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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第41話 ブラウンエルフの住処

 そうして協力関係を結んだ俺はトリスにブラウンエルフに会いにいく方法を尋ねる。


「で、俺達はどうやってブラウンエルフの長に会いに行くんだ?木を登るのか?」


「いや、そこはエルダーラフを使おうと思う。奴がいれば転移台を使えるからな。」


 そう言われて俺は納得する。なるほど。確かにそれが一番手取り早いだろう。


「ただな、転移の人数制限の関係上同行するのは俺とバッツだけになるだろう。よろしく頼む。」


 俺も了解の返事をしてその日は別れることになった。過度な期待をさせない為だろう。この場所では俺のことは知らせているようだが、まだ外の世界に運良く生き延びた少年少女という説明がされているそうだ。


 バッツがチサを連れてきた時チサは猿轡をされ格子状の檻に入れられていたのもあって、その時の少女とは誰も気づいていないそうだ。


(まあ...確かにそれで間違ってはいないね。運が良かったのは事実だし。)


 こうして、この村を歩いていると色々と話しかけられる。「兄弟?」とか「大変だったねぇ。」とか。


 俺はそれらの言葉に無難に対応しながらも割り当てられたトープへ戻る。中には新参者の俺達にトープがあるのに妬みの視線を感じたが、スルーした。外のトープはここへアリが来ない様にする為に地下に持ってくることはできないんだそうだ。


 こうして何日かこの地下で寝泊まりする。この大陸での生活に合わせる為、昼間は眠り、夜に行動する。村の中で人々と会話したり、文化の違いに驚いたりもした。勿論、トリスから止められていた為、隠せているかは分からないがこの大陸で育っていないことは話さないようにした。


 勘の良い人は気付いていたかもしれないが、誰も詳しく聞いてくる人がいなくて助かった。


 簡素ではあったが、食事も出た。配給の芋と豆のスープではあったが、海が近いおかげか塩はあり、味もしっかりとついていたので、不思議と心温まるものだった。


 これまでずっと調理すらしていない生の食材そのものしか食べて来なかった俺や、人が作る料理を初めて食べるチサは感動していた。


 その時のチサの「美味いのじゃ〜!」と口元を汚しながらも美味しそうに食べる様子の愛らしさは俺にとってとても心癒される光景だった。


 そうして、エルダーラフとの話を纏めたトリスと付き添いにバッツ更には俺とチサ。あの時地下で対峙した面々が例の転移台がある部屋に再び訪れていた。


「我が協力しなければならないのは、非常に不本意ではありますが、我はこれでもブラウンエルフの中では上位の実力がある。そんな我に勝てるのであれば長に報告せねばなるまい。我は強い者を見つけることもまた少女を連れ帰ることと同様に託けられている。」


 傲慢な姿勢は相変わらずであったが、どうやらブラウンエルフの方でもこの話はついているらしい。俺はトリスの話に矛盾が無いことを察した上でチサと一緒に転移台へと乗る。


「ジンよ。転移とはワクワクするのう。妾、一度転移とやらいう一瞬で他の場所に行ける体験をしてみたかったのじゃ。」


 チサが嬉しそうに言うのをみて俺も嬉しくなってくる。


「そうだね。楽しみだ。」


 俺はそんなチサに優しく同意する。


 そうして、エルダーラフが転移台へ手をかざし、何かを呟いたかと思うと俺達は一瞬にして見知らぬ地へと移動していた。


 辺りは既に暗くなっていたが、周囲を見渡すと所々にブラウンエルフ達が歩いていた。

 地面に目を向ければ、そこは木の枝葉が複雑に絡み合って辺り一面が緑の絨毯の様相を呈していた。


 俺は驚く。ただ、不思議にも思うことがあった。


「家は何処だ?ブラウンエルフには家が無いのか...?」


 エルダーラフは言う。


「我らの家はここには無い。ここは木の枝葉の上である故に。ここに家など建てようものなら、枝葉が枯れてしまうであろう。」


 何を当然のことを。そんなこともわからないのか?と言いたげな顔を浮かべてエルダーラフはジンに答え、俺ははちょっと機嫌が悪くなる。


(知らないものは仕方ないじゃないか。)


「いやぁ。いつ来てもこの景色は素晴らしいですねぇ。僕はいつ来ても思いますが、この光景はいつ見ても心が躍ります!」


 相変わらずバッツがブラウンエルフへのご機嫌取りに勤しんでいるが、俺は気にしない。


 そうして、俺達他のブラウンエルフ達に


「何で人間がいるの?」


「エルダーラフ様だわ!かっこいい。」


「何かあったのか?」



 こんな風にヒソヒソ遠巻きに言われていた。途中理解しがたい声混じっていたが俺は気にしない。エルダーラフが何故ここまで....と思わない訳では無いが俺は気にしない。


 何故か俺をみて得意気なエルダーラフが居るが、俺は気にしない!!!


 そんなやり取りがあった後、エルダーラフが立ち止まる。


「ここだ。」


 エルダーラフが言う。正直俺にはここが他の場所とどう違うのか全く分からない。


「離れていろ。」


 そういうと、エルダーラフの体が緑色に光り始める。不覚にもエルダーラフが神秘的だと思ってしまった俺は少し悔しかった。


「クラヒー!!」


 そうして謎の言葉を発すると、エルダーラフを包んでいた緑色の光が地面の木の中へと吸い込まれてゆく。それが終わった時、エルダーラフの正面の木の枝葉が動き出し、人1人が通れるほどの穴を空けたのだ。


「我についてこい。」


 エルダーラフはそう言うと新たに空いた穴の中へと入ってゆく。そこにトリスとバッツが続き、俺とチサも続いてゆく。


 穴を覗くと中は明るく、その穴の先には螺旋状の階段が設置されていた。


(中はこんな風になっているのか。まさかあの高い木々の内部にブラウンエルフの家があるとはね。)


 そんな風に思いながらも俺はチサと共に、その階段を下ってゆく。そうして、降り終えた先は、巨大な木の枝が3本に枝分かれしている部分の周囲の枝を加工して壁と地面の代わりとし、枝葉の隙間には地上から持ってきたと思われる大きめの石を敷き詰め、更にその上から粉々に砕いた枯れ葉で隙間を埋め固めた空間があった。


 これがエルフの家であるということは一目瞭然だった。


 そうして、エルフの家を観察した俺はその空間の中央に位置する1人の年老いた杖をついている老齢であろうブラウンエルフに目を移す。


 その人物もまた、静かに俺を見据えていたのだった....。


前話の松明ですが、フォレストアントの糞を乾燥させると少し粒の大きい粉末状になります。それを棒状に固めたものが松明として利用されているということです。


そろそろ第二章の用語集と人物紹介纏めなきゃ!

第一章も結構大変だったけど、2章はもっと大変かも....。


さて、では42話でお会いしましょう!


20/11/24


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