に戻ってきた斬撃が貫いていたのだった。


 俺はそれを確認して、エンペラーシュリンプをインベントリへと収納すると、眠ってしまったチサを抱えて首長竜の体内へと戻ってゆくのだった。




というわけで釣り対決はチサの勝利でしたね。真面目に数を稼いでいた自称経験者のジンがなんだか気の毒でした...。


さて!今日から12月です。以前後書きでも話しましたが、作者は寒いのが大嫌いです...。

マジで冬消えてほしい...。

12月とか冬の半ばで春からも秋からも遠くて1番嫌いです(死)

そんな風に思う今日この頃でした。


ではでは〜第59話もよろしくお願いします!


20/12/1


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