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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第46話 妖刀 『黒影切』

 会議が始まって、まずは俺達人間側が知っているフォレストアントの生態について語る。


 昼のみ活動していること。


 糞を目印に行動していること。


 目も鼻も殆ど良くないこと。


 大きさは1〜3mで個体によってばらつきがあること。


 纏めればこんな感じだ。


 それを聞いたキラークィが続けて口を開く。


「私達はそれに加えて、世界樹を守るにあたって奴らの生態に分かってきたことがある。」


 キラークィは続ける。


「フォレストアントは、数匹〜数十匹単位の群れで行動しており、何を使ってかは分からないが、群れで最も大きな個体を中心に動いており、その個体を倒せば、その群れは瓦解するのだ。そして何故かそ奴らは皆、夜にもなっていないのに、世界樹から見て北へと帰ってゆくのだ。」


「つまり、北へ向かえばそ奴らの巣があるのかの?」


 チサが尋ねる。


「いや、それがそうとも言っていられないのだ。実はそのフォレストアントを追ってフォレストアントの大元を叩こうという方法は一年前に試したのだ。だが....。」


 キラークィは口を閉ざす。


「うまくいかなかったのか?」


 俺は尋ねると、キラークィは頷きを返す。


「巣を探しに行った者達は誰一人として帰って来なかったのだ。しかも、当時のブラウンエルフ内で1、2を争っていた実力者達であってもだ。そういうわけで北に巣があるとは言い切れないのだ。」


「そういえばそのフォレストアントは、世界樹は狙うのにどうして普通の木は狙わないんだ?」


 俺はふと疑問に思ったことを尋ねてみる。


「それははっきりとは分かっておらん。だが、一つ確かなことは、世界樹が倒れれば、この大陸の全ての木が枯れるのは間違いない。少年。そなたなら分かるのでは無いか?この大陸の木々の異常さが。」


 たしかに言われてみればそうだ。まぁ俺の生まれた大陸の木々ってのも全部奴らに喰われてもやがかかってたからなんとも言えない部分はあるんだけど。


「なるほど。ということは世界樹が倒れるとこの大陸が滅ぶと思って間違いはないわけだ。」


「そしてもう一つ。世界樹は今相当危険な状態にあるのだ。世界樹は世界樹の巫女の力を使って障壁を張る。だが、ここ最近私達ブラウンエルフの戦士といえど、日々のフォレストアントとの戦いで傷つき、防衛する数が足りず、その障壁にフォレストアントの攻撃を許してしまっている。」


「つまり、障壁を張る巫女が少なくなっているのじゃな?」


 チサはキラークィの言葉から察したことを尋ねる。


「そういうことだ。普段なら足りるはずの人間側の巫女の数が足りず障壁はかなり弱まっている。そんな中で今防衛しているが故にもういつ破られてもおかしくは無いのだ。」


 トリスとバッツは気まずそうな顔をして静かに話を聞いていた。きっと今の話の中で思うことがあったのだろう。そうして話し合いは続き、準備を整えて3日後の朝、俺達はフォレストアントの大元を探し出して討伐することになった。


 作戦の詳細は、まず、世界樹を襲いに来るフォレストアントの群れの一番大きな個体をブラウンエルフの戦士が叩く。


 そうして群れが北方へと向かうのを、俺とチサ更にはブラウンエルフの戦士達20名程で追う。その抜けた穴は、トリス達人間側の戦士で補うこととなった。


 後は現地で対応するということになったが、これは仕方がない。どうやらキラークィによると、最早一刻の猶予もないということだった。


 なら試練や食事なんかしている場合じゃないだろ!とは思ったが、ブラウンエルフ達を納得させる為だったり、体面を整えるのには必要なことだったらしい。


 そして、トリスとバッツは人間側へ人事の調整をする為に一旦戻り、ブラウンエルフ達は世界樹の守護についている者達との打ち合わせで忙しくしていた。


 俺とチサ?

