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見捨てられた世界を気配遮断で生き延びた俺は神に助けられこの世界を解放する旅に出る  作者: しょた丼
〜第二章 チサとの出会いとジンの旅立ちの決意編〜
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第35話 チサの行方③

 俺はトリスを見ていた。


(何が悲しくてこんな筋肉マッチョの着替えなんて見てなきゃいけないんだ...。)


 俺は心の奥底から虚しさが滲み出てくる様に呆然としていた。だが、どんなものを隠し持つかまたその男の強さを測る指標として事前に装備を知っておくというのは俺にとって必要なことではあった。


 トリスはやはり木製の防具を着る。この大陸には鉄とか銅とか無いんだろうか?と俺は思う。いや、間違いなくあるだろう。ただ、これだけ木ばかりだとそもそも金属の加工法自体が発達していないのか、ここの木は金属を越える何かがあるのか....。


 こんな事を考えていても仕方ないなと俺は思うと、丁度戦闘用の木製鎧を装備し終えたトリスがこの家から出ていこうとするので俺は道を空ける。流石に気配は遮断出来ても透明人間にはなれないから、ぶつかったら何かいることぐらいはバレるからね。


「よし、急ぐか。」


 そう言うとトリスはかなりの早足で、ここにいる人達に声をかけ、道を空けさせる。

 そうして、トリスは、ドーム状の布の家がいくつかあった場所の更に奥へと移動してゆく。


 どうやらドーム状の数件だけあった家はこの空間の中央地点で、移動中にこっそり覗いてみた感じでは、この村の中心人物が話し合う場、簡易の救護所、食料を置く倉庫といったいった具合だ。


 そうして、進んでゆくと家が無くなり、この空間に入ってきた時同様身を寄せ合っている人々がおり、更に奥へと進むと、其処にはこの空間に入ってきた時と同じような通路があるのだった。



 通路の前に着くとトリスは、手持ちの袋から何やら白色の玉の様な物を取り出して握り潰す。

 そうしてトリスが手を開くと何とトリスの腕が発光したのだ。俺は見たことも無い道具に驚く。


(おお!凄いな。やはり大陸が違えば、知らない技術もあるんだな。)


 俺はトリスの背後でそんな事を思っていると、トリスが光る腕を手前にかざして歩き始めるので俺もそれに追従する。


 そうして辺りがハッキリと明るい中で通路を通ると俺は天井を見て驚く。何とそこにはかなりの数のコウモリが止まっていたのだ。ここにくる時はいくら周りが見渡せるといっても自分の周辺数m程度で10mはあろうかという天井を確認することはできなかった。

 俺はトリスが天井に光る手を向けてコウモリを刺激しない事を祈りつつトリスに追従する。


 そうしてしばらく歩くとチサが目と鼻の先にいるのが分かってくる。そして、先程の居住空間よりは狭いが台座に拘束されたまま捕まるチサを俺はその目に写すのだった。


 時は少しだけ遡る。

 チサは、黒い木で眠らされるものの、何度も目覚めては、拘束されたまま檻を破壊しようと必死で破壊しようともがいていた。


「んー!んー!んー!」


 ガン!ガガガ!ガン!ガン!


「おかしいですねぇ。これを使えば最低でも丸1日は目覚める筈がないんですけどねぇ。」


 バッツはぼやいていた。この黒い木。実はかなり製造の手順が面倒で、しかも現時点では製造することさえ不可能になっていた。


 バッツがチサを見つけた時、元々捕まえる用意などしていなかった。本当に偶然だったのだから。せいぜい、護身用のアイテム数個持っていた程度である。

 近くに海藻塗れの何かがあったが、少女を目にしたバッツは確認することもなかった。


 チサが入れられている鉄の檻はバッツの技能によって作ったものであるが故にチサが壊すたびに修正していたのだが、魔力の限界が近づいていた。


「これは不味いですねぇ...傷物にすると村が生き延びる時間が減ってしまいますが、逃げられるのなら話は変わりますねぇ!すみませんが技能を使わせて頂きます。」


 チサはバッツが出す黒い木を使われても30分程で覚醒を繰り返していた。普通の人間であれば丸一日眠らせるに値する量だったのだろう。だが、チサは首長竜である。人と全長150m程もある首長竜とでは同じ効果を得るために必要となる量が多くなるのは必然であった。


 勿論バッツは気づけない。

 テイムされた生物は、主の許可無しに他人がレベルや種族を見ることは出来ないし、見せることも出来ないからだ。


 そんなチサは暴れながらもかなり冷静だった。

 チサが暴れることでチサを拘束するロープや檻が脆くなり、その度にチサを運ぶ男が修正しているのに気付いたからだ。


「んー!んんんー!んんんんー!(よし!もう少しじゃ!拘束が解けるのじゃ!)。」


 しかし、その時、チサの全身に物凄い痺れが走る。


「んんんんんんんーーーーー!!!!!!????」


 チサは生まれて初めて浴びる電撃に一瞬にして体が痙攣して動けなくなる。バッツは残りの魔力全てを使い電撃を起こしていたのだ。


「どうですか?僕の電撃は。中々キツいでしょう。僕の檻を破るくらいの頑丈な体ですからねぇ。普通に攻撃するよりもこちらが良いと判断させて頂きやした。さて、急ぐとしましょう。」


 そうしてバッツは地下の入り組んだ迷路をかなりのスピードで踏破してゆく。

 チサは電撃を受けて自由に動かぬ体で思う。


(ジンすまぬのじゃ...妾はここまでのようじゃ。妾を助けてくれ。まだ死にたくは無いしジンと一緒にいたいのじゃ。)


 チサがこの願いを込めたこの時、チサが離れるのを感じ、ジンは村へと強行突入していた。

 ジンの気配が自分に向かって近づき始めたのを感じて、チサは思う。


(ジン.....後は...任せたのじゃ。)


 チサは、電撃で大きなダメージを受けたその小さな体から意識を手放すのだった。









漸くジンはチサを見つけられましたね。

ただ、これは第2章における物語の序章でしかありません。この先の展望をお楽しみに!

(期待に添える様に頑張って書きますので...)


では、第36話もよろしくお願いします!


20/11/22


これから先が気になる!面白い!と思えた方は是非是非評価よろしくお願いします!

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