 俺達は特にやることはなかったから、3日間ブラウンエルフの集落で借りた部屋で過ごしたり、集落を見て回ったりしていた。


 集落の見回りをしている時に不意に武器が並ぶ店があるので寄ってみる。


「いらっしゃい。待っていたよ。」


 そう言って出てきたのはキラークィよりも年を食ったであろう一人の老婆だった。


(この老婆....!強い!)


 俺はその老婆の発する気配にキラークィの試練の時でさえ感じなかった危機感を募らせる。

 ふと肩に乗るチサに目をやると、チサもまた緊張している様だった。


 すると老婆がフッと笑みを浮かべる。


「フェーッフェッフェッフェ!そう警戒するでない。試す様な真似をしてすまなかったねぇ。どおれ!お前達に合う武器を見繕ってやろうかねぇ!」


「......あの代金は....?」


 俺は急に変わった老婆の雰囲気に驚きつつもお金がない俺たちに武器を売っても良いのかと尋ねる。


「これから、この大陸のために戦おうという戦士から取る金なんてないよぉ!フェッフェッフェ!」


 そう高らかに老婆は笑いながら言う。俺の身のこなしや唯一ここにいる人間ということから初対面であるにも関わらず、色々バレていたらしい。


「お前達、普段使っている武器はあるかい?」


 そう言われた頑張ってる俺に心当たりはない。常に素手で戦っていたのだから。まぁトリスからもらった木剣はあるにはあるけどね....。


「ない。」


「無いのじゃ。」


 そう俺とチサは老婆に返事をすると老婆は驚いた顔をする。


「フェぇ?そこまでの実力がありながら、武器を使ったことがない?これはこれはお前達とんでもない大物だねぇ。どおれ、この老婆が武器を見繕ってやろうかねぇ。」


 そうして店の奥へと戻った老婆は、青い宝石が埋め込まれたペンダントと、漆黒の刃を持つ鍔の無い2本の小刀を手に現れる。


「お嬢ちゃんにはこのペンダントを。これは水属性の技を出す時の消費魔力軽減、威力上昇、発動時間の短縮をしてくれる優れものさね。エルダーラフの阿呆との戦いを遠くから見ていただけではあったがここに来ることがあればこれが一番良いと思うてねぇ。」


 そのペンダントを老婆から受け取り俺がチサの首にかけてやる。


「ありがとうなのじゃ。なんだか付けていてとても妾の体に馴染む気がするのじゃ!」


 チサはとても気に入った様で、うれしそうにしていた。


「フェーッフェッフェッフェ!ほれそこの少年や。お主にはこれじゃ。お主の上半身を見る限りこれを越えるものはそうあるまいて。」


(え....この老婆にも俺の上半身バレちゃうのかぁ....)


 俺は本格的に服を買おうか悩み始める。でもなあ、俺は不死身と気配遮断のお陰で服は着てても気付いたらズタボロになるんだよな。そう思って俺はこの考えをやめる。しばらくは半裸でいいやと。


 そう思いながら俺は2本の鍔の無い漆黒の小刀を受け取る。


「フェーッフェッフェッフェ!聞いて驚くんだねぇ。この小刀の名は、『双刀・黒影切(こくえいさい)』かつてのブラウンエルフの名工ルゲインが打った妖刀だよ!」


 そう老婆が言うや否や、俺の意識は闇に包まれてゆくのだった。







昨日ちょっと最近のトレンドに乗っかって短編(ごめんなさい。どうやら短編の意味を履き違えていた様で...どうやら掌編が正しい様です。)書いてみました。良ければ読んでみてくださいね!


トレンドってやっぱ凄いよね。一瞬でPV伸びてビックリした....。


そうは言えどもこちらの更新は落とさずに行きますのでこれからもお付き合いよろしくお願いしますm(__)m


では!47話でお会いしましょう。


20/11/26


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価とブックマークをよろしくお願いします!

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